珍品ちんぴん)” の例文
そのからは、一かう珍品ちんぴんぬ。破片はへんおほいけれど、いでやうなのはぬ。中食後ちうじきごに、は、土瓶どびんくち上下うへしたに、ツリをつた破片はへんしたくらゐ
そのひとは、時計屋とけいやさんですが、金網かなあみはこつくって、そのなかに、らんをれておいたというのです。しろに、しろはなという、珍品ちんぴんですから無理むりもありません。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三斎公聞召きこしめされ、某に仰せられ候はその方が申条一々もっとも至極しごくせり、たとい香木はとうとからずとも、このほうが求め参れと申しつけたる珍品ちんぴんに相違なければ大切と心得候事当然なり
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「博士、その珍品ちんぴんは一体、何に使うものだかおわかりですか」
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なにしろさむくていかぬとて、焚火たきびなんかはしめて、松薪まつまき完全くわんぜん、これはえがいから珍品ちんぴんだなんてつてるのである。
した破片はへんうちに、内模樣うちもやうのある土器どき内部ないぶ把手とツてゆうするのがある。これなぞも珍品ちんぴんかぞふべしだ。
今日けふ香爐形こうろがた以上いじやう珍品ちんぴん掘出ほりだしたいと力味りきみかへつてると、磨石斧ませきふ其燒土そのやけつちなかから掘出ほりだした。
たゞしその時代じだいには、精々せい/″\打製石斧だせいせきふか、石鏃屑せきぞくくづくらゐで、格別かくべつおどろくべき珍品ちんぴんらぬのであつた。
幻花子げんくわし種々いろ/\珍品ちんぴんれたことから、地主ぢぬしとの衝突奇談しようとつきだん小作人こさくにんとの大喧嘩おほけんぐわ小南保之助氏こみなみやすのすけし貝塚かひづか奇遇談きぐうだんやら、足立博士あだちはかせ學士時代がくしじだい此所こゝはちされたはなしやら、却々なか/\面白おもしろい。
此土器このどきほかに、種々しゆ/″\しなるのですが、土偶どぐうなんかべつして珍品ちんぴんです
三十六ねんつて大成功だいせいかうをした。一ぐわつ十六にちには、土器どきしゆもつ緻密ちみつなる模樣もやうゑがいてあるのを、二箇ふたつまで掘出ほりだした。それから四十二ねん今日こんにちまでにくのごと珍品ちんぴんまたでずにる。
泥土でいど混亂こんらんく、かひいろゆきごとしろく、合貝あひかひて、灰層くわいそうり、うしてなか/\ふかい。『有望々々いうぼう/\』とよばはりながら、水谷氏みづたにしぼくとはあなならべてすゝんだが、珍品ちんぴんらしいものにほひもせぬ。