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却説
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さて
ふりがな文庫
“
却説
(
さて
)” の例文
却説
(
さて
)
兎と熟兎は物の食べようを異にす、たとえば
蕪菁
(
かぶ
)
を
喫
(
くら
)
うるに兎や鼠は皮を
剥
(
は
)
いで地に残し身のみ食うる、熟兎は皮も身も食べて
畢
(
しま
)
う。
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
却説
(
さて
)
……斯様にして屍体台帳の書換えを終りました若林博士は、その台帳を
無記入
(
ブランク
)
の屍体検案書と一緒に、無雑作に机の上に投出しました。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
却説
(
さて
)
、林謹直のオヴァーランドが日比谷公園の近くまで来ると、公園の方に当ってワアッと言う凄まじいどよめきが起った。
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
却説
(
さて
)
小助
(
こすけ
)
は、
家
(
いへ
)
を
出
(
で
)
た
其
(
そ
)
の
足
(
あし
)
で、
同
(
おな
)
じ
村
(
むら
)
の
山手
(
やまて
)
へ
行
(
い
)
つた。こゝに
九兵衞
(
くへゑ
)
と
云
(
い
)
ふものの
娘
(
むすめ
)
にお
秋
(
あき
)
と
云
(
い
)
ふ、
其
(
そ
)
の
年
(
とし
)
十七になる
野上一郡
(
のがみいちぐん
)
評判
(
ひやうばん
)
の
容色
(
きりやう
)
佳
(
よ
)
し。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時下
(
じか
)
残暑
(
ざんしょ
)
凌
(
しの
)
ぎがたく
候処
(
そうろうところ
)
益〻
(
ますます
)
御清穆
(
ごせいぼく
)
の
御事
(
おんこと
)
と
存上候
(
ぞんじあげそうろう
)
却説
(
さて
)
伯爵様
(
はくしゃくさま
)
折入
(
おりい
)
って
直々
(
じきじき
)
貴殿
(
きでん
)
に
御意得度思召
(
ぎょいえたきおぼしめし
)
に
被在候間
(
あらせられそうろうあいだ
)
明朝
(
みょうちょう
)
九
時
(
じ
)
御本邸
(
ごほんてい
)
へ
御出仕可然
(
ごしゅっししかるべく
)
此段申進候
(
このだんもうしすすめそうろう
)
早々
(
そうそう
)
頓首
(
とんしゅ
)
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
却説
(
さて
)
。
江州甲賀
(
ごうしゅうこうが
)
の山奥
木賊
(
とくさ
)
村庄屋
家記
(
かき
)
によると、弦之丞は両刀をすて、農となってその地で終っている。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
却説
(
さて
)
、山田某。女共の軽い口からちらちら洩れる噂も気になるし、折柄の坂本警護を、いゝ
機
(
おり
)
に、彦根を
出
(
いで
)
、江洲へ行った。お俊が戻ると共に、この事を知ったのは勿論である。
新訂雲母阪
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
却説
(
さて
)
、翌日の昼頃、広からぬ僕の家の玄関に、改まって人の訪ずれる声がする。女中が出たが、何やら見なれぬ人が要領を得ぬことを言っていると、又それがわけのわからぬ取次ぎ方である。
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
却説
(
さて
)
一昨年岡崎邦輔君の紹介である人が予に尋ねられたは、何とかいう鉄道は鬼門に向いて敷設され居るとて一向乗客少ない。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
丁告之以故
(
ていこれにつぐるにゆゑをもつてす
)
。——
却説
(
さて
)
、
一體
(
いつたい
)
此處
(
こゝ
)
は
何處
(
どこ
)
だ、と
聞
(
き
)
くと、
冥土
(
めいど
)
、と
答
(
こた
)
へて、
私
(
わたし
)
は
亡
(
な
)
き
後
(
あと
)
、
閻魔王
(
えんまわう
)
の
足輕
(
あしがる
)
、
牛頭鬼
(
ごづおに
)
のために
娶
(
めと
)
られて、
今
(
いま
)
は
其
(
そ
)
の
妻
(
つま
)
と
成
(
な
)
つた、と
告
(
つ
)
げた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それは
却説
(
さて
)
、ほどなく道灌山の自動車は「住吉」の門を走り出て、芝の方角へ。
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
却説
(
さて
)
、言うがごとく、清葉の看板は滝の家にただ一人である。母親がある。それは以前同じ土地に聞えた老妓で、清葉はその実、養女である。学校に通う娘が一人。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
却説
(
さて
)
、
大雷
(
たいらい
)
の後の稀有なる悲鳴を聞いた夜、客が蔀を開けようとした時の人々の顔は……
年月
(
としつき
)
を長く経ても
眼前
(
まのあたり
)
見るような、いずれも石を以て刻みなした如きものであった。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
却説
(
さて
)
、
大雷
(
たいらい
)
の
後
(
あと
)
の
希有
(
けう
)
なる
悲鳴
(
ひめい
)
を
聞
(
き
)
いた
夜
(
よる
)
、
客
(
きやく
)
が
蔀
(
しとみ
)
を
開
(
あ
)
けようとした
時
(
とき
)
の
人々
(
ひと/″\
)
の
顏
(
かほ
)
は……
年月
(
としつき
)
を
長
(
なが
)
く
經
(
へ
)
ても
眼前
(
まのあたり
)
見
(
み
)
るやうな、いづれも
石
(
いし
)
を
以
(
もつ
)
て
刻
(
きざ
)
みなした
如
(
ごと
)
きものであつた。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
却説
(
さて
)
、葛木法師の旅僧は遠くも
行
(
ゆ
)
かず、どこで電車を下りて
迂廻
(
まわりみち
)
したか、
多時
(
しばらく
)
すると西河岸へ、船から上ったごとく
飄然
(
ひょうぜん
)
として
顕
(
あらわ
)
れて、延命地蔵尊の
御堂
(
みどう
)
に詣でて
礼拝
(
らいはい
)
して
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
却説
(
さて
)
……巡査が格子戸を出ると、やがて××署在勤笠原信八郎とある名刺にのせた、(
同妻
(
おなじくつま
)
。)を
熟
(
じっ
)
と視ていた、稲葉家のお孝は、片手の長煙管をばたりと落して、すっと立つと、頂いて
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
却説
(
さて
)
——その
白井
(
しらゐ
)
さんの
四歳
(
よツつ
)
に
成
(
な
)
る
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
の、「おうちへ
歸
(
かへ
)
らうよ、
歸
(
かへ
)
らうよ。」と
言
(
い
)
つて、うら
若
(
わか
)
い
母
(
かあ
)
さんとともに、
私
(
わたし
)
たちの
胸
(
むね
)
を
疼
(
いた
)
ませたのも、その
母
(
かあ
)
さんの
末
(
すゑ
)
の
妹
(
いもうと
)
の十一二に
成
(
な
)
るのが
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
却説
(
さて
)
、
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れて、
其
(
そ
)
の
歸途
(
かへり
)
である。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
却説
(
さて
)
前段
(
ぜんだん
)
に
言
(
い
)
つた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
却
常用漢字
中学
部首:⼙
7画
説
常用漢字
小4
部首:⾔
14画
“却”で始まる語句
却
却々
却而
却〻
却下
却掃
却歩
却売
却後
却退