大概てえげえ)” の例文
「お前の言ふことは大概てえげえ變なことばかりだが、まさか——どうして新造にはひげが生えないでせう——なんて話ぢやあるまいな」
マア大概てえげえ留守勝だと云うから、寄って上げておくんなさえ、ねえ、憫然かわいそうで、貴方あんたの手が切れてからたれ見舞みめえにもかぬ、仮令たとえ貴方あなたの手が切れても
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「そんだがおめえもたえしたはたらきだとえんな、かうえにたわらまでちやんとして、大概てえげえ百姓ひやくしやうぢやおめえこのにやかねえぞ、世辭つやいふわけぢやねえが」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
鸚鵡って奴は大概てえげえいつまででも生きてるものなんだ。で、だれでもこいつよりももっとたくさん悪い事を見て来たものがあれぁ、それは悪魔だけに違えねえさ。
大概てえげえ御存じだろうと思うが、じゃあ知らねえのかね。この十九日というのは厄日でさ。別に船頭衆せんどしゅう大晦日おおみそかの船出をしねえというようなきまったんじゃアありません。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と言って俺が出向いて行けば家はからになるし……野郎どもも大概てえげえ察しがありそうなものだ、ぐずぐずしていると日が暮れちまうじゃねえか、日が暮れちまった日にゃあ
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「この枝をうんと先の方までゆくのは、おっかねえこっでがす。ずっと大概てえげえ枯枝でがすよ」
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
ちょッ! あの服装はなんでえ! 覲番侍きんばんものが吉原の昼火事に駈けつけるんじゃアあるめえし、大概てえげえにしゃアがれッ!……といいてえところだが、待てよ! これだけの薪雑棒まきざっぽうに取り囲まれていけあ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
やれやれ、大概てえげえびっくらさせましたぞ、嬢さん。
天狗外伝 斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
「押かけ女房の口なら御免だが、他の事なら大概てえげえ相談に乘つてやるよ。ことに金のことなどと來た日にや——」
わし大概てえげえな事があっても父様にめんじてこれえていて、何一つ云った事はがんせん、わしも我儘ものでがんすが、家内うちわで物争いが出来て、おえいを離縁しては
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大概てえげえわかさうなもんぢやねえか、こんなざまぢやたねばかしつてやうありやしねえ」勘次かんじあとつぶやいた。となりはたけこれ大豆だいづいて百姓ひやくしやうけてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
活きるか死ぬかというこれが情婦いろだったって、それじゃ愛想をつかしましょう、おまけにこれがく先は、どこだって目上の親方ばかりでさ、大概てえげえ神妙しんびょうにしていたって
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
己は大概てえげえはものを気にする男じゃねえし、こいつをばらしたことなんぞ何とも思ってやしねえ。だが、こうしておいても別に飾りにもなるめえと思うが、え、どうだね?
塩梅あんべえわりいから村の者は見舞みめえに行ったってもえが、それを行かぬてえから大概てえげえ人の不人情も分っていまさア、うか寄って顔を見てっておくんなさえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
めえさんはひょっとしてチーズを一きれ持ち合していやしねえかね、え? 持たねえって? やれやれ、俺あ幾晩も幾晩もなげうさりチーズの夢をみたよ、——大概てえげえあぶった奴さ。
「徴兵檢査ツてゆつてもあと三十日が四十日で大概てえげえどうか極らな、そんで兵隊に出たにした所で兩方で極めてだけ置く分にや差支あんめえ。そんなことゆふな理窟つちいものぢやねえか」
芋掘り (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「へ、へ、堪えて大概てえげえ聞いていたんだ。お友達、おい、お友達、てめえが口で饒舌しゃべった事を、もしか、一言ひとことでも忘れたらな、あっしに聞きねえ、けちりんも残らずおさらいをして見せてやらい。こん、畜生、」
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わし附いて居りやすうちはどんな事が有っても出しやせん、出るときゝませんよ、お内儀かみさん大概てえげえにしなせえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
本當ほんたう此處こゝちや毎日まいんちのやうにからおつこつたつち怪我人けがにんんだよまあ、しひからおつこつたのくりからおつこつたのつて、子供こども怪我けが大概てえげえさうなんだから、をとこつちや心配しんぺえさねえ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ちょいとおっかあに君から相談して貰いてえな、何と此のを身請えしてえんだが、馬鹿な事を云われちゃア困るんだ、大概てえげえ相場も有るもんだが、何うだろう、身請を
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
半五「此の野郎大概てえげえにしろ、今更小兼をけえすなんぞという事が出来るものか、馬鹿ア云うな、間抜め」
何をぬかしやアがるんでえ、なぐり付けるぞ、コレ頭を禿はげらかしやアがって馬鹿も休み休み云え、粂どんが人を殺して金を取る様な人か人でねえか大概てえげえ解りそうなもんだ
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
奉公人は少ねえに皿小鉢を打投ぶっぽうってこわれます、三百や四百で買える物じゃアねえ、大概てえげえにするが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此地こけえ来て渋川で一円に一升の仲間入をして居る峯松だ、大概てえげえにしやアがれ、馬鹿にするな
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大概てえげえ角力取が出れば勘弁するものだが、彼奴あいつめ酒を打掛ぶっかけやアがってひどい事しやアがる
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
訳は大概てえげえ極ってる、亭主に嫌われて離縁され、世間へ顔向けが出来ねえとか、内証ねえしょ情夫おとこが出来て親に面目ねえんで死ぬのか知らねえが、今の若さで親に先立さきだって済む訳のものじゃアねえ
重「申しお婆アさん、もういからけえっておくんなせえ、もう大概てえげえで宜いよ」
仙「ナニ大丈夫でえじょうぶだ、エ御免ねえ、ヤイさむれえ大概てえげえにしろ、殴るぞ、ヤイ」