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花道
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はなみち
ふりがな文庫
“
花道
(
はなみち
)” の例文
赤い
襦袢
(
じゅばん
)
の上に
紫繻子
(
むらさきじゅす
)
の幅広い
襟
(
えり
)
をつけた座敷着の遊女が、
冠
(
かぶ
)
る
手拭
(
てぬぐい
)
に顔をかくして、前かがまりに
花道
(
はなみち
)
から
駈出
(
かけだ
)
したのである。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
言わずに、引き揚げてくれたまえな。死ぬか生きるかと云う場合だ。しばらく、しばらくって
花道
(
はなみち
)
から
馳
(
か
)
け出してくるところだよ
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
花道
(
はなみち
)
から八才子が
六方
(
ろっぽう
)
を踏んで現れるという花々しい
出
(
で
)
に、どうしたものだかお約束の
素足
(
すあし
)
の下駄
穿
(
ば
)
きを紅葉だけが紺足袋を脱ぐのを忘れていた。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
干潟の前方は、一面の本水で、それが
花道
(
はなみち
)
の切幕際にまで続き、すべてが、先代右団次そっくりの演出であった。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
舞台
(
ぶたい
)
花道
(
はなみち
)
楽屋
(
がくや
)
桟敷
(
さじき
)
のるゐすべて皆雪をあつめてその
形
(
かたち
)
につかね、なりよく
造
(
つく
)
ること下の
図
(
づ
)
を見て知るべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
と
先
(
ま
)
ず口の
裏
(
うち
)
でいって見て、小首を傾けた。
杖
(
ステッキ
)
が邪魔なので
腕
(
かいな
)
の
処
(
ところ
)
へ
揺
(
ゆす
)
り上げて、
引包
(
ひきつつ
)
んだその
袖
(
そで
)
ともに腕組をした。菜種の
花道
(
はなみち
)
、幕の外の
引込
(
ひっこ
)
みには
引立
(
ひった
)
たない
野郎姿
(
やろうすがた
)
。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それが両
花道
(
はなみち
)
のきわまでつづき、またそれを一コマずつに、細い
桟木
(
さんぎ
)
で仕切っていって、一コマが、およそ一間の四分の一に仕切られて、その中に四つ、または五枚の
座蒲団
(
ざぶとん
)
が敷いてある。
旧聞日本橋:24 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり(続旧聞日本橋・その三)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
なんでもこの時は内蔵之助が馬をひいて
花道
(
はなみち
)
へかかると、
桟敷
(
さじき
)
の後ろで母におぶさっていた私が、うれしがって、大きな声で「ああうまえん」と言ったそうです。二つか三つくらいの時でしょう。
文学好きの家庭から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
花道
(
はなみち
)
のうへにかざしたつくり
桜
(
ざくら
)
の
間
(
あひだ
)
から、
涙
(
なみだ
)
ぐむだカンテラが
数
(
かず
)
しれずかヾやいてゐた。はやしがすむのをきっかけに、あの
世
(
よ
)
からひヾいてくるかとおもはれるやうなわびしい
釣鐘
(
つりがね
)
の
音
(
ね
)
がきこえる。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
さくらの
花道
(
はなみち
)
歌時計:童謡集
(旧字旧仮名)
/
水谷まさる
(著)
赤い
襦袢
(
じゆばん
)
の上に
紫繻子
(
むらさきじゆす
)
の幅広い
襟
(
えり
)
をつけた
座敷着
(
ざしきぎ
)
の遊女が、
冠
(
かぶ
)
る
手拭
(
てぬぐひ
)
に顔をかくして、
前
(
まへ
)
かゞまりに
花道
(
はなみち
)
から
駈出
(
かけだ
)
したのである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
舞台
(
ぶたい
)
花道
(
はなみち
)
楽屋
(
がくや
)
桟敷
(
さじき
)
のるゐすべて皆雪をあつめてその
形
(
かたち
)
につかね、なりよく
造
(
つく
)
ること下の
図
(
づ
)
を見て知るべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼所
(
あすこ
)
、
此所
(
こゝ
)
に席を立つものがある。
花道
(
はなみち
)
から
出口
(
でぐち
)
へ掛けて、
人
(
ひと
)
の
影
(
かげ
)
が
頗
(
すこぶ
)
る
忙
(
いそ
)
がしい。三四郎は
中腰
(
ちうごし
)
になつて、
四方
(
しほう
)
をぐるりと
見廻
(
みまは
)
した。
来
(
き
)
てゐる
筈
(
はづ
)
の
人
(
ひと
)
は
何処
(
どこ
)
にも見えない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
枕に
後向
(
うしろむ
)
きに横はりし
音羽屋
(
おとわや
)
の姿は実に何ともいへたものにはあらず小春が手を取りよろよろと駆け出で
花道
(
はなみち
)
いつもの処にて
本釣
(
ほんつり
)
を打ち込み
後手
(
うしろで
)
に
角帯
(
かくおび
)
引締め
向
(
むこう
)
を
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
我国雪の
為
(
ため
)
にさま/″\の
難義
(
なんぎ
)
はあらまし前にいへるごとくなれども、雪の
重宝
(
ちようほう
)
なる事もあり、第一は大小
雪舟
(
そり
)
の
便利
(
べんり
)
、
縮
(
ちゞみ
)
の
製作
(
せいさく
)
○
雪
(
ゆき
)
ン
堂
(
だう
)
○
田舎芝居
(
ゐなかしばゐ
)
の
舞台
(
ぶたい
)
桟敷
(
さじき
)
花道
(
はなみち
)
みな雪にて作る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
花道
(
はなみち
)
から出口へかけて、人の影がすこぶる忙しい。三四郎は中腰になって、四方をぐるりと見回した。来ているはずの人はどこにも見えない。本当をいうと演芸中にもできるだけは気をつけていた。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
女に
扮
(
ふん
)
した役者は
花道
(
はなみち
)
の
尽
(
つ
)
きるあたりまで出て
後
(
うしろ
)
を
見返
(
みかへ
)
りながら
台詞
(
せりふ
)
を述べた。
其
(
そ
)
の
後
(
あと
)
に
唄
(
うた
)
がつづく。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
拍子木
(
ひょうしぎ
)
の
音
(
おと
)
と
幕明
(
まくあき
)
の
唄
(
うた
)
とに伴ひて
引幕
(
ひきまく
)
の波打ちつつあき行く瞬間の感覚、独吟の唄一トくさり
聴
(
き
)
きて役者の
花道
(
はなみち
)
へ
出
(
いづ
)
る時、あるひは
徐
(
おもむ
)
ろに
囃子
(
はやし
)
の
鳴物
(
なりもの
)
に送られて
動行
(
うごきゆ
)
く
廻舞台
(
まわりぶたい
)
を見送る時
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
花道
(
はなみち
)
から
平土間
(
ひらどま
)
の
桝
(
ます
)
の
間
(
あひだ
)
をば
吉
(
きち
)
さんの
如
(
ごと
)
く
𢌞
(
まは
)
りの
拍子木
(
ひやうしぎ
)
の
何
(
なに
)
たるかを知らない見物人が、すぐにも
幕
(
まく
)
があくのかと思つて、
出歩
(
である
)
いてゐた
外
(
そと
)
から各自の席に
戻
(
もど
)
らうと
右方左方
(
うはうさはう
)
へと混雑してゐる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
“花道”の意味
《名詞》
花 道(かどう 異表記:華道)
日本の芸道の一つで植物の花や葉、茎、枝などを花器に入れ美しく形を整えて鑑賞するものでさらに礼式や作法を加えたもの。
(和語の漢字表記) はなみち 参照。
(出典:Wiktionary)
“花道”の解説
花道(はなみち)は、劇場や芝居小屋などで、舞台から客席を縦断するように同じ高さで張り出したもので、舞台の延長としてここでも演技が行われる。舞台からひと続きの廊下のように見える。
(出典:Wikipedia)
花
常用漢字
小1
部首:⾋
7画
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
“花”で始まる語句
花
花瓶
花魁
花弁
花片
花園
花崗岩
花簪
花崗石
花車