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くわいふく
ふりがな文庫
“
恢復
(
くわいふく
)” の例文
「うむ、なあに
俺
(
お
)
れもそれから
去年
(
きよねん
)
の
秋
(
あき
)
は
火箸
(
ひばし
)
で
打
(
ぶ
)
つ
飛
(
と
)
ばしてやつたな」
卯平
(
うへい
)
は
斯
(
か
)
ういつて
彼
(
かれ
)
にしては
著
(
いちじ
)
るしく
元氣
(
げんき
)
を
恢復
(
くわいふく
)
して
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この健康さへ
恢復
(
くわいふく
)
したら、そしてその仕事にさへ手を着けたら、もう少しは今の自分を笑つて見下せる自分になれるだらう。かう考へた。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
さうした不思議は
猶
(
な
)
ほこれに
留
(
とゞま
)
らなかつた。貧しき者は富み、乏しき者は得、病める者は
癒
(
い
)
え、弱き者は力を
恢復
(
くわいふく
)
した。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
心に突き刺した傷はなかなか、
恢復
(
くわいふく
)
する模様もない。ゆき子は、伊香保のおせいのところと、横浜の
蓑沢
(
みのざは
)
にゐると云ふ、加野のところへハガキを書いた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
大島仁藏翁
(
おほしまじんざうをう
)
の
死後
(
しご
)
、
權藏
(
ごんざう
)
は
一時
(
いちじ
)
、
守本尊
(
まもりほんぞん
)
を
失
(
うしな
)
つた
體
(
てい
)
で、
頗
(
すこぶ
)
る
鬱々
(
ふさい
)
で
居
(
ゐ
)
ましたが、それも
少時
(
しばし
)
で、
忽
(
たちま
)
ち
元
(
もと
)
の
元氣
(
げんき
)
を
恢復
(
くわいふく
)
し、のみならず、
以前
(
いぜん
)
に
増
(
まし
)
て
働
(
はたら
)
き
出
(
だ
)
しました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
明方近く、外に物音がし出してから一寸寐ても、若い時の疲労は直ぐ
恢復
(
くわいふく
)
することが出来る。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
それとも健康を
恢復
(
くわいふく
)
するためには、どこか静かな山の温泉が好いかとも思つてゐた。彼は毎日毎日こま/\した急ぎの仕事に追はれづめであつた。一日としてペンを手にしない日はなかつた。
花が咲く
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼は
恢復
(
くわいふく
)
した自信を
労
(
いた
)
はりながら、細い小路を静に家の方へ曲つて行つた。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
是
(
これ
)
は
餘計
(
よけい
)
物
(
もの
)
を
買
(
か
)
へば
内地
(
ないち
)
から
金
(
きん
)
が
出
(
で
)
て
行
(
い
)
く、
外國
(
ぐわいこく
)
に
餘計
(
よけい
)
物
(
もの
)
を
賣
(
う
)
れば
外國
(
ぐわいこく
)
から
金
(
きん
)
が
這入
(
はひ
)
つて
來
(
き
)
て
日本
(
にほん
)
の
通貨
(
つうくわ
)
が
殖
(
ふ
)
える、さうして
景氣
(
けいき
)
が
恢復
(
くわいふく
)
する、
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふことは
即
(
すなは
)
ち
金本位
(
きんほんゐ
)
の
當然
(
たうぜん
)
の
結果
(
けつくわ
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
ストロング夫人は、アグレイアを失つた時に受けた心の痛手から再び
恢復
(
くわいふく
)
することなく、彼等の移住後二年にして世を去り、ストロング氏は、獨りでこの悲しみを忍ばなければならなくなつた。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
私は三度まで足が
起
(
た
)
たなくなつて、三度目に立たなくなつた足が今は
恢復
(
くわいふく
)
の望みもなくなつてゐる。起たなくなつては
立
(
た
)
ち、起たなくなつては起ちしたひま/\に、
尋常小學
(
じんじやうせうがく
)
四年の課程も踏んだ。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
但
(
ただ
)
し
白鳥
(
はくてう
)
君には髭が無いけれどマス君には
後
(
うしろ
)
へ
撥
(
は
)
ねた
頤髭
(
あごひげ
)
がある。見物人には一撃の
下
(
もと
)
にマス君が
敗
(
やぶ
)
られ
相
(
さう
)
に
危
(
あやぶ
)
まれたが、
併
(
しか
)
しマス君は見掛に寄らず最後まで勇敢に戦つて立派に名誉を
恢復
(
くわいふく
)
した。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
落葉
(
おちば
)
には
灰際
(
はひぎは
)
から
其
(
そ
)
の
外側
(
そとがは
)
を
傳
(
つた
)
ひて
火
(
ひ
)
がべろ/\と
渡
(
わた
)
つた。
卯平
(
うへい
)
は
不自由
(
ふじいう
)
な
手
(
て
)
の
火箸
(
ひばし
)
で
落葉
(
おちば
)
を
透
(
すか
)
した。
火
(
ひ
)
は
迅速
(
じんそく
)
に
其
(
そ
)
の
生命
(
せいめい
)
を
恢復
(
くわいふく
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
連年の
養蚕
(
やうさん
)
の失敗を
恢復
(
くわいふく
)
しようと、非常に手を
拡
(
ひろ
)
げて
養
(
か
)
つた蚕が、気候の具合で、すつかり
外
(
はづ
)
れて、一時に田地の半分ほども人手に渡して了ふといふ始末。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
このやうに健康を
恢復
(
くわいふく
)
して来ると、先生は果樹園の散歩ぐらゐでは満足しなくなりました。それで或る日思ひ立つたやうに私の父の家に行つて見ると云ひ出したのです。
亜剌比亜人エルアフイ
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
私は此内面の争闘を
閲
(
けみ
)
した後に、
暫
(
しばら
)
くは
惘然
(
ばうぜん
)
としてゐたが、思量の均衡がやうやう
恢復
(
くわいふく
)
せられると共に、従来回抱してゐた
雪冤
(
せつゑん
)
の積極手段が、全く面目を改めて意識に上つて来た。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
すつかり
躯
(
からだ
)
は
恢復
(
くわいふく
)
して、皮膚の
艶
(
つや
)
もよくなり、見違へるやうに若々しくなつた。大津しもが、専造のかくし女である如く、ゆき子はまた何時とはなく伊庭と昔のよりを戻してゐた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
お
品
(
しな
)
は
勘次
(
かんじ
)
を
出
(
だ
)
して
情
(
なさけ
)
ないやうな
心持
(
こゝろもち
)
がして
居
(
ゐ
)
たのであるが、
思
(
おも
)
つたよりは
商
(
あきなひ
)
をして
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れたので一
日
(
にち
)
の
不足
(
ふそく
)
が
全
(
まつた
)
く
恢復
(
くわいふく
)
された。さうして
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
もし単に故郷に
容
(
い
)
れられぬといふばかりならば、根本の父のやうに、又は塩町の湯屋のやうに、
憤
(
いきどほり
)
を発して他郷に出て、それで名誉を
恢復
(
くわいふく
)
した
例
(
ためし
)
は
幾許
(
いくら
)
もある。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
わしの遣り口はどうやら間違つてゐなかつたらしい。——わたしが率先して、茶屋に備へ付けてあるハカリで皆の体量をよく計る。それとなく娘の健康の
恢復
(
くわいふく
)
工合を観察するのだ。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
一寸
(
ちよつと
)
寝たので大いに
恢復
(
くわいふく
)
したといふ風で、快活に碁盤の脇に出掛けて来た。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
満更その自分の一生に就いて思慮を
費
(
つひ
)
やさぬ事も無いので、時にはいろ/\その将来の事を苦にして、自分の家の没落をも何うかして
恢復
(
くわいふく
)
したいと思つた事もあつたらしい。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
“恢復”の意味
《名詞》
恢 復(かいふく 「回復」に「同音の漢字による書きかえ」がなされる)
回復と同義。
(出典:Wiktionary)
恢
漢検準1級
部首:⼼
9画
復
常用漢字
小5
部首:⼻
12画
“恢復”で始まる語句
恢復期
恢復後