“彼岸過迄”の読み方と例文
読み方割合
ひがんすぎまで100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼岸過迄ひがんすぎまで」というのは元日から始めて、彼岸過まで書く予定だから単にそう名づけたまでに過ぎない実はむなしい標題みだしである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あの長い刀をかけた、——いや、かういふ昔の景色は先師夏目なつめ先生の「彼岸過迄ひがんすぎまで」に書いてある以上、今更僕の悪文などは待たずともいのに違ひない。
野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それが午過ひるすぎになってまただんだん険悪におちいったあげく、とうとう絶望の状態まで進んで来た時は、余が毎日の日課として筆をりつつある「彼岸過迄ひがんすぎまで」をようやく書き上げたと同じ刻限である。
三山居士 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)