“駝鳥:だちょう” の例文
“駝鳥:だちょう”を含む作品の著者(上位)作品数
夏目漱石3
有島武郎2
正岡子規2
海野十三2
芥川竜之介2
“駝鳥:だちょう”を含む作品のジャンル比率
哲学 > キリスト教 > 聖書16.7%
文学 > フランス文学 > 評論 エッセイ 随筆14.3%
社会科学 > 社会科学 > 論文集・評論集・講演集5.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
私は自分の心を沙漠さばくの砂の中に眼だけを埋めて、猟人から己れの姿を隠しおおせたと信ずる駝鳥だちょうのようにも思う。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
と思うと先生の禿げ頭も、下げる度に見事な赤銅色しゃくどういろの光沢を帯びて、いよいよ駝鳥だちょうの卵らしい。
毛利先生 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
駝鳥だちょうのような彼の胃のは、石だろうが、青錆のついた古銅貨だろうが、わけなく消化するに違いない。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
このあわれな人たちは、脅かされてることを感じながらも、好んで駝鳥だちょう真似まねをしていた。
「先日、あちらからお持ちかえりになりました、アノ駝鳥だちょうの卵ほどある卵でございますが……」
(新字新仮名) / 海野十三(著)
処女マリアの彫像の眼は駝鳥だちょうの胃の腑をいて取ったという自然のダイヤがいれてあった。
バットクラス (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
私への土産は、駝鳥だちょうの羽を赤と黒とに染めたのを、幾本か細いブリキの筒へ入れたのです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
彼はびっこ駝鳥だちょうなれども、なお万里の平沙へいさはしらんとする雄気あり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
梅花うつぎと巻貝とが煖炉だんろの棚をかざり、その上には色さまざまな鳥の卵が紐に通してさげてあって、大きな駝鳥だちょうの卵が部屋の中央にさがっていた。
駝鳥だちょう羽扇おおぎが、けだるそうにゆらりと揺れて、香料の風を送る。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
助手がさきほども、駝鳥だちょうのような卵といったが、全くそれくらいもあろう。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
帽子の上にほとんどまっすぐに立っている小さな駝鳥だちょうの羽根飾りは、彼女が勤めるようになってからザムザ氏が腹を立てていたものだが、それが緩やかに四方へゆれている。
変身 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
駝鳥だちょうの白い毛が鼻の先にふらついて、品のいい香りがぷんとする。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
高価な毛皮で縁どった天鵞絨びろうどの服や、レエスの着物や、刺繍のある衣服や、駝鳥だちょうの羽根で飾った帽子——てんの皮の外套がいとう、それから小さな手袋、手巾ハンケチ
駝鳥だちょうの眼は遠くばかり見てゃないか。
ぼろぼろな駝鳥 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
鶏の卵大の大きさから、家鴨あひるの卵大の大きさとなり、それからぐんぐんふくらんで、駝鳥だちょうの卵大の大きさとなり、それからまだまだふくれて、さあ飛行機の卵大の大きさとなっていった。
大宇宙遠征隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何が面白おもしろくて駝鳥だちょううのだ。
ぼろぼろな駝鳥 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
駝鳥だちょう襟巻ボーアに似ているでしょう」
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また、かのアラビア人のごとく熱天爍地ねつてんれきち、一木一草もその自由豊美なる生長をなすあたわず、駝鳥だちょうの伴侶となり、駱駝らくだの主人となり、沙漠より出でて沙漠に入るにもあらず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
土人がいろいろの物を売りに来る。駝鳥だちょうの卵や羽毛、羽扇、藁細工わらざいくのかご、貝や珊瑚さんごの首飾り、かもしかのつのふか顎骨がくこつなどで、いずれも相当に高い値段である。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
癈兵はいつか駝鳥だちょうに変っている。
浅草公園:或シナリオ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
一、動物園の獅子及び駝鳥だちょう
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
駝鳥だちょう
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
さて、私はなにげなく象と駝鳥だちょうの置物二つを買って、マダムのもとへ持って行ったところが、はじめは大喜びでうれしそうに早速その紙包みを解いたが、中から最初に駝鳥が出るやいなや、マダムは一目見たばかりで、これはとばかりにオッたまげた。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
で、葉子は長椅子の下から、木村の父が使い慣れた古トランク——その上に古藤が油絵の具でY・Kと書いてくれた古トランクを引き出して、その中から黒い駝鳥だちょうの羽のボアを取り出して、西洋臭いそのにおいを快く鼻に感じながら、深々と首を巻いて、甲板に出て行って見た。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
大小無数の水禽すいきんのさざめき、蛇のように、長いくびをくねらして小さなえさをさがしてはついばんでいる駝鳥だちょうおりの外には人間どもが、樹陰こかげのベンチの上に長々と寝そべったり、のろまな足どりで檻から檻へと足をきずったりしている。
動物園の一夜 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
この子供等を側に置いて岸本は自分の遍歴して来た港々の奇異な土人の風俗や、熱帯の植物や、わに駝鳥だちょう山羊やぎ鹿しか斑馬しまうま、象、獅子しし、その他どれ程の種類のあるかも知れないような毒蛇や毒虫の実際に棲息せいそくする地方のことを話し聞かせた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
次にはからすを挙げ、三十九章に入りては山羊やぎ牝鹿めしか野驢馬のろばのうし(野牛すなわち野生の牛)、駝鳥だちょうたかわしを挙げておのおの特徴を述べ、神の与えし智慧ちえによる各動物の活動を記して、人智のこれに関与し得ぬ弱さを示しておる。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
稜錐塔ピラミッドの空をく所、獅身女スフィンクスの砂を抱く所、長河ちょうが鰐魚がくぎょを蔵する所、二千年の昔妖姫ようきクレオパトラの安図尼アントニイと相擁して、駝鳥だちょう翣箑しょうしょうに軽く玉肌ぎょっきを払える所、は好画題であるまた好詩料である。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昨年見た「流行の王様」という映画にも黒白の駝鳥だちょう羽団扇はうちわを持った踊り子が花弁の形に並んだのを高空から撮影したのがあり、同じような趣向は他にもいくらもあったようであるが、今度の映画ではさらにいろいろの新趣向を提供して観客の興味を新たにしようと努力した跡がうかがわれる。
映画雑感(Ⅳ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
鏡の中に映っている客の姿が、こちらへは僅に横顔しか見せていないにも関らず、あの駝鳥だちょうの卵のような、禿げ頭の恰好と云い、あの古色蒼然としたモオニング・コオトの容子ようすと云い、最後にあの永遠に紫な襟飾ネクタイの色合いと云い、わが毛利もうり先生だと云う事は、一目ですぐに知れたからである。
毛利先生 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
今日も雨が降るので人は来ず仰向あおむけになつてぼんやりと天井を見てゐると、張子はりこの亀もぶら下つてゐる、すすきの穂の木兎みみずくもぶら下つてゐる、駝鳥だちょうの卵の黒いのもぶら下つてゐる、ぐるりの鴨居かもいには菅笠すげがさが掛つてゐる、みのが掛つてゐる、ひさごの花いけが掛つてゐる。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)