ほまれ)” の例文
新字:
我汝に誓ひて曰はむ(願はくはわれ高きに達するをえんことを)、汝等の尊き一族やからは財布とつるぎにおけるほまれの飾を失はず 一二七—一二九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
唯……自分が生前に何等のほまれを持つてゐなかつた事は物足らない。せめて自分が中學の特待生でもあつたらかつたらう。……
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
「呆れるのはお前だよ、岡つ引が泥棒の道具になるのはほまれぢやないぜ。道樂も程々にするが宜い——ホイ、又柄にもなくお説教になつたか」
數多あまたの人にまさりて、君の御覺おんおぼえ殊にめでたく、一族のほまれを雙の肩にになうて、家には其子を杖なる年老いたる親御おやごもありと聞く。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
頭腦あたまなか此樣こんことにこしらへて一けんごとの格子かうし烟草たばこ無理むりどり鼻紙はながみ無心むしんちつたれつれを一ほまれ心得こゝろゑれば、堅氣かたぎいゑ相續息子そうぞくむすこ地廻ぢまわりと改名かいめいして
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
當時われは不幸にして未だこのほまれある歌人のいかに世を動かしゝかを知らず、又幸にして未だアヌンチヤタが如き才貌ある歌妓のいかに人を動かすかを知らざりしなり。
荒浪あらなみ鞺々どう/\打寄うちよするみさき一端いつたんには、たか旗竿はたざほてられて、一夜作いちやづくりの世界せかい※國ばんこくはたは、その竿頭かんとうから三方さんぽうかれたつなむすばれて、翩々へんぺんかぜなびく、その頂上てつぺんにはほまれある日章旗につしようき
つとに知る可く、「のぞみ」こそ、そを預言かねごとし、「ほまれ」こそ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
深く刻みて、ほまれなき汗に額をうるほさむ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
彼その肉を生けるまゝにて賣り、後これを屠ること老いたる獸に異ならず、多くの者の生命いのちを奪ひ自ら己がほまれをうばふ 六一—六三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
斯くて風月ふうげつならで訪ふ人もなき嵯峨野の奧に、世を隔てて安らけき朝夕あさゆふを樂しみしに、世に在りし時は弓矢のほまれ打捨うちすてて、狂ひじにに死なんまでこがれし横笛。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
(騷ぐ胸を押し鎭めて)さきには羅馬ロオマ拿破里ナポリほまれを馳せたる西班牙スパニア生れの少女をとめありしが、この女優は偶〻たま/\其名を同じうして、色も聲もこれに似ること能はざりしよ。紳士。
一度いちどんだとおもはれた日出雄少年ひでをせうねんと、わたくしとが、無事ぶじこのほまれある電光艇でんくわうていともあらはれてたといたなら、ネープルスに濱島武文はまじまたけぶみ——しまた春枝夫人はるえふじん此世このよにあるものならば
ほまれ」はつばさ音高おとだか埋火うづみびの「過去くわこあふぎぬれば
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
兄弟よ、ボローニアびとフランコの描けるもののはなやかなるには若かじ、彼今すべてのほまれをうく、我のうくるは一部のみ 八二—八四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
朝夕みゝにせしものは名ある武士が先陣拔懸ぬけがけのほまれれある功名談こうみやうばなしにあらざれば、弓箭甲冑の故實こじつもとどりれし幼時よりつるぎの光、ゆづるの響の裡に人と爲りて、浮きたる世の雜事ざれごとは刀のつかの塵程も知らず
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
このめづらしき音樂おんがく妙手めうしゆ握手あくしゆほまれんとひしめくのである。
唯、すゑのほまれむくひえむとせば
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
(是等の戰ひにトルクァート、己が蓬髮おどろのかみちなみて名を呼ばれたるクインツィオ、及びデーチとファービとはわが悦びていたたふとほまれを得たり)
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そはこの物彼の手にありしとき、我をはげます生くる正義は、己が怒りにむくゆるのほまれをこれに與へたればなり 八八—九〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あゝすべての詩人のほまれまた光よ、願はくは長きまなびと汝のふみを我に索めしめし大いなる愛とは空しからざれ 八二—八四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
汝の叫びの爲す所あたかもいと高き巓をいと強くうつ風の如し、是あにほまれのたゞさゝやかなるあかしならんや 一三三—一三五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
なべての人が、たをやめのほまれとふもの
泣けよ恋人 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かくも歌ひて、とこしへのほまれをあげよ。
歌よ、ねがふは (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)