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さつぱり
ふりがな文庫
“
薩張
(
さつぱり
)” の例文
『まだ。今日か明日帰るさうだ。吉野
様
(
さん
)
がゐないと俺は
薩張
(
さつぱり
)
詰らないから、今日は莫迦に暑いけれども飛出して来たんだ。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
見
(
み
)
ろよ、
近頃
(
ちかごろ
)
薩張
(
さつぱり
)
來
(
き
)
てくんねえが、
俺
(
お
)
れこと
厭
(
や
)
にでも
成
(
な
)
つたんぢやねえかなんて
出
(
で
)
つから」と
店
(
みせ
)
の
女房
(
にようばう
)
は
戯談
(
ぜうだん
)
を
交
(
まじ
)
へた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
何
(
なに
)
が
何
(
なん
)
だか
薩張
(
さつぱり
)
道理
(
わけ
)
が
解
(
わか
)
らず、『
長靴
(
ながぐつ
)
にもなれは
半靴
(
はんぐつ
)
にもなる!』と
不審
(
いぶか
)
しげな
調子
(
てうし
)
で
繰返
(
くりかへ
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
恁
(
かゝ
)
る事は
円朝
(
わたくし
)
も
薩張
(
さつぱり
)
存
(
ぞん
)
ぜずに
居
(
を
)
りましたが、
彼
(
か
)
の
談洲楼焉馬
(
だんしゆうろうえんば
)
が
認
(
したゝ
)
めた文に
依
(
よつ
)
て
承知
(
しようち
)
いたしました。
其文
(
そのぶん
)
に
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
綺麗
薩張
(
さつぱり
)
諦めたよ。本人から後腐れないやうな挨拶をされちや、男の方から未練を言ふ筋はあるまい。
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
やがて
老師
(
らうし
)
が
現
(
あら
)
はれた。
疊
(
たゝみ
)
を
見詰
(
みつ
)
めてゐた
宗助
(
そうすけ
)
には、
彼
(
かれ
)
が
何處
(
どこ
)
を
通
(
とほ
)
つて、
何處
(
どこ
)
から
此所
(
こゝ
)
へ
出
(
で
)
たか
薩張
(
さつぱり
)
分
(
わか
)
らなかつた。たゞ
彼
(
かれ
)
の
落
(
お
)
ち
付
(
つ
)
き
拂
(
はら
)
つて
曲彔
(
きよくろく
)
に
倚
(
よ
)
る
重々
(
おも/\
)
しい
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
瀬川君に比べると、勝るとも劣ることは有るまいといふ積りだ。一体瀬川君は何処が好いんでせう。どうして
彼様
(
あん
)
な教師に生徒が大騒ぎをするんだか——私なんかには
薩張
(
さつぱり
)
解らん。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
羽織
(
はおり
)
をたゝんでふところへ
突
(
つ
)
つ
込
(
こ
)
んで、
空
(
から
)
ずねの
尻端折
(
しりはしより
)
が、
一層
(
いつそう
)
薩張
(
さつぱり
)
でよからうと
思
(
おも
)
つたが、
女房
(
にようぼう
)
が
産氣
(
さんけ
)
づいて
産婆
(
さんば
)
のとこへかけ
出
(
だ
)
すのではない。
今日
(
けふ
)
は
日日新聞社
(
にち/\しんぶんしや
)
の
社用
(
しやよう
)
で
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
急
(
せは
)
しく督促すれば出さぬこともないが、出て來た子供は中途半端から聞くのだから教師の言ふことが
薩張
(
さつぱり
)
解らない。面白くもない。教師の方でも授業が不統一になつて誠に困る。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『お
前
(
まへ
)
は
薩張
(
さつぱり
)
未
(
ま
)
だ
何
(
なに
)
も
知
(
し
)
らないね』と
云
(
い
)
つて
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は、『それは
眞個
(
ほんとう
)
の、
事
(
こと
)
なんです』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
尤
(
もつと
)
も、我輩は士族だから、一反歩は何坪あるのか、一
束
(
つか
)
に何斗の年貢を納めるのか、一升
蒔
(
まき
)
で何俵の
籾
(
もみ
)
が取れるのか、一体
年
(
ねん
)
に肥料が
何
(
ど
)
の位
要
(
い
)
るものか、
其様
(
そん
)
なことは
薩張
(
さつぱり
)
解らん。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
なる
程
(
ほど
)
芸妓
(
げいしや
)
のお
重
(
ぢう
)
さんだ、お
前
(
めえ
)
は
虎列剌
(
これら
)
で死んだのだ、これはどうも……
此方
(
こつち
)
へ
来
(
き
)
てから
虎列剌
(
これら
)
の
方
(
はう
)
は
薩張
(
さつぱり
)
よいかね、
併
(
しか
)
し並んで歩くのは
厭
(
いや
)
だ、
僕
(
ぼく
)
は
地獄
(
ぢごく
)
へ
行
(
い
)
くのは困るね、
極楽
(
ごくらく
)
へ
行
(
い
)
きたいが
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
勘定
(
かんぢやう
)
にや
成
(
な
)
んねえなどうも、
近頃
(
ちかごろ
)
は
仕
(
し
)
やうねえよ
文久錢
(
ぶんきうせん
)
だの
青錢
(
あをせん
)
だのつちうのが
薩張
(
さつぱり
)
出
(
で
)
なくなつちやつてな、それから
何處
(
どこ
)
へ
行
(
い
)
つても
恁
(
かう
)
して
置
(
お
)
くんだ」
商人
(
あきんど
)
がぼて
笊
(
ざる
)
から
燐寸
(
マツチ
)
を
出
(
だ
)
さうとすると
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「見掛けさへすれば、有無を言はさず
捉
(
つか
)
まへるが、
薩張
(
さつぱり
)
見掛けない、——尤も、下女のお近は、姿は變つて居たが、あの女らしいのが、ウロウロして居るのを見たやうな氣がすると言つて居たよ」
銭形平次捕物控:296 旅に病む女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
忙しく督促すれば出さぬこともないが、出て来た子供は中途半端から聞くのだから、教師の言ふことが
薩張
(
さつぱり
)
解らない。面白くもない。教師の方でも授業が不統一になつて誠に困る。
葉書
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
以前は
克
(
よ
)
く吾輩の
家
(
うち
)
へもやつて来て呉れたツけが、此節はもう
薩張
(
さつぱり
)
寄付かない。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「親分、あつしには
薩張
(
さつぱり
)
わからねえ、あれは一體どうした事で?」
銭形平次捕物控:047 どんど焼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『いくら見てもありませんの。役場にも松三郎と届けた筈だつて言ひますし……』と孝子はまた初めから帳簿を繰つて、『通知書を持つて来ないもんですから、
薩張
(
さつぱり
)
分りませんの。』
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何んなに此の世の中が
薩張
(
さつぱり
)
するだらうとまで思ふ事がある樣になつた。
硝子窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
薩
漢検準1級
部首:⾋
17画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“薩”で始まる語句
薩摩
薩摩芋
薩摩絣
薩州
薩摩下駄
薩埵
薩長
薩摩琵琶
薩
薩埵峠