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假令
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たとへ
ふりがな文庫
“
假令
(
たとへ
)” の例文
新字:
仮令
私は家へ行く別の道を知つてゐる。だが、
假令
(
たとへ
)
私が二十も道を知つてゐたにしろ、もう何にもならなかつた。彼が私を見附けたのである。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
上げ此事に付
假令
(
たとへ
)
如何樣の儀仰せ付らるゝ共
聊
(
いさゝ
)
か
相違
(
さうゐ
)
の儀申上ざるにより御取調べの程
偏
(
ひと
)
へに願ひ上奉つる尤も證據人忠兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
假令
(
たとへ
)
、私が死んだ翌る日、
他所
(
よそ
)
へ縁付いても不思議はないわけですが、私にして見れば、同じ破談にするにしても、せめて半歳待つて貰つて
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
假令
(
たとへ
)
食ふ物をすこしぐらゐ減らしてまでも、着る方に浮身をやつすといふ人さへある。それを思ふといぢらしい。
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
泉先生の場合に於ては、
假令
(
たとへ
)
神を描いても、その神は昔話の神ではなくて、吾等と共に存在する神なのだ。
貝殻追放:017 泉鏡花先生と里見弴さん
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
▼ もっと見る
假令
(
たとへ
)
獄衣を身に纒ふやうな恥づかしめを受けようと、レエイプしてもとまで屡思ひ詰めるのだつた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
銛は
鋭
(
するど
)
き
尖端
(
せんたん
)
と槍の如き
柄
(
え
)
とより成る物なるが魚の力
強
(
つよ
)
き時は
假令
(
たとへ
)
骨に
刺
(
さ
)
さりたるも
其儘
(
そのまま
)
にて水中深く入る事も有るべく、又漁夫が
誤
(
あやま
)
つて此道具を
流
(
なが
)
す事も有るべし。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
文學と人生との接近といふ事から見れば、
假令
(
たとへ
)
此の運動にたづさはらなかつた如何なる作家と雖も、遂に此運動を惹起したところの時代の精神に司配されずにゐる事は出來なかつた。
硝子窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其處
(
そこ
)
には
假令
(
たとへ
)
重量
(
ぢゆうりやう
)
が
加
(
くは
)
へられても、それは
巧
(
たくみ
)
に
疲
(
つか
)
れて
眠
(
ねむ
)
い
父母
(
ちゝはゝ
)
の
耳
(
みゝ
)
を
欺
(
あざむ
)
くのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此子
(
これ
)
が頭に
拳
(
こぶし
)
一つ當てたる奴は、
假令
(
たとへ
)
村長どのが息子にもせよ理非はとにかく相手は我れと力味たつ無法の振舞漸くつのれば、もとより水呑百姓の痩田一枚もつ身ならぬに、憎くき
老耄
(
おひぼれ
)
が根生骨
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それから後は
假令
(
たとへ
)
どんな貧弱な小屋でも結構ですから行かせて下さいまし——けれど、それ迄はどうか此處にお置きになつて下さいまし。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
見込で御頼みとあれば
假令
(
たとへ
)
親兄弟
(
おやきやうだい
)
たりとも義に依ては
急度
(
きつと
)
助太刀
(
すけだち
)
致すべしと言へば掃部は聞て
偖々
(
さて/\
)
頼母
(
たのも
)
しき御
心底
(
しんてい
)
感
(
かん
)
じ入たり
然樣
(
さやう
)
御座らば何を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
假令
(
たとへ
)
鼻が低いと言はれようが、瞼が高いと
調戲
(
からか
)
はれようが、女の身ながらに眼を見開くなら、この世に隱れてゐる寶と生命と幸福とが得られるといふこゝろもちを
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
假令
(
たとへ
)
言議を試みる者があるにしても、責任を以て國家を非常の運命に導いた爲政者にはもうそんな事に耳を傾けてゐる事が出來ない。是が非でも遣る處までは遣り通さなければならぬ。
大硯君足下
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
假令
(
たとへ
)
一度は勘當になつても、私に取つても
從兄弟
(
いとこ
)
ではあり、何んとか身の立つやうにしてやらうと、私も精一杯心掛けては居りますが、困つたことに、その從兄弟の吉太郎が歸つて來てから
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「でもね、
假令
(
たとへ
)
、子供が出來たとしても、戸籍のことはどうしたらいゝでせう。わたし、自分の可愛い子供に私生兒なんていふ暗い運命は荷なはせたくないの。それこそ死ぬより辛いことですわ」
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
假令
(
たとへ
)
身
(
み
)
にかへ
命
(
いのち
)
にかへても
盡
(
つ
)
くし
參
(
まゐ
)
らする
心
(
こゝろ
)
なるを、よしなき
御遠慮
(
ごゑんりよ
)
はお
置
(
お
)
き
下
(
くだ
)
されたしと
恨
(
うら
)
み
顏
(
がほ
)
なり、これ
程
(
ほど
)
までに
思
(
おも
)
ひくるゝ、
其心
(
そのこゝろ
)
知
(
し
)
らぬにも
有
(
あ
)
らぬを、この
頃
(
ごろ
)
の
不愛想
(
ぶあいさう
)
我
(
わ
)
が
心
(
こゝろ
)
の
悶
(
もだ
)
ゆるまゝに
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
次にそのほかの點でも、
假令
(
たとへ
)
あなたが男性の活溌な
頭腦
(
あたま
)
を持つてゐるとしても、あなたの
心臟
(
こゝろ
)
は女性ですよ、だから——それでは駄目です。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
固
(
かた
)
め種々に
思案
(
しあん
)
を
廻
(
めぐら
)
し
如何
(
いか
)
にも天一坊
怪敷
(
あやしき
)
振舞
(
ふるまひ
)
なれば是非とも再吟味せんものと思へど御重役方は取上られず此上は是非に及ばず
假令
(
たとへ
)
此身は
御咎
(
おとがめ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
父
(
とう
)
さんの
幼少
(
ちひさ
)
い
時
(
とき
)
のやうに
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
に
育
(
そだ
)
つた
子供
(
こども
)
は、めつたに
翫具
(
おもちや
)
を
買
(
か
)
ふことが
出來
(
でき
)
ません。
假令
(
たとへ
)
、
欲
(
ほ
)
しいと
思
(
おも
)
ひましても、それを
賣
(
う
)
る
店
(
みせ
)
が
村
(
むら
)
にはありませんでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
人に物を贈らうとするのに、一時に多く贈らうと思ふことは反つてよくない、
假令
(
たとへ
)
少しづゝでもその折にふれて何度にも贈れといふことが、翁の書いたものに見える。
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
假令
(
たとへ
)
金錢は僅かでも、私には全く左樣いふ心を起したことが無いとは言へないのですから。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
假令
(
たとへ
)
その
土地
(
とち
)
が、どんな
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
でありましても、そこで
今度
(
こんど
)
、
父
(
とう
)
さんは
自分
(
じぶん
)
の
幼少
(
ちひさ
)
い
時分
(
じぶん
)
のことや、その
子供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
に
遊
(
あそ
)
び
廻
(
まは
)
つた
山
(
やま
)
や
林
(
はやし
)
のお
話
(
はなし
)
を一
册
(
さつ
)
の
小
(
ちひ
)
さな
本
(
ほん
)
に
作
(
つく
)
らうと
思
(
おも
)
ひ
立
(
た
)
ちました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
假
部首:⼈
11画
令
常用漢字
小4
部首:⼈
5画
“假”で始まる語句
假
假初
假面
假名
假借
假聲
假寢
假病
假牢
假名文字