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てもち
手持の
品物ならば
成たけ
早く
之を
捌かう、
又手持の
品物を
成たけ
少くしよう、
斯う
云ふことは
當然の
結果と
云はなくてはならぬ。
遣はし其後源八が
遊に來りし時皆々
折目高に
待遇ける故源八は
手持無沙汰に
悄々と立歸り是は彼の文の事を兩親の知りし故なりと
深く
遺恨に
思ひけり
板倉屋敷のそばまで行くと、角の
餅屋の
天水桶や一ト
手持の
辻番小屋の陰からムラムラと人影が立ちあがった。
田圃の
榛の
木はだらけた
花が
落ちて
嫩葉にはまだ
少し
暇があるので
手持なさ
相に
立つて
居る
季節である。
田は
僅に
濕ひを
含んで
足の
底に
暖味を
感ずる。
耕す
人はまだ
下り
立たぬ。
小さな
葬式ながら
柩が
出た
後は
旋風が
埃を
吹つ
拂つた
樣にからりとして
居た。
手傳に
來て
居た
女房等はそれでなくても
膳立をする
客が
少くて
暇であつたから
滅切手持がなくなつた。
成るたけ
手持の
商品を
減じて
居つたが、
既に
爲替相場が
上つてしまつて、
其方面から
來る
物價低落がなくなつたからして、
最早安心して
手持を
殖すことが
出來る、
即ち
商取引が
殖える
ば
立たまひたり是に
依て御列座も皆々
退參と相成りければ跡に越前守只一人
殘て
手持なき體なりしが外に
詮すべもなくて
凄々として御役宅を立ち去り歸宅せられしが忠義に
凝なる所存を
「それ、
底の
方へ
廻つて
零れらな」
勘次は
先刻から、
怒つたやうな
羞かんだやうな、
何だか
落付の
惡い
手持のない
顏をして、
却て
自分をば
凝然と
見もせぬ
卯平の
目から
外れるやうに
手持の
商品を
少くすることは、
商取引が
減ることである。それだけ
經濟界には
不景氣を
來すと
云ふことである。それであるから
爲替相場の
上る
道程に
於ては
不景氣は
已むを
得ない
現象であつた。
始め一
向構ひつけず茶も一
杯出さずして何か
不興氣の樣子なれば重四郎は
手持惡く平吉殿は
如何成されしやと
奧へ
通らんとするを
番頭押止め今日は主人も平吉も
留守なりと常に
變りし顏色にて重四郎を