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冷酷
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れいこく
ふりがな文庫
“
冷酷
(
れいこく
)” の例文
冷酷
(
れいこく
)
な
建物
(
たてもの
)
の
蔭
(
かげ
)
になっている
暗
(
くら
)
いところで、しかも
冷
(
つめ
)
たい
鉄管
(
てっかん
)
の
周囲
(
まわり
)
で、
哀
(
あわ
)
れな三つの
影
(
かげ
)
は、こうしてうごめいているのでありました。
石段に鉄管
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おかあさん、感情家だけではいけませんよ。生きるという事実の上に根を置いて、
冷酷
(
れいこく
)
なほどに
思索
(
しさく
)
の
歩
(
あゆ
)
みを進めて下さい。」
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
『
冷酷
(
れいこく
)
といわれてもよい。鬼と思われてもよろしい。むしろ、そう思わるることが、兵部が江戸へ来た使命とせねばならぬ……』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一
(
ひと
)
かどの英霊を持つた人々の中には、二つの自己が住む事がある。一つは常に活動的な、情熱のある自己である。他の一つは
冷酷
(
れいこく
)
な、観察的な自己である。
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ところが、その女の主人は、ただひとりの保護者であるはずなのに、乱暴で、
冷酷
(
れいこく
)
な悪人だったものですから、その女のふとんをひきはがして、こう言いました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
現実は常にかく
冷酷
(
れいこく
)
無慙
(
むざん
)
であるけれども、そこからも、夢は育ち、オモチャ箱はつくれるものだ。
オモチャ箱
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
その一割も従業員では勢力のない若者ばかりだと。その批判は
冷酷
(
れいこく
)
な程客観的だが、しかもこの若者自身にはちょッとも悲観的なところがなかった。
癪
(
しゃく
)
にさわるほどノンビリしていると思われた。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
そして私達のことを、
伯父
(
をぢ
)
といふ程にも近い親類の
亡
(
な
)
くなつたのにも、大して心を動かされない
冷酷
(
れいこく
)
な人間だと思ふでせうね。けれど、私たちはその人に會つたこともなければ知りもしないのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
平次の言葉は
冷酷
(
れいこく
)
でした。
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もし、もう一
度
(
ど
)
、
私
(
わたし
)
が、
家
(
うち
)
へ
帰
(
かえ
)
ることができたなら、この
後
(
のち
)
、あなたに
対
(
たい
)
して、あのような
冷酷
(
れいこく
)
なことは、けっしていたしません……。
小ねこはなにを知ったか
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あの人もまたこの私を、本位田家の一人のように、村の人々と同じように、
冷酷
(
れいこく
)
な人間と
視
(
み
)
ているにちがいない。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まづ
冷酷
(
れいこく
)
に批評すると、本来
剃刀
(
かみそり
)
で
剃
(
そ
)
るべき
髭
(
ひげ
)
を、
薙刀
(
なぎなた
)
で剃つて見せたと云ふ
御手柄
(
おてがら
)
に感服するだけである。
西洋画のやうな日本画
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
美
(
うつく
)
しい、
無邪気
(
むじゃき
)
なものでも、
冷酷
(
れいこく
)
な
運命
(
うんめい
)
にもてあそばれることがたびたびあります。それはどうすることもできなかったのでありました。
星の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
義経は自分を憎むと同じように兄のそうした
冷酷
(
れいこく
)
な裁きを憎悪せずにいられなかった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だから
私
(
わたくし
)
は
腹
(
はら
)
の
底
(
そこ
)
に
依然
(
いぜん
)
として
險
(
けは
)
しい
感情
(
かんじやう
)
を
蓄
(
たくは
)
へながら、あの
霜燒
(
しもや
)
けの
手
(
て
)
が
硝子戸
(
ガラスど
)
を
擡
(
もた
)
げようとして
惡戰苦鬪
(
あくせんくとう
)
する
容子
(
ようす
)
を、まるでそれが
永久
(
えいきう
)
に
成功
(
せいこう
)
しない
事
(
こと
)
でも
祈
(
いの
)
るやうな
冷酷
(
れいこく
)
な
眼
(
め
)
で
眺
(
なが
)
めてゐた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こうして
見
(
み
)
ると、やはり
姉
(
ねえ
)
さんが、わたしよりもりこうであるかもしれない。
冷酷
(
れいこく
)
な
姉
(
ねえ
)
さんは、よくわたしをわらったものだ。
消えた美しい不思議なにじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
南
(
みなみ
)
の
方
(
ほう
)
から
吹
(
ふ
)
いてくるやさしい
風
(
かぜ
)
は、どの
木
(
き
)
にも
草
(
くさ
)
にもしんせつで、
柔和
(
にゅうわ
)
でありましたけれど、
北
(
きた
)
の
方
(
ほう
)
から
吹
(
ふ
)
いてくる
風
(
かぜ
)
は、
小
(
ちい
)
さいのでも
大
(
おお
)
きなのでも、
冷酷
(
れいこく
)
で、
無情
(
むじょう
)
で
大きなかしの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あの
柄杓
(
ひしゃく
)
ですか。あれは、
私
(
わたし
)
よりも、もっと
早
(
はや
)
く、あまり
体
(
からだ
)
を
使
(
つか
)
いすぎたために、
頭
(
あたま
)
がとれて
役
(
やく
)
にたたなくなってしまいました。
人間
(
にんげん
)
は、そうなると、まことに
冷酷
(
れいこく
)
なものです。
ねずみとバケツの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どんな
汽罐車
(
きかんしゃ
)
であるかしれないけれど、そんなことをしてしらぬ
顔
(
かお
)
をしているとは
冷酷
(
れいこく
)
な
汽罐車
(
きかんしゃ
)
である。
私
(
わたし
)
がいって
不心得
(
ふこころえ
)
をさとしてやるから、もし
見覚
(
みおぼ
)
えがあったら
聞
(
き
)
かしなさい。
負傷した線路と月
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
レールは、
涙
(
なみだ
)
ぐみながら、
雨
(
あめ
)
に
向
(
む
)
かって、
今日
(
きょう
)
、
冷酷
(
れいこく
)
な
汽罐車
(
きかんしゃ
)
に
傷
(
きず
)
つけられたこと、
太陽
(
たいよう
)
が、これまでというものは、
毎日
(
まいにち
)
、
毎日
(
まいにち
)
、
用捨
(
ようしゃ
)
なく、
頭
(
あたま
)
から
照
(
て
)
りつけたことなどを
話
(
はな
)
しました。
負傷した線路と月
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すずめは、つくづく
寒気
(
かんき
)
というものを
情
(
なさ
)
けなしな、
冷酷
(
れいこく
)
なものだと
思
(
おも
)
いました。
春になる前夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そう
思
(
おも
)
うと、いい
知
(
し
)
れぬ
不快
(
ふかい
)
を、だれがしたか、この
残忍
(
ざんにん
)
な
行為
(
こうい
)
から
感
(
かん
)
じられました。
生
(
い
)
きている
鳥
(
とり
)
を
本位
(
ほんい
)
にして、かえって、
無理
(
むり
)
に
鳥
(
とり
)
を
小
(
ちい
)
さくしようとする、
冷酷
(
れいこく
)
さを
思
(
おも
)
わずにいられません。
自由
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
冷酷
(
れいこく
)
にも、こんなことまでいいました。
黒い旗物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“冷酷”の解説
冷酷
(出典:Wikipedia)
冷
常用漢字
小4
部首:⼎
7画
酷
常用漢字
中学
部首:⾣
14画
“冷酷”で始まる語句
冷酷無慙