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標題
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みだし
ふりがな文庫
“
標題
(
みだし
)” の例文
「噴水の鶴、今朝鳴く!」という五段抜きの大
標題
(
みだし
)
の下に、会場の盛況から賞品授与の次第、祝辞祝電の全文と兼清博士の演説要旨
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
然も二号活字で如何にも大きい
標題
(
みだし
)
附であった。蓋しそれほど彼の死は社会の好奇心を誘う事件であったからであろう。(中略)
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「
彼岸過迄
(
ひがんすぎまで
)
」というのは元日から始めて、彼岸過まで書く予定だから単にそう名づけたまでに過ぎない実は
空
(
むな
)
しい
標題
(
みだし
)
である。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
少年は、又も無言のままポケットを掻い
探
(
さぐ
)
って一葉の古新聞紙を私の前に差し出した。その第一頁の『東洋日報』という
標題
(
みだし
)
の上の余白には
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
綾子手に採り
披
(
ひら
)
き見れば、深川夫人乞食を救う、と
標題
(
みだし
)
に
圏点
(
けんてん
)
を附してその美徳を称讃し、気味悪きまで
賞立
(
ほめた
)
てたり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
死せる武蔵、生ける盗賊を走らす、という
標題
(
みだし
)
のつけられそうな三面ダネを一つおじさんから聞いてしまったんで。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其頃
(
そのころ
)
歐羅巴
(
エウロツパ
)
の
諸
(
しよ
)
新聞
(
しんぶん
)
は
筆
(
ふで
)
を
揃
(
そろ
)
へて、
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
遭難
(
さうなん
)
を
詳報
(
しやうほう
)
し、かの
臆病
(
をくびやう
)
なる
船長等
(
せんちやうら
)
の
振舞
(
ふるまひ
)
をば
痛
(
いた
)
く
攻撃
(
こうげき
)
すると
共
(
とも
)
に『
日本人
(
につぽんじん
)
の
魂
(
たましひ
)
。』なんかと
標題
(
みだし
)
を
置
(
お
)
いて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
隣室とまちがえて小女が投込んで行った新聞紙を、ふと取上げて絵のある下の方を見ると、一番に目についた
標題
(
みだし
)
は小歌の
落籍
(
ひっこみ
)
、その要をつまんで云えば
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
肩ごしに覗いてみると、『遺言状』と
標題
(
みだし
)
をおいて、その下に三行、細かい文字で何か書きつけてあります。
無駄骨
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「小説家の自殺」という様な
標題
(
みだし
)
で、(彼も死んだお蔭で他人から小説家と呼んで
貰
(
もら
)
うことが出来ました)
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ただ翌日の新聞の夕刊(朝刊の記事には間にあわなかったので)には「浅野護謨会社小使惨殺さる」という記事の
標題
(
みだし
)
として「加害者は同社の事務員」と記され
犠牲者
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
翌朝の新聞には、この事件が相当な
標題
(
みだし
)
で報ぜられていた。謎の兇器の行方と、小標題がついていた。
撞球室の七人
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
『先刻社長が見えて
其麽
(
そんな
)
事を云つて居た。二號
標題
(
みだし
)
で成るべく景氣をつけて書いて呉れ給へ。尤も、今日は單に報道に止めて、此方の意見は二三日待つて見て下さい。』
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その二面に
麗々
(
れい/\
)
と自分の寫眞が出てゐて「文學か保險か」と大きな
標題
(
みだし
)
の横に「三田派の青年文士水上瀧太郎氏歸る」と
小標題
(
こみだし
)
を振つて、十七字詰三十八行の記事が出てゐた。
貝殻追放:002 新聞記者を憎むの記
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
さほど期待しないような活字と
標題
(
みだし
)
で——郡役所の官金費消事件が載せられていた。
日は輝けり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
世界を
堅麺麭
(
かたパン
)
のやうに水気の無い物にしたがつてゐるある宗教家の書物だつたが、青年は書物の
標題
(
みだし
)
などには頓着なく、克明に括り紐を継ぎ合せて、カアネエギイの前に差し出した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
不良
(
ふりやう
)
少女
(
せうぢよ
)
の
沒落
(
ぼつらく
)
」といふ
標題
(
みだし
)
の
下
(
もと
)
に、
私達
(
わたしたち
)
が
前後
(
ぜんご
)
しての
結婚
(
けつこん
)
を×
誌
(
し
)
あたりに
落書
(
らくがき
)
されてから、みなもう
丸
(
まる
)
三
年
(
ねん
)
を
過
(
すご
)
しました。Kさんがまづ母となり、あなたも間もなく母となりました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「小説家小栗桂三郎自殺す」と書いた
標題
(
みだし
)
だけの原稿と、工場から最後の原稿を催促に来た職長の顔を眺め乍ら、年寄の江藤が、玄関
側
(
わき
)
の自分の部屋から、
離屋
(
はなれ
)
へ行って帰って来るまでの時間を
流行作家の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは二段抜の初号
標題
(
みだし
)
で
畜生道
(
ちくしょうどう
)
におちた
兄妹
(
きょうだい
)
としたものであった。神中の頭はわくわくとした。神中はくいつくようにしてその記事に眼をやった。それは
己等
(
じぶんら
)
兄妹
(
きょうだい
)
を傷つけた憎むべき記事であった。
雀が森の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
たいへんな
標題
(
みだし
)
から始まって
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
東京の新聞に大きな
標題
(
みだし
)
を付けた地震の学説がこの頃まで出ているところを見ると、こんな知識階級のビクビク加減は地方人の想像以上であるらしい。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
国家的瑞兆という三段抜きの大
標題
(
みだし
)
で手の込んだ記事を書上げ、名士、博士を総動員して感想を執筆させた。
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
新聞に書いたのは(
AB
(
アアベエ
)
横町。)と云う
標題
(
みだし
)
で、西の草深のはずれ、浅間に寄った、もう郡部になろうとするとある小路を、近頃
渾名
(
あだな
)
してAB横町と
称
(
とな
)
える。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いや、それ
丈
(
だけ
)
なら無論構はない。先生の関係した事ぢやないから、然し」と云つて、又残りの新聞を畳み
直
(
なほ
)
して、
標題
(
みだし
)
を
指
(
ゆび
)
の
頭
(
あたま
)
で
抑
(
おさ
)
へて、三四郎の
眼
(
め
)
の
下
(
した
)
へ
出
(
だ
)
した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
先刻
(
さつき
)
社長が見えて
其麽
(
そんな
)
事を云つて居た。二号
標題
(
みだし
)
で成るべく景気をつけて書いて呉れ給へ。尤も、今日は単に報道に
止
(
とど
)
めて、
此方
(
こつち
)
の意見は二三日待つて見て下さい。』
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
だが、新聞では『兵卒の犯罪』という大
標題
(
みだし
)
の
下
(
もと
)
に仰々しく書き立てている。それは兵営内に起った怪事件で、しかもその犯人として、倅の名が
判然
(
はっきり
)
と掲げられているではないか。
情状酌量
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
お目にかけたんだ。遠慮することは無い。明日の新聞には、三段抜かなんかで頼むよ、『女優柳糸子、日比谷公園で身ぐるみ剥がる』なんていうのは。全く良い
標題
(
みだし
)
だぜ、ちと特種料を出しな——
踊る美人像
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
俊雄は
心底
(
しんそこ
)
歎服
(
たんぷく
)
し満腹し小春お夏を両手の花と絵入新聞の
標題
(
みだし
)
を極め込んだれど実もってかの
古大通
(
こだいつう
)
の説くがごとくんば女は端からころりころり日の下開山の栄号をかたじけのうせんこと
死者
(
しびと
)
の首を
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
と結んで、おまけにどこで
撮
(
と
)
ったかわからない私の横顔の写真に、鬼課長狭山氏と
標題
(
みだし
)
を付けて割込ましてある。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
参観すべき場所と云う
標題
(
みだし
)
のもとには、
山城町
(
やまぎちょう
)
の大連医院だの、
児玉町
(
こだまちょう
)
の従業員養成所だの
近江町
(
おうみちょう
)
の合宿所だの、
浜町
(
はまちょう
)
の発電所だの、何だのかだのみんなで十五六ほどある。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
月を待つ
間
(
ま
)
のお
伽
(
とぎ
)
にとて、その坊さんが話すのですが、
薗原山
(
そのはらやま
)
の
木賊刈
(
とくさがり
)
、
伏屋里
(
ふせやのさと
)
の
箒木
(
ははきぎ
)
、更科山の
老桂
(
ふるかつら
)
、
千曲川
(
ちくまがわ
)
の
細石
(
さざれいし
)
、姨捨山の
姥石
(
うばのいし
)
なぞッて、
標題
(
みだし
)
ばかりでも、妙にあわれに
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新聞を見ても少し長い記事になると、もう五六行讀んだ許りで、
終末
(
しまい
)
まで讀み通すのがもどかしくなつて、
大字
(
だいじ
)
の
標題
(
みだし
)
だけを急がしく
漁
(
あさ
)
つた。續き物の小説などは猶更讀む氣がしなかつた。
不穏
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
この
標題
(
みだし
)
を見ただけでも、事件の容易ならぬことが判ります。
水中の宮殿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨春三月頃の東都の新聞という新聞にデカデカと書き立てられました特号
標題
(
みだし
)
の「謎の女」に相違ない事です。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「いや、それだけならむろんかまわない。先生の関係したことじゃないから、しかし」と言って、また残りの新聞を畳み直して、
標題
(
みだし
)
を指の頭で押えて、三四郎の目の下へ出した。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それはいいが、その記事の
終尾
(
おしまい
)
の処に次のような記事がデカデカと一号
標題
(
みだし
)
で掲載されていたのには驚いた。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
吾輩が差出した新聞の綴込を抱えた山羊髯は、紙面を鼻の先に押付けて、初号活字の
標題
(
みだし
)
を探り読んだ。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
標題
(
みだし
)
に含まれている暗示もよほど注意深く新聞を読んでいる人か、又は実地を調査した係官の中でもかなり職務に忠実な人間でなければわからないようにしておいた。
けむりを吐かぬ煙突
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
いかにも無念そうに唇をきっと結んだまま、私が持っていた曙新聞を受け取って、同じ一昨年の十月十四日の夕刊の社会面を開いて、前の広告と同様の赤丸を施した
標題
(
みだし
)
を指さし示した。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ほかの新聞には「又も轢死女」という四号
標題
(
みだし
)
で、身元不明の若い女の轢死が五行ばかり報道してあるだけで、姙娠の事実すら書いてないのに反して、私の新聞の方には初号三段抜きの
大標題
(
おおみだし
)
で
空を飛ぶパラソル
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「模範兵士の化けの皮」という大きな
標題
(
みだし
)
で……
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼
標題
(
みだし
)
……「田植連中の環視の中で……姙娠美人の鉄道自殺……けさ十時頃、筥崎駅附近で……相手は九大名うての色魔……女は佐賀県随一の富豪……時枝家の家出娘」……「両親へ詫びに帰る途中……思い迫ったものか……この悲惨事」
空を飛ぶパラソル
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“標題”の意味
《名詞》
標 題(ひょうだい)
書物の表紙に記載されたその書物の題名。表題。下題。
演説や談話、演劇などの題目。
(出典:Wiktionary)
標
常用漢字
小4
部首:⽊
15画
題
常用漢字
小3
部首:⾴
18画
“標題”で始まる語句
標題紙