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早足
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はやあし
ふりがな文庫
“
早足
(
はやあし
)” の例文
セセラ笑って、ひっ返した
早足
(
はやあし
)
の
燕作
(
えんさく
)
、
歯
(
は
)
がみをする竹童の
胸板
(
むないた
)
に足をふんがけて、つかんでいる
般若丸
(
はんにゃまる
)
を力まかせに引ったくった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
して間を合せられよ某し儀格別日數の懸る事もあるまじ何分頼み置と云つゝ
直樣
(
すぐさま
)
出立なしたりけり元より
早足
(
はやあし
)
の半四郎ゆゑ
晝夜
(
ちうや
)
となく道を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
電車が
二人
(
ふたり
)
の前で
留
(
と
)
まつた。平岡は二三歩
早足
(
はやあし
)
に行きかけたが、代助から注意されて已めた。
彼
(
かれ
)
の乗るべき車はまだ
着
(
つ
)
かなかつたのである。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
太鼓
(
たいこ
)
の
音
(
おと
)
の、のびやかなあたりを、
早足
(
はやあし
)
に
急
(
いそ
)
いで
歸
(
かへ
)
るのに、
途中
(
とちう
)
で
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
つて
岸
(
きし
)
が
違
(
ちが
)
つて、
石垣
(
いしがき
)
つゞきの
高塀
(
たかべい
)
について、
打
(
ぶ
)
つかりさうに
大
(
おほき
)
な
黒
(
くろ
)
い
門
(
もん
)
を
見
(
み
)
た。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
長吉は帽子を取って軽く礼をしたがそのまま、
駈
(
か
)
けるように
早足
(
はやあし
)
に
元
(
もと
)
来た
押上
(
おしあげ
)
の方へ歩いて行った。同時に蘿月の姿は雑草の若芽に
蔽
(
おお
)
われた川向うの土手の陰にかくれた。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
これなら背に負うても同じことのように思われるが、物を背に負う者が一歩一歩、足をふみしめて道をあるく習いであるに反して、このほうは奇妙に
早足
(
はやあし
)
で行くことができた。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
私の
貸
(
か
)
した本を
腕
(
うで
)
一杯に抱えて、はじけそうな、
銀杏返
(
いちょうがえ
)
しを見せて振り向きもしないで、
町風
(
まちふう
)
に
内輪
(
うちわ
)
ながら
早足
(
はやあし
)
に歩いて行く後姿なんかを思いながらフイと番地を聞いて置かなかった
秋風
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
まるでりすのようなはやさでかけのぼっていったのは、
竹
(
たけ
)
ノ
子
(
こ
)
笠
(
がさ
)
に
道中合羽
(
どうちゅうがっぱ
)
をきて
旅商人
(
たびあきんど
)
にばけた丹羽昌仙の密使、
早足
(
はやあし
)
の
燕作
(
えんさく
)
だ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
庇間合
(
ひあはひ
)
へ
捨置
(
すておき
)
て
早足
(
はやあし
)
に
逃出
(
にげいだ
)
し手拭ひにて深く
頬冠
(
ほゝかむ
)
りをなし
膽
(
きも
)
太
(
ふと
)
くも坂本通りを逃行く
機
(
をり
)
から向うより町方の定廻り同心手先三人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
よし子は、すなおに気の軽い女だから、しまいに、すぐ帰って来ますと言い捨てて、
早足
(
はやあし
)
に一人丘を降りて行った。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は帽子を取つて軽く礼をしたが
其
(
そ
)
のまゝ、
駈
(
か
)
けるやうに
早足
(
はやあし
)
に
元
(
もと
)
来た
押上
(
おしあげ
)
の
方
(
はう
)
へ歩いて行つた。同時に
蘿月
(
らげつ
)
の
姿
(
すがた
)
は雑草の
若芽
(
わかめ
)
に
蔽
(
おほ
)
はれた川
向
(
むか
)
うの
土手
(
どて
)
の
陰
(
かげ
)
にかくれた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
と
向
(
むか
)
ふ
廊下
(
らうか
)
から
早足
(
はやあし
)
で、すた/\
来懸
(
きかゝ
)
つた
女中
(
ぢよちゆう
)
が
一人
(
ひとり
)
、
雪枝
(
ゆきえ
)
を
見
(
み
)
て
立停
(
たちと
)
まつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「やアやア
搦手
(
からめて
)
がたの兄弟、
丹羽昌仙
(
にわしょうせん
)
さまの密書をもって、
安土城
(
あづちじょう
)
へ使いした
早足
(
はやあし
)
の
燕作
(
えんさく
)
が、ただいま立ちかえったのだ。開門! 開門」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
窺
(
うかゞ
)
ひみるに小猿に相違なきゆゑ心中に
悦
(
よろこ
)
びしに小兵衞もちらりと振り返り見て
奴
(
やつ
)
は三吉めなりと思ひ恐れしにぞ知ぬ顏にて
早足
(
はやあし
)
に行過る所を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
よし子は、素直に気の軽い女だから、仕舞にすぐ帰つて
来
(
き
)
ますと云ひ捨てゝ、
早足
(
はやあし
)
に
一人
(
ひとり
)
丘
(
をか
)
を
下
(
お
)
りて行つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
先生もみんなの心を察して、
好
(
い
)
い加減に講義を切り
上
(
あ
)
げて呉れた。三四郎は
早足
(
はやあし
)
で追分迄帰つてくる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助
(
そうすけ
)
も
樹
(
き
)
の
多
(
おほ
)
い
方角
(
はうがく
)
に
向
(
む
)
いて
早足
(
はやあし
)
に
歩
(
ほ
)
を
移
(
うつ
)
した。
今日
(
けふ
)
の
日曜
(
にちえう
)
も、
暢
(
のん
)
びりした
御天氣
(
おてんき
)
も、もう
既
(
すで
)
に
御仕舞
(
おしまひ
)
だと
思
(
おも
)
ふと、
少
(
すこ
)
し
果敢
(
はか
)
ない
樣
(
やう
)
な
又
(
また
)
淋
(
さみ
)
しい
樣
(
やう
)
な
一種
(
いつしゆ
)
の
氣分
(
きぶん
)
が
起
(
おこ
)
つて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
早
常用漢字
小1
部首:⽇
6画
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
“早”で始まる語句
早
早速
早々
早業
早晩
早稲田
早熟
早合点
早鐘
早苗