上等じやうとう)” の例文
エイフツドクハク伊等イとう各國かくこく上等じやうとう船客せんきやくいづれも美々びゞしき服裝ふくさうして着席ちやくせきせる其中そのなかまじつて、うるはしき春枝夫人はるえふじん可憐かれん日出雄少年ひでをせうねんとの姿すがたえた。
唐縮緬たうちりめん近頃ちかごろぢややすくなつたから一しやく十二三錢位せんぐらゐのものかね、上等じやうとうで十四五せんしかしないだらうね」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
なんとふことだ。天氣てんき上等じやうとうのとほりの青空あをぞらだ。かうして自分じぶん荷車にぐるまにのせられ、そのうへにこれはまたほか獸等けものら意地いぢめられないやうに、用意周到よういしうとうなこの駕籠かご
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
しぶひにときかすりでもつて吹矢ふきや一本いつぽんあたりをるのがうんさ、おまへさんなぞは以前もと立派りつぱひとだといふからいま上等じやうとううん馬車ばしやつてむかひにやすのさ
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
われ三等さんとう弟子でしあり。所謂いはゆる猛烈まうれつにして諸縁しよえん放下はうげし、專一せんいつ己事こじ究明きうめいするこれ上等じやうとうづく。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今時いまどきバアで醉拂よつぱらつて、タクシイに蹌踉よろんで、いや、どツこいとこしれると、がた、がたんとれるから、あしひきがへるごと踏張ふんばつて——上等じやうとうのはらない——屋根やねひくいからかゞごしまなこゑて
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
月兎ぐわつうさぎ時計とけいつて物思ものおもはしげにそれをながめました、それからかれはそれを茶碗ちやわんなかひたしてまたそれをてゐました、しかかれ自分じぶん最初さいしよつた『それは上等じやうとう牛酪バターでした』と言葉ことばよりほかなに
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
うそではないよ何時いつかおまへつたとほ上等じやうとううん馬車ばしやつてむかひにたといふさわぎだから彼處あすこうらにはられない、きつちやんそのうちに糸織いとおりぞろひを調製こしらへてあげるよとへば、いや
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『それは上等じやうとう牛酪バターでした』と三月兎ぐわつうさぎおとなしやかにこたへました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)