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小児
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しょうに
ふりがな文庫
“
小児
(
しょうに
)” の例文
旧字:
小兒
又必要に迫られて、人家の食物を奪い、婦女
小児
(
しょうに
)
を奪うことが有る。人が𤢖の名を口にするに至ったのは多分
此
(
この
)
以後の事であろう。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
同時に優れた文芸批評家であったウエーンライトの話、
小児
(
しょうに
)
の
臀肉
(
でんにく
)
を
煎
(
せん
)
じて義父の癩病を治そうとした野口男三郎の話、さては
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
日本もまた
小児
(
しょうに
)
に教える歴史は、——あるいはまた小児と大差のない日本男児に教える歴史はこう云う伝説に充ち満ちている。
金将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
敵将の
首
(
こうべ
)
を挙げたるごとく、ずい、と掲げて、
風車
(
かざぐるま
)
でも廻す気か、肌につけた
小児
(
しょうに
)
の上で、くるりくるりとかざして見せたが
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しずがたけのかっせんの始終は三さいの
小児
(
しょうに
)
までも知っていることでござりますから、いまさら何を申しましょうなれども
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
夜半観測の
間合
(
まあい
)
などには暖炉に向いながら、
旧里
(
ふるさと
)
に
預
(
あず
)
け置きたる三歳の
小児
(
しょうに
)
が事など始めて想い起せし事もありたり。
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
プールと共に
小児
(
しょうに
)
達の水遊び場を作り、水の遊園地とするはずで、やがては雲仙名所の一つとなる日も近いであろう。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
「ばかな!」と叱って——「陸口の将は
小児
(
しょうに
)
、
烽火台
(
のろしだい
)
の備えもあるし、荊州の守りは泰山の安きにある。そちまでが敵の流言に乗せられてどうするか」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それであればこそ
路傍
(
ろぼう
)
で
耳朶
(
じだ
)
に触れた一言が、自分の一生の
分岐点
(
ぶんきてん
)
となったり、
片言
(
かたこと
)
でいう
小児
(
しょうに
)
の言葉が、胸中の
琴線
(
きんせん
)
に触れて、
涙
(
なみだ
)
の源泉を突くことがある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
妙了は年久しく渋江の家に寄寓していて、
毎
(
つね
)
に
小児
(
しょうに
)
の世話をしていたが、中にも抽斎の三女
棠
(
とう
)
を愛し、今また成善の生れたのを見て、大いにこれを愛していた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
いよいよ最後の実験にとりかかろうと決心し、最初にだれにうえるべきか、適当な
小児
(
しょうに
)
を物色しました。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
澤
(
さわ
)
の
井
(
い
)
と申される
女子
(
おなご
)
も、その母親も、十数年前に死去致し、郡奉行、村役人とも、当時在勤の者がおりませず、ただ、近所の百姓共の申し分には、確かに、御落胤らしき
小児
(
しょうに
)
が
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
ケートは窓から
外面
(
そと
)
を
眺
(
なが
)
める。
小児
(
しょうに
)
が
球
(
たま
)
を投げて遊んでいる。彼等は高く球を空中に
擲
(
なげう
)
つ。球は上へ上へとのぼる。しばらくすると落ちて来る。彼等はまた球を高く擲つ。再び三度。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
知りません。しかし私自身では、
丁度
(
ちょうど
)
限りない真理の大洋が横たわっている前で、浜辺に
滑
(
なめら
)
かな小石や美しい貝殻を拾って楽しげに遊んでいる一人の
小児
(
しょうに
)
のようにしか思われないのです。
ニュートン
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
それからもう一つ、『
小児
(
しょうに
)
のための三つの小さき唄』は愛すべきものであった。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
その
中
(
うち
)
余は日本の力士を大きく
仁王
(
におう
)
の如く米国水兵を小さく
小児
(
しょうに
)
の如くに描き、日本の力士が
軽々
(
かるがる
)
と米俵を両手に一ツ一ツ持上げたるさまを見て米国水兵の
驚愕
(
きょうがく
)
せるさまを示したるものと
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
世には
小児
(
しょうに
)
の食物に注意する人
寡
(
すくな
)
し。
然
(
しか
)
れども小児の発育は主として食物の良否に関す。食物を精選せずして小児の発育せん事を望むは肥料を与えずして我が麦の大ならん事を祈るが
如
(
ごと
)
し。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
お前の弟粂之助はまだ
頑是
(
がんぜ
)
もない
小児
(
しょうに
)
、
外
(
ほか
)
に頼る者もないに依って
何卒
(
どうか
)
お前、丹精をして成人させて呉れとのお頼み、そこで私が寺へ引取って、十一から三ヶ年も貴様の面倒を見てやったが
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
妖精
(
ようせい
)
というものは
姿
(
すがた
)
も
可愛
(
かわい
)
らしく、
心
(
こころ
)
も
稚
(
わか
)
く、
少
(
すこ
)
しくこちらで
敵意
(
てきい
)
でも
示
(
しめ
)
すと、
皆
(
みな
)
怖
(
こわ
)
がって
何所
(
いずこ
)
とも
知
(
し
)
れず
姿
(
すがた
)
を
消
(
け
)
して
了
(
しま
)
う。
人間界
(
にんげんかい
)
で
妖精
(
ようせい
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
る
者
(
もの
)
が、
大
(
たい
)
てい
無邪気
(
むじゃき
)
な
小児
(
しょうに
)
に
限
(
かぎ
)
るのもその
故
(
せい
)
じゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
対手
(
あいて
)
が
斯
(
こ
)
ういう覚悟で居ようとは、重太郎は夢にも知らぬ。彼は母に甘える
小児
(
しょうに
)
のような態度で、
飽
(
あく
)
までもお葉に
附纏
(
つきまと
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
………国経はそう思った途端に、涙がぽろ/\とこぼれて来た。老いれば
小児
(
しょうに
)
に
復
(
かえ
)
ると云うが、八十翁の大納言は、子供が母を呼ぶように大きな声で泣き
喚
(
わめ
)
きたかった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
人間
一人
(
ひとり
)
の生命にかかることですから
粗忽
(
そこつ
)
にはできません。かような実験は
小児
(
しょうに
)
でなくてはできませんが、さて自分には子供がなし、むやみに他人の子をかりてくることもできません。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「あんな
黄口
(
こうこう
)
の
小児
(
しょうに
)
が、大都督護軍将軍に任ぜられるとはいったい何事だ」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
厚樫
(
あつがし
)
の
心
(
しん
)
も
透
(
とお
)
れと深く刻みつけたる
葡萄
(
ぶどう
)
と、葡萄の
蔓
(
つる
)
と葡萄の葉が手足の
触
(
ふ
)
るる場所だけ光りを射返す。この
寝台
(
ねだい
)
の
端
(
はじ
)
に
二人
(
ふたり
)
の
小児
(
しょうに
)
が見えて来た。一人は十三四、一人は
十歳
(
とお
)
くらいと思われる。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ゴンクウルはなほ章を
新
(
あらた
)
にして「
子宝合
(
こだからあわせ
)
」の如き錦絵によりて日本の婦女の
小児
(
しょうに
)
を背負ひあるひは抱きあるひは乳を呑ませあるひは小便さするさまに至るまで精細にまた物珍し気にこれを記述したり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
而
(
しか
)
も
猶
(
なお
)
連綿として六百余年の𤢖生活を継続し
来
(
きた
)
ったのは、彼等が折々に里を荒して、婦女を奪い
小児
(
しょうに
)
を
攫
(
さら
)
って行くが為に、辛くも子孫断絶を
免
(
まぬか
)
れ得たものと察せられる。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
町の
小児
(
しょうに
)
らが河に泳いでいると、或る物が中流をながれ下って来たので、かれらは争ってそれを拾い取ると、それは一つの瓦の
瓶
(
かめ
)
で、厚い
帛
(
きぬ
)
をもって
幾重
(
いくえ
)
にも包んであった。
中国怪奇小説集:05 酉陽雑爼(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
児
常用漢字
小4
部首:⼉
7画
“小児”で始まる語句
小児等
小児心
小児衆
小児性
小児頭大
小児帯
小児病
小児達
小児瞞
小児科