“安図尼”の読み方と例文
読み方割合
アントニイ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
沙翁シェクスピヤいた所をわたしが評したのです。——安図尼アントニイ羅馬ロウマでオクテヴィアと結婚した時に——使のものが結婚の報道しらせを持って来た時に——クレオパトラの……」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
女王の該撒シイザアに送れるふみに云う。願わくは安図尼アントニイと同じ墓にわれをうずめたまえと。無花果いちじくの繁れる青き葉陰にはナイルのつちほのおしたを冷やしたる毒蛇どくだを、そっと忍ばせたり。該撒シイザアの使は走る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
稜錐塔ピラミッドの空をく所、獅身女スフィンクスの砂を抱く所、長河ちょうが鰐魚がくぎょを蔵する所、二千年の昔妖姫ようきクレオパトラの安図尼アントニイと相擁して、駝鳥だちょう翣箑しょうしょうに軽く玉肌ぎょっきを払える所、は好画題であるまた好詩料である。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)