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烹
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に
ふりがな文庫
“
烹
(
に
)” の例文
また
全
(
まる
)
で馬、驢、駱駝を
烹
(
に
)
用いて、ギリシア人が、かほどの美饌を知らぬを
愍
(
あわれ
)
んだから、どの国で馬肉を食ったって構わぬはずだと。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
肉体の苦しみを度外に置いて、物質上の不便を物とも思わず、勇猛
精進
(
しょうじん
)
の心を
駆
(
か
)
って、人道のために、
鼎鑊
(
ていかく
)
に
烹
(
に
)
らるるを面白く思う。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこには李汾のくるのを見て、眼を怒らして吠えかかってきた豕がいた。李汾はそのことを主人の張に話して、その豕を
烹
(
に
)
さした。
豕
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
鼎に似ると、
烹
(
に
)
るも
烙
(
や
)
くも、いずれ
繊楚
(
かよわ
)
い人のために見る目も忍びないであろう処を、あたかも
好
(
よし
)
、玉を捧ぐる
白珊瑚
(
しろさんご
)
の
滑
(
なめら
)
かなる枝に見えた。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
菜蔬
(
さいそ
)
は最も
莱菔
(
だいこん
)
を好んだ。生で食うときは
大根
(
だいこ
)
おろしにし、
烹
(
に
)
て食うときはふろふきにした。大根おろしは汁を棄てず、
醤油
(
しょうゆ
)
などを掛けなかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
僕
(
ぼく
)
どもは
枯枝
(
かれえだ
)
をひろひ石をあつめて
仮
(
かり
)
に
灶
(
かまど
)
をなし、もたせたる食物を
調
(
てう
)
ぜんとし、あるひは水をたづねて茶を
烹
(
に
)
れば、上戸は酒の
燗
(
かん
)
をいそぐもをかし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「
凡
(
およ
)
ソ物ニ先天アル事、人ニ
資禀
(
しひん
)
アルガ如シ。人ノ性下愚ナル者ハ、孔孟
之
(
これ
)
ヲ教フト
雖
(
いへど
)
モ無益也。物ノ性
良
(
よろ
)
シカラズバ、
易牙
(
えきが
)
之ヲ
烹
(
に
)
ルト雖モ無味也……」
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
女はまた木の葉を切って鶏と魚の形をこしらえて、それを鍋に入れて
烹
(
に
)
たが、皆
真
(
ほんとう
)
の鶏と魚になった。
翩翩
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
正に毒草を変じて薬となし、糞土を
烹
(
に
)
て醍醐をなす
底
(
てい
)
の怪手腕と称すべしで、謡曲の教外別伝の極地、声色の境界を超越した、玄中の玄曲を識得した英霊漢というべしである。
謡曲黒白談
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ヱネチアには我髮を
烹
(
に
)
る銚あるにあらねど、わがこれを憶ふ情は、恰も幻術の力の左右するところとなれるが如くなりき。われ若し
山國
(
やまぐに
)
の
産
(
うまれ
)
ならば、此情はやがて世に
謂
(
い
)
ふ
思郷病
(
ノスタルジア
)
なるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
又、蘇東坡が種〻の食物を雑へ
烹
(
に
)
て、これを骨董羮と
曰
(
い
)
つた。其の骨董は零雑の義で、恰も我邦俗のゴッタ煮ゴッタ汁などといふゴッタの意味に当る。それも字面には別に義があるのでは無い。
骨董
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
たのしみはまれに魚
烹
(
に
)
て
児等
(
こら
)
皆がうましうましといひて食ふ時
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
何を
烹
(
に
)
るやら、りょうるやら、わたしも知らない。4400
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
そこで永遠に
烹
(
に
)
られて、痛がって、吠えているのだろう。
破落戸の昇天
(新字新仮名)
/
フェレンツ・モルナール
(著)
沸きたった油は口に入って、肺腑を
烹
(
に
)
られるようであった。一思いに死のうと思っても、どうしても死ぬることができなかった。
続黄梁
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
僕
(
ぼく
)
どもは
枯枝
(
かれえだ
)
をひろひ石をあつめて
仮
(
かり
)
に
灶
(
かまど
)
をなし、もたせたる食物を
調
(
てう
)
ぜんとし、あるひは水をたづねて茶を
烹
(
に
)
れば、上戸は酒の
燗
(
かん
)
をいそぐもをかし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その内に壊れたのがまるで使えなくなったので、春は別当と同じ七釐で物を
烹
(
に
)
る。別当は「旦那の事だから貸して上げるが、手めえはお辞儀をして使え」
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
この鶏こそ我父の冤家なれと悟り、殺し
烹
(
に
)
て汁にして父に食わすと平癒した。子珍、後に出世して太原の刺史となり、百三十八歳まで長生したは李玄石の
陰祐
(
いんゆう
)
による。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
また、
蘇東坡
(
そとうば
)
が種〻の食物を
雑
(
まじ
)
え
烹
(
に
)
て、これを
骨董羮
(
こっとうかん
)
といった。その骨董は
零雑
(
れいざつ
)
の義で、あたかも
我
(
わが
)
邦俗
(
ほうぞく
)
のゴッタ煮ゴッタ汁などというゴッタの意味に当る。それも
字面
(
じめん
)
には別に義があるのではない。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
天上なる聖母に代りて、われ汝を育つべし。
臥床
(
ふしど
)
はすでにこしらへ置きぬ。豆も
烹
(
に
)
えたるべし。ベネデツトオもそなたも食卓に就け。マリウチアはともに來ざりしか。尊き
爺
(
てゝ
)
(法皇)を拜まざりしか。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
たのしみはつねに好める焼豆腐うまく
烹
(
に
)
たてて
食
(
くわ
)
せけるとき
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
烹
(
に
)
たり、焼いたり、皿をちゃらちゃら云わせています。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
榛軒は妻の忌むことを知つてゐたので、庭前に
涼炉
(
こんろ
)
を焚いて肉を
烹
(
に
)
た。そして塾生と共に飽くまで
啖
(
くら
)
つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
腥
(
なま
)
にて
喰
(
しよく
)
するは○
魚軒
(
さしみ
)
○
鱠
(
なます
)
○
鮓
(
すし
)
也。○
烹
(
に
)
る○
炙
(
やく
)
その
料理
(
れうり
)
によりて猶あるべし。
醃
(
しほづけ
)
にしたるを
塩引
(
しほびき
)
また
干鮏
(
からさけ
)
といひしも古き事、まへに引たる
書
(
しよ
)
に見えたるがごとし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
舟の中には喫いあらした肴が一ぱいあって、酒の匂いがたちこめていた。陳はすぐ言いつけてそれをさげさしたが、間もなく美しい侍女が三五人来て、酒をすすめ
茗
(
ちゃ
)
を
烹
(
に
)
た。
西湖主
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
楚人猴を
烹
(
に
)
るあり、その隣人を召すに以て
狗羹
(
こうこう
)
と
為
(
な
)
してこれを
甘
(
うま
)
しとす。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
土石の底に藏したる葡萄酒も
酸
(
す
)
くして、半ば
烹
(
に
)
たる如し。我喉は一滴の冷露を嘗むること能はざりき。天には一纖雲なく、いつもおなじ碧色にて、吹く風は唯だ熱き「シロツコ」(東南風)のみなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そうかと思うと、また真っ赤に
烹
(
に
)
え上がる。5925
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
明
(
みん
)
の
万暦
(
ばんれき
)
の
初
(
はじめ
)
閩中
(
みんちゆう
)
連江といふ所の人蛤を
剖
(
わり
)
て玉を
得
(
え
)
たれども
不識
(
みしらず
)
これを
烹
(
に
)
る、
珠
(
たま
)
釜
(
かま
)
の中に
在
(
あり
)
て
跳躍
(
をどりあがり
)
して
定
(
さだまら
)
ず、
火光
(
くわくわう
)
天
(
そら
)
に
燭
(
もゆ
)
、
里人
(
さとびと
)
火事
(
くわじ
)
ならんと
驚
(
おどろ
)
き来りてこれを救ふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「同年(丁未)初冬偶成」が即是で、
瓶
(
へい
)
に菊花を插して茶に
烹
(
に
)
ると云つてある。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
明
(
みん
)
の
万暦
(
ばんれき
)
の
初
(
はじめ
)
閩中
(
みんちゆう
)
連江といふ所の人蛤を
剖
(
わり
)
て玉を
得
(
え
)
たれども
不識
(
みしらず
)
これを
烹
(
に
)
る、
珠
(
たま
)
釜
(
かま
)
の中に
在
(
あり
)
て
跳躍
(
をどりあがり
)
して
定
(
さだまら
)
ず、
火光
(
くわくわう
)
天
(
そら
)
に
燭
(
もゆ
)
、
里人
(
さとびと
)
火事
(
くわじ
)
ならんと
驚
(
おどろ
)
き来りてこれを救ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
京伝翁の
説
(
せつ
)
に、
粥
(
かゆ
)
の木とは正月十五日粥を
烹
(
に
)
たる
薪
(
たきゞ
)
を
杖
(
つゑ
)
とし、子もたぬ女のしりをうてば男子をはらむといふ祝ひ事なりとて、○
枕
(
まくら
)
の
草紙
(
さうし
)
○
狭衣
(
さごろも
)
○
弁内侍
(
べんのないし
)
の
日記
(
にき
)
その外くさ/\の
書
(
しよ
)
を
引
(
ひき
)
て
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
烹
漢検準1級
部首:⽕
11画
“烹”を含む語句
割烹
割烹店
割烹着
烹調
烹雑記
烹雑
烹炊所
釜烹
若烹小鮮
烹𤎅
烹調料理
烹爛
烹熟
烹煉
烹点
烹炊
炊事割烹
割烹衣
割烹著
割烹科
...