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繋
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か
ふりがな文庫
“
繋
(
か
)” の例文
かれ
鉤
(
かぎ
)
を以ちて、その沈みし處を探りしかば、その衣の中なる
甲
(
よろひ
)
に
繋
(
か
)
かりて、かわらと鳴りき。かれ
其所
(
そこ
)
に名づけて訶和羅の前といふなり。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
腥
(
なまぐさ
)
き油紙を
拈
(
ひね
)
りては人の首を獲んを待つなる狂女! よし今は何等の害を加へずとも、
終
(
つひ
)
にはこの家に
祟
(
たたり
)
を
作
(
な
)
すべき望を
繋
(
か
)
くるにあらずや。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
既に其の心を寄せ念を
繋
(
か
)
くるところを定めた以上は、其の深きを勉めなければ、井を鑿して水を得るに至らず、いたづらに
空坎
(
くうかん
)
を爲す譯である。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
わたくしは
姑
(
しばら
)
く此詩中に云ふ所を此年の
下
(
もと
)
に
繋
(
か
)
ける。蘭軒は二月の頃に「野遊」に出た。「数試春衣二月天」の句がある。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
せめて一度は、年よりらしい、有頂天の喜びを催さしてあげたいと思ふけれど、私に、其望みを
繋
(
か
)
けてゐてくれる学位論文なども、書く気にもなれない。
古代研究 追ひ書き
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
総
(
すべ
)
てに対して「なぜに」と反省し、理智の批判を経て科学的の合理を
見出
(
みいだ
)
し、自己の思索に
繋
(
か
)
けた後でなければ承認しないという事になって行くであろう。
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
たちまち進み来たれる紳士は帽を脱して、ボタンの二所
失
(
と
)
れたる
茶羅紗
(
ちゃらしゃ
)
のチョッキに、水晶の
小印
(
こいん
)
を
垂下
(
ぶらさ
)
げたるニッケル
鍍
(
めっき
)
の
鏁
(
くさり
)
を
繋
(
か
)
けて、柱に
靠
(
もた
)
れたる役員の前に
頭
(
かしら
)
を下げぬ。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
如何
(
どん
)
な事でも試験に関係の無い事なら、
如何
(
どう
)
なとなれと余処に見て、生命の殆ど全部を挙げて試験の上に
繋
(
か
)
けていたから、若し其頃の私の生涯から試験というものを取去ったら
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
けれども初め人々はこれに多大の期待を
繋
(
か
)
けたので、その期待の空に帰するを見るや、彼らは大いに失望した。しかして期待の大なりしだけ、また落胆は実に非常なるものであった。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
数で云うたら
唯
(
たった
)
二十万坪の土地、
喜憂
(
きゆう
)
を
繋
(
か
)
くる人と戸数と、都の場末の一町内にも足らぬが、大なる人情の眼は唯
統計
(
とうけい
)
を見るであろうか。東京は
帝都
(
ていと
)
、
寸土
(
すんど
)
寸金
(
すんきん
)
、生が
盛
(
さか
)
れば死は
退
(
の
)
かねばならぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
竜女の髪を採りて身体に
繋
(
か
)
け、一切天竜羅刹等を服従せしむる等の法を載す、上引の『今昔物語』の文に竜の油を以て如意を延ばすとあるは、この話の主人公たる若者が観音に仕えたとあるに因み
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
法律は鉄腕の如く雅之を
拉
(
らつ
)
し去りて、
剰
(
あまつ
)
さへ
杖
(
つゑ
)
に離れ、涙に
蹌
(
よろぼ
)
ふ老母をば道の
傍
(
かたはら
)
に
踢返
(
けかへ
)
して顧ざりけり。
噫
(
ああ
)
、母は
幾許
(
いかばかり
)
この子に思を
繋
(
か
)
けたりけるよ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
わたくしは松田氏の云ふ所の柏軒立志の事を以て、此年文政十一年正月の下に
繋
(
か
)
くべきものとした。わたくしは先づ柏軒が兄榛軒を諫めたことを語つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
洪武二十五年九月、懿文太子の後を
承
(
う
)
けて
其
(
その
)
御子
(
おんこ
)
允炆皇太孫の位に
即
(
つ
)
かせたもう。
継紹
(
けいしょう
)
の運まさに
是
(
かく
)
の如くなるべきが上に、
下
(
しも
)
は四海の心を
繋
(
か
)
くるところなり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
天の兒屋の命
太祝詞
(
ふとのりと
)
言祷
(
ことほ
)
ぎ白して、天の
手力男
(
たぢからを
)
の神
一六
、戸の
掖
(
わき
)
に隱り立ちて、天の
宇受賣
(
うずめ
)
の命、天の香山の天の
日影
(
ひかげ
)
を
手次
(
たすき
)
に
繋
(
か
)
けて、天の
眞拆
(
まさき
)
を
鬘
(
かづら
)
として
一七
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
ト
雪枝
(
ゆきえ
)
の
作品
(
さくひん
)
と
並
(
なら
)
べた
処
(
ところ
)
は、
恰
(
あだか
)
も
釣糸
(
つりいと
)
に
繋
(
か
)
けた
浮木
(
うき
)
が
魚
(
さかな
)
を
追
(
お
)
ふ
風情
(
ふぜい
)
であつた。……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そしてわたくしは聞く所の事の是正月の
下
(
もと
)
に
繋
(
か
)
くべきものなるを
謂
(
おも
)
ふ。此に先づ聞く所を叙することとする。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
上枝
(
ほつえ
)
に八尺の勾璁の五百津の御統の玉を取り
著
(
つ
)
け、中つ枝に
八尺
(
やた
)
の鏡を取り
繋
(
か
)
け、
下枝
(
しづえ
)
に
白和幣
(
しろにぎて
)
青和幣
(
あをにぎて
)
を取り
垂
(
し
)
でて
一五
、この
種種
(
くさぐさ
)
の物は、布刀玉の命
太御幣
(
ふとみてぐら
)
と取り持ちて
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
唯敢
(
ただあへ
)
てこれを
為
(
せ
)
ざるは、
窃
(
ひそか
)
に望は
繋
(
か
)
けながらも、行くべき
方
(
かた
)
の
怨
(
うらみ
)
を解かざるを
虞
(
おそ
)
るる
故
(
ゆゑ
)
のみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
翰林学士
(
かんりんがくし
)
の
劉三吾
(
りゅうさんご
)
、
御歎
(
おんなげき
)
はさることながら、既に皇孫のましませば何事か候うべき、
儲君
(
ちょくん
)
と仰せ出されんには、四海心を
繋
(
か
)
け奉らんに、
然
(
さ
)
のみは御過憂あるべからず、と
白
(
もう
)
したりければ
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
多分金銀に
望
(
のぞみ
)
を
繋
(
か
)
けたものであろう。家督相続の事を
宜
(
よろ
)
しく頼む。
敵
(
かたき
)
を討ってくれるように、伜に言って
貰
(
もら
)
いたいと云うのである。その間三右衛門は「残念だ、残念だ」と
度々
(
たびたび
)
繰り返して云った。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
繋
漢検準1級
部首:⽷
17画
“繋”を含む語句
繋留
繋綱
珠数繋
有繋
繋縛
繋合
関繋
繋累
船繋
三繋平
繋船
繋縄
繋辞
数珠繋
繋船場
繋留所
連繋
馬繋
聯繋
駒繋
...