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彼所
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かしこ
ふりがな文庫
“
彼所
(
かしこ
)” の例文
すぐにお
判
(
わか
)
りになったものと
見
(
み
)
え『フムその
懐剣
(
かいけん
)
なら
確
(
たし
)
かに
彼所
(
かしこ
)
に
見
(
み
)
えている。
宜
(
よろ
)
しい
神界
(
しんかい
)
のお
許
(
ゆる
)
しを
願
(
ねが
)
って、
取寄
(
とりよ
)
せてつかわす……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
豊雄、
七二
ここに
安倍
(
あべ
)
の
大人
(
うし
)
とまうすは、
年来
(
としごろ
)
七三
物
学
(
まな
)
ぶ師にてます。
彼所
(
かしこ
)
に詣づる便に、傘とりて帰るとて
七四
推して参りぬ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
女中の
房
(
ふさ
)
は手早く
燗瓶
(
かんびん
)
を
銅壺
(
どうこ
)
に入れ、食卓の布を
除
(
と
)
つた。そして
更
(
さら
)
に卓上の
食品
(
くひもの
)
を
彼所
(
かしこ
)
此処
(
こゝ
)
と置き直して心配さうに主人の様子をうかがつた。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
店の若い者
拾
(
ひろ
)
ひ取り
何處
(
どこ
)
へか隱せしを我等
彼所
(
かしこ
)
にて能く見屆けたり其品は正しく
其許
(
そのもと
)
の財布ならん
然
(
さ
)
れ共今の如く
其許
(
おまへ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それで何所も
彼所
(
かしこ
)
も丸く治まっちまうから、——だから、御父さんが、
殊
(
こと
)
によると、
今度
(
こんど
)
は、貴方に一から十まで相談して、何か
為
(
な
)
さらないかも知れませんよ。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
懺悔
(
ざんげ
)
したフランシスは諸君の前に立つ。諸君はフランシスの裸形を憐まるるか。しからば諸君が眼を注いで見ねばならぬものが
彼所
(
かしこ
)
にある。眼あるものは更に眼をあげて見よ
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
熟々
(
つくづく
)
と見て居ると、
紅
(
くれない
)
の
歓楽
(
かんらく
)
の世に
独
(
ひとり
)
聖者
(
せいじゃ
)
の
寂
(
さび
)
しげな白い紫雲英が、
彼所
(
かしこ
)
に一本、
此処
(
ここ
)
に一
株
(
かぶ
)
、眼に立って見える。主人はやおら立って、野に置くべきを我庭に
移
(
うつ
)
さんと白きを掘る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
中に入ると人々の混雜が、雨の
軒端
(
のきば
)
に陰にしめつたどよみを響かしてゐた。表から
差覗
(
さしのぞ
)
かれる障子は何所も
彼所
(
かしこ
)
も開け放されて、人の着物の黒や縞が
塊
(
かた
)
まり合つて椽の外にその端を垂らしてゐた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
今は古綿のごとく
此処
(
ここ
)
も
寸断
(
ちぎ
)
れ
彼所
(
かしこ
)
も寸断れて
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
男子
(
をのこご
)
二人、
女子
(
むすめ
)
一人をもてり。
五
太郎は
質朴
(
すなほ
)
にてよく
生産
(
なりはひ
)
を治む。
六
二郎の女子は大和の人の
𡣞
(
つまどひ
)
に迎へられて、
彼所
(
かしこ
)
にゆく。三郎の
豊雄
(
とよを
)
なるものあり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
見る者
扨
(
さて
)
こそ
噂
(
うはさ
)
のある
公方樣
(
くばうさま
)
の御落胤の天一坊樣といふ御方なるぞ無禮せば
咎
(
とがめ
)
も有んと恐れざる
者
(
もの
)
もなく此段早くも
町奉行
(
まちぶぎやう
)
大岡越前守殿の
耳
(
みゝ
)
に入り
彼所
(
かしこ
)
は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いつかは
竜宮界
(
りゅうぐうかい
)
への
道
(
みち
)
すがら、ちょっと
竜神
(
りゅうじん
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
をのぞかしたこともあるが、あれではあまりにあっけなかった。もう一
度
(
ど
)
汝
(
そち
)
を
彼所
(
かしこ
)
へ
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
くとしょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
大風
(
おほかぜ
)
は
突然
(
とつぜん
)
不用意
(
ふようい
)
の
二人
(
ふたり
)
を
吹
(
ふ
)
き
倒
(
たふ
)
したのである。
二人
(
ふたり
)
が
起
(
お
)
き
上
(
あ
)
がつた
時
(
とき
)
は
何處
(
どこ
)
も
彼所
(
かしこ
)
も
既
(
すで
)
に
砂
(
すな
)
だらけであつたのである。
彼等
(
かれら
)
は
砂
(
すな
)
だらけになつた
自分達
(
じぶんたち
)
を
認
(
みと
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
古綿
(
ふるわた
)
のごとく
此處
(
こゝ
)
も
寸斷
(
ちぎ
)
れ
彼所
(
かしこ
)
も
寸斷
(
ちぎ
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「いや
何所
(
どこ
)
も
彼所
(
かしこ
)
も御無沙汰で」と平岡は突然眼鏡を外して、
脊広
(
せびろ
)
の胸から
皺
(
しわ
)
だらけの
手帛
(
ハンケチ
)
を出して、眼をぱちぱちさせながら
拭
(
ふ
)
き始めた。学校時代からの近眼である。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
武士らかしこまりて、又豊雄を押したてて
彼所
(
かしこ
)
に行きて見るに、
厳
(
いかめ
)
しく造りなせし門の柱も
朽
(
く
)
ちくさり、軒の
瓦
(
かはら
)
も大かたは
砕
(
くだ
)
けおちて、
一八二
草しのぶ
生
(
お
)
ひさがり、人住むとは見えず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
流
(
なが
)
し有難き今の御言葉身の
悲
(
かな
)
しさをお話し申さん
彼所
(
かしこ
)
に
臥
(
ふし
)
たるは父にて候ふ所其以前は可成なる
旅籠屋
(
はたごや
)
なりしが私し五歳の時母は相果たり夫よりは家の
活業
(
なりわい
)
衰
(
おとろ
)
へ下女下男に暇を取せ其中にお早と申すを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「いや
何所
(
どこ
)
も
彼所
(
かしこ
)
も御無沙汰で」と平岡は
突然
(
とつぜん
)
眼鏡
(
めがね
)
を
外
(
はづ
)
して、脊広の胸から皺だらけの
手帛
(
ハンケチ
)
を出して、
眼
(
め
)
をぱち/\させながら
拭
(
ふ
)
き始めた。学校時代からの近眼である。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
絵は無論
仕上
(
しあが
)
つてゐないものだらう。けれども
何処
(
どこ
)
も
彼所
(
かしこ
)
も万遍なく絵の具が
塗
(
ぬ
)
つてあるから、
素人
(
しらうと
)
の三四郎が見ると、中々立派である。
旨
(
うま
)
いか
無味
(
まづ
)
いか無論
分
(
わか
)
らない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
だから
私
(
わたし
)
達が一番
好
(
い
)
いと思ふのを、
黙
(
だま
)
つて
貰
(
もら
)
へば、夫で
何所
(
どこ
)
も
彼所
(
かしこ
)
も丸く
治
(
おさ
)
まつちまふから、——だから、
御父
(
おとう
)
さんが、殊によると、
今度
(
こんど
)
は、
貴方
(
あなた
)
に一から十迄相談して
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“彼所”で始まる語句
彼所迄