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或夜
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あるよ
ふりがな文庫
“
或夜
(
あるよ
)” の例文
或夜
(
あるよ
)
重吉はもう来ないと思った檀那の杉村が突然
格子戸
(
こうしど
)
を明ける音に、びっくりして裏口から逃出すと、外は寒い風が吹いている。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
甚兵衞聞出しければ彼が
留守
(
るす
)
へ忍び入て物せんと茲に
惡心
(
あくしん
)
を生じ
旦暮
(
あけくれ
)
道庵
(
だうあん
)
が
宅
(
たく
)
の樣子を
窺
(
うかゞ
)
ひ
或夜
(
あるよ
)
戌刻頃
(
いつゝごろ
)
來
(
きた
)
りて見れば表は
錠前
(
ぢやうまへ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
慶応義塾
(
けいおうぎじゅく
)
はこの
頃
(
ころ
)
、弟子いよいよ
進
(
すす
)
み、その数すでに数百に達し、また旧日の
比
(
ひ
)
にあらず。
或夜
(
あるよ
)
、
神明社
(
しんめいしゃ
)
の
辺
(
ほとり
)
より失火し、予が
門前
(
もんぜん
)
まで
延焼
(
えんしょう
)
せり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
白望
(
しろみ
)
の山続きに
離森
(
はなれもり
)
と云う所あり。その
小字
(
こあざ
)
に長者屋敷と云うは、全く
無人
(
ぶじん
)
の境なり。
茲
(
ここ
)
に
行
(
ゆ
)
きて炭を焼く者ありき。
或夜
(
あるよ
)
その小屋の
垂菰
(
たれこも
)
をかかげて、内を
覗
(
うかが
)
う者を見たり。
遠野の奇聞
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三
月
(
ぐわつ
)
の
末
(
すゑ
)
つ
方
(
かた
)
、
消
(
き
)
えがてなりし
雪
(
ゆき
)
も、
次第
(
しだい
)
に
跡
(
あと
)
なく
融
(
と
)
けた
或夜
(
あるよ
)
、
病院
(
びやうゐん
)
の
庭
(
には
)
には
椋鳥
(
むくどり
)
が
切
(
しき
)
りに
鳴
(
な
)
いてた
折
(
をり
)
しも、
院長
(
ゐんちやう
)
は
親友
(
しんいう
)
の
郵便局長
(
いうびんきよくちやう
)
の
立歸
(
たちか
)
へるのを、
門迄
(
もんまで
)
見送
(
みおく
)
らんと
室
(
しつ
)
を
出
(
で
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
御腹
(
おなか
)
には大事の/\
我子
(
わがこ
)
ではない顔見ぬ先からいとしゅうてならぬ
方様
(
かたさま
)
の
紀念
(
かたみ
)
、
唐土
(
もろこし
)
には胎教という事さえありてゆるがせならぬ者と
或夜
(
あるよ
)
の物語りに聞しに此ありさまの
口惜
(
くちおし
)
と
腸
(
はらわた
)
を断つ苦しさ。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
何をしてもお
勤
(
つとめ
)
が出来ませんから、二人して勤めべき所、お
一方
(
ひとかた
)
が病気故、新左衞門お一方で座光寺源三郎の屋敷へ宅番に附いて居ると、
或夜
(
あるよ
)
彼
(
か
)
の梶井主膳と云う者が同類を集めて駕籠を釣らせ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯
(
か
)
くて一年ばかりも過ぎると、
或夜
(
あるよ
)
何者か城内へ忍び入って、朝高が
家重代
(
いえじゅうだい
)
の
宝物
(
ほうもつ
)
たる金の
兜
(
かぶと
)
を盗み去ったのである。無論、
其
(
その
)
詮議は極めて厳重なものであったが、
其
(
その
)
犯人は遂に見当らなかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
或夜
(
あるよ
)
のこと、それは冬だったが、当時私の習慣で、
仮令
(
たとえ
)
見ても見ないでも、必ず
枕許
(
まくらもと
)
に五六冊の本を置かなければ寝られないので、その晩も例の如くして、
最早
(
もはや
)
大分夜も
更
(
ふ
)
けたから
洋燈
(
ランプ
)
を
点
(
つ
)
けた
儘
(
まま
)
女の膝
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
されど、又、かなしきは
或夜
(
あるよ
)
の夢なりき。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
兩人
(
りやうにん
)
共に
差置
(
さしおき
)
私しめに
而已
(
のみ
)
用事申付られ餘り
首尾
(
しゆび
)
の宜き故
合點
(
がてん
)
行
(
ゆか
)
ずと存じ居候處
或夜
(
あるよ
)
主人儀私しを
竊
(
ひそか
)
に
招
(
まね
)
かれ人々を拂つて申されけるは藤五郎藤三郎の
兩人
(
りやうにん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
思返えせば
二十歳
(
はたち
)
の頃ふと芝居
帰
(
がえり
)
の
或夜
(
あるよ
)
野暮な屋敷の大小の重きを覚え、御奉公の束縛なき
下民
(
げみん
)
の気楽を
羨
(
うらや
)
みいつとしもなく身をその
群
(
むれ
)
に投じてここに早くも幾十年。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
三
月
(
がつ
)
の
末
(
すえ
)
つ
方
(
かた
)
、
消
(
き
)
えがてなりし
雪
(
ゆき
)
も、
次第
(
しだい
)
に
跡
(
あと
)
なく
融
(
と
)
けた
或夜
(
あるよ
)
、
病院
(
びょういん
)
の
庭
(
にわ
)
には
椋鳥
(
むくどり
)
が
切
(
しき
)
りに
鳴
(
な
)
いてた
折
(
おり
)
しも、
院長
(
いんちょう
)
は
親友
(
しんゆう
)
の
郵便局長
(
ゆうびんきょくちょう
)
の
立帰
(
たちか
)
えるのを、
門
(
もん
)
まで
見送
(
みおく
)
らんと
室
(
しつ
)
を
出
(
で
)
た。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
或夜
(
あるよ
)
は黒きわたつみの上
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
出入りの八百屋の
御用聞
(
ごようき
)
き
春公
(
はるこう
)
と、
家
(
うち
)
の
仲働
(
なかばたらき
)
お
玉
(
たま
)
と云うのが
何時
(
いつ
)
か知ら
密通
(
みっつう
)
して居て、
或夜
(
あるよ
)
、衣類を
脊負
(
せお
)
い、男女手を取って、裏門の
板塀
(
いたべい
)
を越して
馳落
(
かけお
)
ちしようとした処を
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
引けるに一向に
承知
(
しようち
)
もせざりしが
或夜
(
あるよ
)
宅兵衞一人居る
臺所
(
だいどころ
)
へお兼は何か用有て來りしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
生暖かい三月半の
或夜
(
あるよ
)
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
五月雨
(
さみだれ
)
の
或夜
(
あるよ
)
は秋のこゝろ哉
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
或夜
(
あるよ
)
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
或
漢検準1級
部首:⼽
8画
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
“或”で始まる語句
或
或日
或時
或人
或物
或者
或年
或家
或晩
或朝