トップ
>
頭腦
>
あたま
ふりがな文庫
“
頭腦
(
あたま
)” の例文
新字:
頭脳
次に質問されたのは「好きからに文筆を弄んでゐるのか或は本職的に沒頭してゐるのか」といふ
頭腦
(
あたま
)
の古い連中のおきまり文句である。
貝殻追放:007 愚者の鼻息
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
そこで私は、私の
頭腦
(
あたま
)
に、その返答を速く探せ、と命令した。
頭腦
(
づなう
)
は、次第に
速
(
はや
)
く働き出した。私は、頭にも
顳顬
(
こめかみ
)
にも脈打つのを感じた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
日本人の國民的性格といふ問題に考へを費すことを好むやうになつた近頃の私の
頭腦
(
あたま
)
では、此事件を連想する事が必ずしも無理でなかつた。
我が最近の興味
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
文藝春秋といふ雜誌は、文壇稀れに見る「
頭腦
(
あたま
)
の好い雜誌」であつて、編輯がキビキビとして居り、詰將棋の名手を見るやうな痛快さがある。
常識家の非常識
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
靈と肉との表裏ある
淡紅色
(
ときいろ
)
の窓のがらすにあるかなきかの疵を
發見
(
みつ
)
けた。(重い
頭腦
(
あたま
)
の上の水甕をいたはらねばならない)
聖三稜玻璃:02 聖三稜玻璃
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
▼ もっと見る
頭腦
(
あたま
)
をも絶對に休めてゐようと思つてゐるのだが、しかし、生きてゐる限りは何かかにか、心に浮んで仕方がない。
軽井沢より:〔小川未明君へ。〕
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
しばらく忘れて居てめつたに
平素
(
ふだん
)
思出さないやうなことが、しかも一部分だけ妙に私の
頭腦
(
あたま
)
の中に光つて來ました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
頭腦
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
を
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
にこしらへて一
軒
(
けん
)
ごとの
格子
(
かうし
)
に
烟草
(
たばこ
)
の
無理
(
むり
)
どり
鼻紙
(
はながみ
)
の
無心
(
むしん
)
、
打
(
う
)
ちつ
打
(
う
)
たれつ
是
(
こ
)
れを一
世
(
せ
)
の
譽
(
ほまれ
)
と
心得
(
こゝろゑ
)
れば、
堅氣
(
かたぎ
)
の
家
(
いゑ
)
の
相續息子
(
そうぞくむすこ
)
地廻
(
ぢまわ
)
りと
改名
(
かいめい
)
して
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さて、
此樣
(
このやう
)
な
行裝
(
ぎゃうさう
)
で、
彼奴
(
きゃつ
)
が
毎夜々々
(
まいよ/\
)
、
戀人共
(
こひびとども
)
の
頭腦
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
を
馳𢌞
(
かけまは
)
ると、それが
忽
(
たちま
)
ち
種々
(
さま/″\
)
の
夢
(
ゆめ
)
となる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
勘次
(
かんじ
)
はそれを
凝視
(
みつ
)
めて
行
(
ゆ
)
くと
何
(
なん
)
だか
頭腦
(
あたま
)
がぐら/\するやうに
感
(
かん
)
ぜられた。
彼
(
かれ
)
は
昨夜
(
ゆふべ
)
は
眠
(
ねむ
)
らなかつた。
彼
(
かれ
)
の
自分
(
じぶん
)
獨
(
ひとり
)
で
噛
(
か
)
み
殺
(
ころ
)
して
居
(
ゐ
)
ねばならぬ
忌々敷
(
いま/\し
)
さが
頭腦
(
あたま
)
を
刺戟
(
しげき
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
人間業とは思へぬ
巧妙精緻
(
かうめうせいち
)
な風太郎の手口を見ると、決して二人や三人の仕事ではなく、異常な
頭腦
(
あたま
)
と體力を持つたたつた一人の仕業に相違ないといふことがよくわかります。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その明るさが室の内を照らし出すと、幾分
頭腦
(
あたま
)
も
明瞭
(
はつきり
)
したやうで
先刻
(
さつき
)
途中で買つて來た菓子の袋を袂から取り出して茶道具を引寄せた。そして自分は湯を貰ひに二階から勝手に降りた。
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
松公は
此
(
この
)
四五日、姿も見せない。お大は
頭腦
(
あたま
)
も體も燃えるやうなので、
宅
(
うち
)
に
熟
(
じつ
)
としてゐる瀬はなく、毎日ぶら/\と
其處
(
そこ
)
ら中
彷徨
(
うろつ
)
きまはつて、
妄濫
(
むやみやたら
)
と行逢ふ人に突かゝつて喧嘩を
吹
(
ふつ
)
かけて居る。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
幼いわたしの
頭腦
(
あたま
)
にはこの話が非常に興味あるものとして刻み込まれた。
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
情と熱に富む士には、計数の
頭腦
(
あたま
)
が
乏
(
とぼ
)
しいものである。計数の才に富む者には、義や忠誠は知っても、進んで死地へ飛び込むような断がない。勇がない。実行力に欠けているのがふつうである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さうして、その清水に浸つてゐる樣な明らかな
頭腦
(
あたま
)
の中に
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
何時
(
いつ
)
しか暗い
陰影
(
かげ
)
が
頭腦
(
あたま
)
に
擴
(
はびこ
)
つて來る。私は、
恁
(
か
)
うして何處へといふ確かな
目的
(
あて
)
もなく、外套を
引被
(
ひつか
)
けて外へ飛び出して了ふ。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
次にそのほかの點でも、
假令
(
たとへ
)
あなたが男性の活溌な
頭腦
(
あたま
)
を持つてゐるとしても、あなたの
心臟
(
こゝろ
)
は女性ですよ、だから——それでは駄目です。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
雜誌新聞に衆をたのんで筆陣を張る
頭腦
(
あたま
)
の惡い派に云はせると、「藝術座」などの役者達に比べて本來理解力の少ないものと看做され勝であつたが
貝殻追放:012 向不見の強味
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
一風呂浴びて日の暮れゆけば突かけ下駄に七五三の着物、何屋の店の
新妓
(
しんこ
)
を見たか、金杉の糸屋が娘に似て最う一倍鼻がひくいと、
頭腦
(
あたま
)
の中を此樣な事にこしらへて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ガラツ八の報告を聽くと、平次の
頭腦
(
あたま
)
はいろ/\に働きます。此事に南部家は關係して居ないやうにも思はれますが、若し關係があるものとすれば、櫻庭兵介は日本一の喰はせ者です。
銭形平次捕物控:025 兵粮丸秘聞
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其日、吾儕の
頭腦
(
あたま
)
の
内
(
なか
)
は朝から出逢つた種々雜多な人々で充たされて居た。咄嗟に過ぎる影、人の息、髮のにほひ——汽車中のことを考えると、都會の空氣は何處迄も吾儕から離れなかつた。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
其麽
(
そんな
)
時は、
恰度
(
ちやうど
)
、空を行く雲が、明るい
頭腦
(
あたま
)
の中へサッと暗い影を落した樣で、目の前の人の顏も、原稿紙も、何となしに
煤
(
くす
)
んで、曇つて見える。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
これは吉村忠雄氏又は次郎生の文藝觀で、如何に大人といふものは
頭腦
(
あたま
)
の惡いものであるかを證明してゐる。
貝殻追放:007 愚者の鼻息
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
いろいろの事が疊まつて
頭腦
(
あたま
)
の中がもつれて仕舞ふから起る事、我れは氣違ひか熱病か知らねども正氣のあなたなどが
到底
(
とても
)
おもひも寄らぬ事を考へて、人しれず泣きつ笑ひつ
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「あの人は殆んど口を
利
(
き
)
きませんの。云ふことと云つたらいつも要領を得てゐますのよ。隨分
頭腦
(
あたま
)
のいゝ方ですわ。まあどつちかと云へば感じ易い方ぢやなくて、強い方だと思ひますね。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
頭腦
(
あたま
)
は
懵乎
(
ぼうつ
)
としてゐて、これといふ考へも浮ばぬ。話も興がない。耳の底には、まだ轟々たる都の轟きが鳴つてゐる。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
幾度も幾度も、此の問題を
頭腦
(
あたま
)
の中で繰返して居る間に、平生藝術家久保田君を見くびり勝な、其處いらに居る人間どものぼんくらと無禮が癪に障つて來た。
貝殻追放:015 「末枯」の作者
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
いろいろの
事
(
こと
)
が
疊
(
たゝ
)
まつて
頭腦
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
がもつれて
仕舞
(
しま
)
ふから
起
(
おこ
)
る
事
(
こと
)
、
我
(
わ
)
れは
氣違
(
きちが
)
ひか
熱病
(
ねつびよう
)
か
知
(
し
)
らねども
正氣
(
せうき
)
のあなたなどが
到底
(
とても
)
おもひも
寄
(
よ
)
らぬ
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へて、
人
(
ひと
)
しれず
泣
(
な
)
きつ
笑
(
わら
)
ひつ
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
誰やらに似た横顏はまだ
頭腦
(
あたま
)
の中に殘つてゐるやうだけれど、さて其誰やらが誰だか薩張當がつかない。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その癖
頭腦
(
あたま
)
が明敏で、三田のやうな
異種
(
かはりだね
)
を取扱ふこつも心得、又猩々だとか蟒だとか云はれる大酒飮みに似合はぬ親孝行兄弟おもひで、弟は東京の大學に通つてゐて
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
然しいくら考へたとて、私の
頭腦
(
あたま
)
は彼の言葉の味を味ふことが出來なかつた。「何して斯う自分を虐めてるんだらう? たゞこんなことを言つて見るのか知ら?」
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
いかに憎惡の念の熾烈に現れてゐるかは
頭腦
(
あたま
)
の惡い派にはわからないのであらうか。
貝殻追放:012 向不見の強味
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
以上二つの舊知の名が、
端
(
はし
)
なく我
頭腦
(
あたま
)
の中でカチリと相觸れた時、其一刹那、或る莊嚴な、金色燦然たる一光景が、電光の如く湧いて自分の兩眼に立ち塞がつた。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
これは
頭腦
(
あたま
)
が惡いなと思つた。
貝殻追放:012 向不見の強味
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
聞く人は唯もう目を
睜
(
みは
)
つて、夜も晝もなく渦卷く火炎に包まれた樣な、凄じい程な華やかさを漠然と
頭腦
(
あたま
)
に描いて見るに過ぎなかつたが、淺草の觀音樣に鳩がゐると聞いた時
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其日は一日、
可成
(
なるべく
)
くすんだ顏を人に見せまいと思つて、頻りに心にもない戲談を云つたが、
其麽
(
そんな
)
事をすればする程、
頭腦
(
あたま
)
が暗くなつて來て、筆が溢る、無暗矢鱈に二號活字を使ふ。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
朝起きて先づ我々の
頭腦
(
あたま
)
に上る問題は、如何に明日の新聞を作るべきかといふ事であつて、如何に其の一日を完成すべきかといふ事では無い。我々の生活は實にただ明日の準備である。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
二人は、まだ
頭腦
(
あたま
)
の中が
全然
(
すつかり
)
覺めきらぬ樣で、
呆然
(
ぼんやり
)
として、段々後ろに遠ざかる村の方を見てゐたが、道路の兩側はまだ左程古くない松並木、曉の冷さが爽かな松風に流れて、叢の蟲の音は細い。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
腦
部首:⾁
13画
“頭腦”で始まる語句
頭腦的
頭腦賛助