“寸土”の読み方と例文
読み方割合
すんど100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
飛行船から投下された爆弾以外に、まだ寸土すんども敵兵に踏まれてゐない英国に比較すると、この精神的打撃はさら幾倍いくばいの深刻さを加へてゐると見るのがまさに妥当の見解である。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
土は我々の原稿用紙のようにかけがえのある物ではないので、世界の大地がどれほど広くても、農民の大地は自分の耕す寸土すんどだけで、喜びも悲しみもただこの寸土とだけ一緒なのだ。
土の中からの話 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
数で云うたらたった二十万坪の土地、喜憂きゆうくる人と戸数と、都の場末の一町内にも足らぬが、大なる人情の眼は唯統計とうけいを見るであろうか。東京は帝都ていと寸土すんど寸金すんきん、生がさかれば死は退かねばならぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)