保養ほやう)” の例文
月夜つきよなんざ、つゆにもいろそまるやうに綺麗きれいです……おかげかうむつて、いゝ保養ほやうをしますのは、手前てまへども。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つて、折角せつかく保養ほやうつた轉地先てんちさきからいまかへつてたばかりのをつとに、かないまへよりかへつて健康けんかうわるくなつたらしいとは、どく露骨ろこつはなにくかつた。わざと活溌くわつぱつ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
廣小路ひろこうぢよりながむるに、石段いしだんのぼひとのさま、さながらありとうつるがごとく、はな衣類きもの綺羅きらをきそひて、こゝろなくには保養ほやうこのうへ景色けしきなりき
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一五〇やや日出づると見て、いそぎ山をくだり、みやこにかへりて一五一薬鍼やくしん保養ほやうをなしける。
「あんな野郎だ、——でも、お前もたまの保養ほやうだ、行つて來るが宜い。とても、八五郎親分ほどの睨みはきくめえが、お前の叔母さんにも御無沙汰して居るから、俺が時々のぞいてやるよ」
戸外おもてへ伴ひ出し保養ほやうをさせて下されといへば忠兵衞心得て主個あるじの前を退出まかりいでけり其年もはや彌生の初旬木々きゞこずゑはな咲出さきいで徐々そよ/\と吹く春風も自然おのづからなる温暖さ然ども息子せがれ長三郎は例の如く籠りゐる障子しやうじ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これはもう周圍まはりものうよりみとめてゐるところで、只今たゞいまもドクトル、エウゲニイ、フエオドロヰチがふのには、貴方あなた健康けんかうためには、すべから氣晴きばらしをして、保養ほやうせん一とんければならんと。これ實際じつさいです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
おもふと、やがて保養ほやうとあつて、實家方さとかたへ、かへつたのである。が、あはれ、婦人ふじん自殺じさつした。それはむかし、さりながら、田舍ゐなかものの※々づう/\しいのは、いまなによりも可恐おそろしい。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いくら保養ほやうでも、うちかへると、すこしは氣疲きづかれるものよ。けれども貴方あなたあんまり爺々汚ぢゞむさいわ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
自分じぶん氣晴きばらしや保養ほやうや、娯樂ごらくもしくは好尚かうしやういてゞすら、斯樣かやう節儉せつけんしなければならない境遇きやうぐうにある宗助そうすけが、小六ころくためつくさないのは、つくさないのではない、あたまつく餘裕よゆうのないのだとは
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)