受持うけもち)” の例文
あいちやんはたゞほかにはなんにもかんがへつきませんでした、『それは公爵夫人こうしやくふじん受持うけもちよ、ことなら夫人ふじんたづねたはういわ』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それから人間にんげん歿なくなる場合ばあいにも、だい一に受附うけつけてくださるのが、矢張やは産土うぶすな神様かみさまで、誕生たんじょうのみがけっしてそのお受持うけもちではないのでございます。
主婦が受持うけもちのスープ鉢の前に坐り、客が主人と主婦との間に坐らされると、召使が子供たちの頸にナプキンを捲きつけた。
光線くわうせんるべく餘計よけいれるやうあかるくこしらへた部屋へや二側ふたがはに、手術用しゆじゆつよう椅子いす四臺よだいほどゑて、しろ胸掛むねかけをかけた受持うけもちをとこが、一人ひとりづゝ別々べつ/\療治れうぢをしてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そこへどたどた跫音あしおとがして、受持うけもちの看護婦が飛びこんで来たが、看護婦は呼吸をはずませながら
天井裏の妖婆 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
坪井博士つぼゐはかせは、正午過しやうごすぎ、用事ようじため歸京ききやうされたので、あと大野助手おほのぢよしゆ主任しゆにん監督かんとくしてると、午後ごご時頃じごろいたつて、船町倉次郎ふなまちくらじらう受持うけもち山麓さんろくから、多數たすう圓石まるいし發見はつけんした。
こっちのスタンドには三年級受持うけもちの倉持教諭が、同僚の化学の教師と共に話していた。
黒襟飾組の魔手 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
しずかに身を起す。)譬えば下手な俳優があるきっかけで舞台に出て受持うけもちだけのせりふ饒舌しゃべり、周匝まわりの役者に構わずにうぬが声をうぬが聞いて何にも胸に感ぜずに楽屋に帰ってしまうように
宴席えんせきどなりの空部屋あきべやころむと、ぐたりとたが、したゝか反吐へどをついて、お冷水ひや五杯ごはいんだとやらで、ウイーと受持うけもちの、一番いちばんさんへとこりにて、おや、旦那だんなつてころげてるね
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たまには局部的きょくぶてき風位かぜくらいおこせても、おおきな自然現象しぜんげんしょう大抵たいていみな竜神りゅうじんさんの受持うけもちにかかり、とても天狗てんぐにはその真似まねができないともうすことでございます。
如何いかに、ところひとはわたりさふらふか。——番頭ばんとうよびだすもどくだ。手近てぢかなのは——閑靜期かんせいきとかできやくがないので、わたしどもが一番いちばん座敷ざしきだから——一番いちばんさん、受持うけもち女中ぢよちうだが、……そも/\これにはよわつた。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
襖をそっと開けて大きな円髷まるまげった受持うけもちじょちゅうが入って来た。
一握の髪の毛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
つまり病気びょうきには病気びょうきなおしの神様かみさま武芸ぶげいには武芸専門ぶげいせんもん神様かみさま、そのほか世界中せかいじゅうのありとあらゆる仕事しごとは、それぞれみな受持うけもち神様かみさまがあるのでございます。