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帰途
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かへり
ふりがな文庫
“
帰途
(
かへり
)” の例文
旧字:
歸途
帰途
(
かへり
)
に大陸ホテルの前を過ぎると
丁度
(
ちやうど
)
今の季節に
流行
(
はや
)
る大夜会の
退散
(
ひけ
)
らしく、盛装した貴婦人の
群
(
むれ
)
が
続続
(
ぞくぞく
)
と自動車や馬車に乗る所であつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
僕が四年に君が三年だツたかな、学校の
帰途
(
かへり
)
に、そら、酒屋の林檎畑へ這入ツた事があツたらう。何でも七八人も居たツた様だ。………………
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
松島
(
まつしま
)
から
帰途
(
かへり
)
に、
停車場
(
ステーシヨン
)
までの
間
(
あひだ
)
を、
旅館
(
りよくわん
)
から
雇
(
やと
)
つた
車夫
(
しやふ
)
は、
昨日
(
きのふ
)
、
日暮方
(
ひぐれがた
)
に
其
(
そ
)
の
旅館
(
りよくわん
)
まで、
同
(
おな
)
じ
停車場
(
ていしやば
)
から
送
(
おく
)
つた
男
(
をとこ
)
と
知
(
し
)
れて、
園
(
その
)
は
心易
(
こゝろやす
)
く
車上
(
しやじやう
)
で
話
(
はな
)
した。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
野崎氏は
好
(
い
)
いやうに
計
(
はから
)
つた。
富豪
(
かねもち
)
は
後
(
あと
)
で
金高
(
きんだか
)
を聞いて、自分の胸算用より少し出し過ぎたなと思つた。
恰
(
ちやう
)
ど
婦人
(
をんな
)
客が
百貨店
(
デパートメントストア
)
の
帰途
(
かへり
)
にいつも感じるやうに……。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「いゝえ、お嬢様、上野浅草へ
行
(
いら
)
しやるのを、心配とも何とも思ひは致しませんが——
帰途
(
かへり
)
に
大洞
(
おほほら
)
様の橋場の御別荘へ、お寄りなさると
仰
(
おつ
)
しやるぢや御座いませんか」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
彼に心を寄せし
輩
(
やから
)
は皆彼が
夜深
(
よふけ
)
の
帰途
(
かへり
)
の程を
気遣
(
きづか
)
ひて、我
願
(
ねがは
)
くは
何処
(
いづく
)
までも送らんと、
絶
(
したた
)
か
念
(
おも
)
ひに念ひけれど、彼等の
深切
(
しんせつ
)
は無用にも、宮の帰る時一人の男附添ひたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
帰途
(
かへり
)
に芝居の前の
其
(
その
)
家へ寄ると、ピニヨレ夫人は僕等にカンキナ酒を
注
(
つ
)
いで出し
乍
(
なが
)
ら「今夜お
差支
(
さしつかへ
)
が無いなら山荘の方へ馬車で
御
(
ご
)
案内したい」
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
『今井さん。今日は
俺
(
わし
)
も煎餅組にして貰ひませうか。飲むと
帰途
(
かへり
)
が
帰途
(
かへり
)
だから歩けなくなるかも知れない。』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
火の
粉
(
こ
)
の散るなかをうろ/\駈けづり廻つて、
帰途
(
かへり
)
には
茶飯
(
ちやめし
)
の一杯も掻き込んで、いゝ気で納まつてゐた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
此
(
この
)
人の
紹介
(
せうかい
)
で
社中
(
しやちう
)
に加はる事になつたのでした、
其頃
(
そのころ
)
巌谷
(
いはや
)
は
独逸協会学校
(
どいつけふくわいがくかう
)
に
居
(
ゐ
)
まして、お
坊
(
ばう
)
さんの
成人
(
せいじん
)
したやうな少年で、
始
(
はじめ
)
て
編輯室
(
へんしうしつ
)
に来たのは学校の
帰途
(
かへり
)
で、
黒羅紗
(
くろらしや
)
の
制服
(
せいふく
)
を着て
居
(
ゐ
)
ました
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
喧嘩の
帰途
(
かへり
)
は屹度私の家へ寄る。顔に血の附いてる事もあれば、
衣服
(
きもの
)
が泥だらけになつてる事もあつた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
照子がその
手帛
(
はんけち
)
を
命令
(
いひつけ
)
通り方々へ配つたか、それともこつそり
箪笥
(
たんす
)
の中に
蔵
(
しま
)
つてゐるかは私の知つた事ではないが、親切な大隈侯は
先日
(
こなひだ
)
養子の信常氏が九州へ往つた
帰途
(
かへり
)
にも
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其
帰途
(
かへり
)
、とある
路傍
(
みちばた
)
の田に、稲の穂が五六本出
初
(
そ
)
めてゐたのを見て、せめて初米の餅でも
搗
(
つ
)
くまで居れば可いのにと、誰やらが呟いた事を、今でも夢の様に
記憶
(
おぼ
)
えて居る。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
所へ
魚釣
(
うをつり
)
の
帰途
(
かへり
)
らしい子供が一人通りかゝつた。手には
小鮒
(
こふな
)
を四五
尾
(
ひき
)
提
(
さ
)
げてゐる。青木氏は
懐中
(
ふところ
)
の
写生帖
(
スケツチブツク
)
から子供の好きさうな
画
(
ゑ
)
を一枚引き裂いて、それと小鮒の二尾程と
取
(
と
)
り
替
(
かへ
)
つこをした。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『目賀田先生はああして先になつてますけれども、
帰途
(
かへり
)
には
屹度
(
きつと
)
一番後になりますよ。』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
俊子が一人離れて
側道
(
わきみち
)
へ
逸
(
そ
)
れてしまへばそれでいゝのだが、
帰途
(
かへり
)
の都合からそのなかの一人と
途連
(
みちづれ
)
になるやうな事があると、
彼
(
あと
)
の二人は何だか物寂しい、
欺
(
だま
)
されたやうな気持になるのださうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
汽車の
帰途
(
かへり
)
の路すがら、
奈何
(
どう
)
しても
通抜
(
とほりぬけ
)
が出来なかつたから、突然ではあつたが、なつかしい此村を訪問したと云ふ事、今では東京に理髪店を開いてゐて、
熟練
(
じゆくれん
)
な職人を四人も使つてるが
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
鼓村氏は二三日その友人の
許
(
とこ
)
で遊んだ。
帰途
(
かへり
)
にその渡し場を通ると、矢張り同じ船頭が待つてゐて、慌てて
頬冠
(
ほゝかむ
)
りを取つた。その瞬間鼓村氏は二三日前の
悪戯
(
いたづら
)
を思ひ出した。で、
厳
(
しかつ
)
べらしく言つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
投網打
(
とあみうち
)
の
帰途
(
かへり
)
に岩鼻の崖から川中へ転げ落ちて、したたか腰骨を痛めて三日寝た、その三日だけは、流石に、盃を手にしなかつたさうなと不審がられた程の大酒呑、酒の次には
博奕
(
ばくち
)
が
所好
(
すき
)
で
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その日は
帰途
(
かへり
)
に雨に会つて来て、食事に茶の間に行くと、外の人は
既
(
も
)
う済んで私
一人限
(
ひとりきり
)
だ。内儀は私に少し濡れた羽織を脱がせて、真佐子に切炉の火で
乾
(
ほ
)
させ乍ら、自分は私に飯を
装
(
よそ
)
つて呉れてゐた。
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『そんなら私、
帰途
(
かへり
)
には早く歩いてお目にかけますわ。』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
帰
常用漢字
小2
部首:⼱
10画
途
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
“帰”で始まる語句
帰
帰依
帰宅
帰路
帰趨
帰来
帰洛
帰京
帰還
帰省