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隠岐
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おき
ふりがな文庫
“
隠岐
(
おき
)” の例文
旧字:
隱岐
鹿角
(
かづの
)
郡のユルギがあり、福島県では
石城
(
いわき
)
郡のイルギ、
最上
(
もがみ
)
や
会津
(
あいづ
)
や
相州
(
そうしゅう
)
浦賀等のユルギのほかに、飛んで
隠岐
(
おき
)
五箇浦
(
ごかのうら
)
のエリリがある。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その後は都から影を絶ってしまって、消息は不明である。元弘二年、後醍醐天皇の
隠岐
(
おき
)
遷幸の年、七十九歳をもって世を去った。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
京都嵐山の
隠岐
(
おき
)
和一の別宅にまづ落付いて以来、一切の読書に感興を失つた私が然し葛巻に乞ふてこの一巻のみ送りとどけてもらひました。
女占師の前にて
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
いや、承久ノ乱には、
後鳥羽院
(
ごとばのいん
)
を
隠岐
(
おき
)
へ、順徳上皇を佐渡ヶ島へ、ほか親王方をも、
仮借
(
かしゃく
)
なく牢舎にした北条氏の先例もある。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
隠岐
(
おき
)
にももう一度行きたい。そして今度は
大満寺山
(
だいまんじやま
)
あたりまで登つて見たい。
石見
(
いはみ
)
も
三瓶
(
さんべ
)
に登つて、そこからすつと下りて、
断魚渓
(
だんぎよけい
)
に行つて見たい。
行つて見たいところ
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
▼ もっと見る
陰謀は発覚して、天皇は、
隠岐
(
おき
)
の島に流された。天皇は権力者ではなく、権力にたいする犯罪人であったのである。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
宇野は
隠岐
(
おき
)
の島出身、つまり日本海である。すると、太平洋のタコは白好きで、日本海のタコは赤好きなのか。
ゲテ魚好き
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
それから神田の商家、
鍛冶橋
(
かじばし
)
御門の中の松平
隠岐
(
おき
)
邸と、次つぎに八カ所回診したが、その途中、歩いているあいだは休みなしに、登に向かって話し続けた。
赤ひげ診療譚:05 徒労に賭ける
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
人狐の迷信は
出雲
(
いずも
)
に限るが、その余波が
隠岐
(
おき
)
に及ぼし、隠岐の前後二島中、島前には盛んに行われ、その影響が政党にまで関係するに至るとのことである。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
伝馬は、
仙台
(
せんだい
)
沖の
鰹舟
(
かつおぶね
)
で鍛え上げた三上がともを押して、小倉が日本海
隠岐
(
おき
)
で鍛えた腕で、わきを押した。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
あの「霧に
漕
(
こ
)
ぎ入るあまのつり舟」という
明石
(
あかし
)
の
浦
(
うら
)
の御歌や「われこそは
新島守
(
にいしまもり
)
よ」という
隠岐
(
おき
)
のしまの御歌などいんのおよみになったものにはどれもこれもこころを
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
もと
隠岐
(
おき
)
の島におりましたうさぎでございますが、この本土へ
渡
(
わた
)
ろうと思いましても、渡るてだてがございませんものですから、海の中のわにをだまして、いったい
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
それからおなじみの大器量人
松平伊豆守
(
まつだいらいずのかみ
)
、つづいて
勢州松平
(
せいしゅうまつだいら
)
、
隠岐
(
おき
)
松平、
出雲
(
いずも
)
松平などの十八ご連枝、それに
井伊
(
いい
)
本多、
酒井榊原
(
さかいさかきばら
)
の徳川四天王をはじめ二十三家の譜代大名。
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
壱岐
(
いき
)
の国の八方里半というのを筆頭に、
隠岐
(
おき
)
の国が二十一方里、
和泉
(
いずみ
)
の国が三十三方里という計算を間違いのないものとすれば、第四番目に位する小国がすなわちこの安房の国であります。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
うむ、すると戦艦淡路、
隠岐
(
おき
)
、佐渡、大島や、航空母艦の赤竜、紫竜、黄竜などというところがわれわれを待っているわけだね。相手の勢力は二分されたといっても、これは相当な強敵だ。
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
堀長門から
素袍
(
すおう
)
橋、采女の馬場へかかったかと思うと、西尾
隠岐
(
おき
)
中屋敷へ近い木挽町三丁目のある路地口の
素人家
(
しもたや
)
、これへお糸がはいるのを見届けてからさり気なく前を通ると、お糸の声で
釘抜藤吉捕物覚書:09 怨霊首人形
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
山陰道
(
さんいんどう
)
は
丹波
(
たんば
)
、
丹後
(
たんご
)
、
但馬
(
たじま
)
、
因幡
(
いなば
)
、
伯耆
(
ほうき
)
、
出雲
(
いずも
)
、
石見
(
いわみ
)
の七ヵ国でこれに
隠岐
(
おき
)
の島が加わります。県は主として鳥取県と島根県とでありますが、東寄りの国々は京都府や兵庫県の一部を占めます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「
隠岐
(
おき
)
にご巡幸と事定まりまして、
御
(
おん
)
いたわしくも三月十七日に……」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
正成は赤坂城に天皇を迎へ奉るべき準備をしてゐたが、笠置山の間道を知つた賊兵は、夜中山上に達し、火を放つて猛攻したので、笠置は遂に陥り、天皇は北條氏の手に依つて
隠岐
(
おき
)
に
遷
(
うつ
)
され給うた。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
なおヒヨ・ヒョウという地名の盛んに分布するのは、山陰では
石見
(
いわみ
)
・
隠岐
(
おき
)
、南海では淡路・伊予・土佐である。日代・日余等の字を宛てている。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
隠岐
(
おき
)
へお
伴
(
とも
)
された。後村上天皇の御母儀。後皇后に昇られ、正平十四年四月二十九日
賀名生
(
あのう
)
で崩御。御年五十九。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
の詩を、かつて、
後醍醐
(
ごだいご
)
が
隠岐
(
おき
)
へながされる日の途中に、
御旅
(
みたび
)
の
行宮
(
あんぐう
)
の庭に、目に見て引っ返したあの高徳だ。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一つには、「大庭
隠岐
(
おき
)
守種景之墓」——慶長年間、高塔山の頂上に城を築いていたという若松城主の碑。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
始め
隠岐
(
おき
)
和一の嵐山の別宅へ行つたが、のち、隠岐の探してくれた伏見のしもたやの二階へ移つた。
囲碁修業
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
最近に
隠岐
(
おき
)
に行つて見ましたがね。あそこは面白いところですね。避暑に出かけて行つても、一月ぐらゐ落附いてゐる気なら、却つて東京近所にゐるよりも好いでせうね。
談片
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
貉
(
むじな
)
にだまされまた憑かれるといい、
隠岐
(
おき
)
にてはもっぱら猫につきてかく申すとのことである。
迷信解
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
まずいちばんさきに
淡路島
(
あわじしま
)
をおこしらえになり、それから
伊予
(
いよ
)
、
讃岐
(
さぬき
)
、
阿波
(
あわ
)
、
土佐
(
とさ
)
とつづいた四国の島と、そのつぎには
隠岐
(
おき
)
の島、それから、そのじぶん
筑紫
(
つくし
)
といった今の九州と、
壱岐
(
いき
)
、
対島
(
つしま
)
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
後年幕府追討のはかりごとにやぶれさせ給い
隠岐
(
おき
)
のしまに十九年のうきとしつきをお送りなされて波のおと風のひびきにありし日のえいがをしのんでいらしった時代にももっともしげく御胸の中を
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ナニ
隠岐
(
おき
)
へ? 遠い島へか」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
エノコ
隠岐
(
おき
)
の
島前
(
どうぜん
)
では
葛
(
くず
)
の根をエノコという(昔話研究一巻九号)。この名称は他の地方ではまだ聴かない。
食料名彙
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
一子十兵衛
光慶
(
みつよし
)
が留守している筈と思われたが、それも見あたらなかった。老臣
隠岐
(
おき
)
五郎兵衛は前日病死していた。そのほかこれという程な将士もいない。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とにかく
隠岐
(
おき
)
和一を訪ね、部屋でも探してもらって、孤独の中で小説を書きあげるつもりであった。
日本文化私観
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
とにかくお手もとの御本は、院のお供をして、承久乱後
隠岐
(
おき
)
に移された。院はそれをもとにして、多くの歌を除かれ、
遥
(
はる
)
か歌数の少ない御本を作られ、それに
跋文
(
ばつぶん
)
を添えられた。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
また、
隠岐
(
おき
)
の知夫郡内に焼火山と名づくる山がある。その頂上に神社あって、毎年、旧暦
大晦日
(
おおみそか
)
には千人ぐらいの登山者ある由なるが、その夜は海上より灯明が山上に向かって登り来るとのことだ。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
「それはいかんな。お大事になされよ。この道誉も、先帝のお身柄を、
隠岐
(
おき
)
ノ
判官
(
ほうがん
)
に渡してさえしまえば、身軽な旅。——帰途にでもまた、お訪ねください」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
隠岐
(
おき
)
の合物船のことは『太平記』の御船出の条で有名である。
食料名彙
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
隠岐
(
おき
)
和一の話(これが時々大いに
当
(
あて
)
にならないのだが)
探偵の巻
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
それは
隠岐
(
おき
)
ノ
判官
(
ほうがん
)
佐々木清高なのだった。何事か、幕府の召しによって、遠い島から急いで来たのらしい。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、あいにくこの私本太平記のうえでは、六百二十年前の歴史の
故事
(
ふるごと
)
ではあるが、
隠岐
(
おき
)
へ島流しとなる後醍醐天皇のみじめなくだりを次回から書かねばならない。
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飯尾
隠岐
(
おき
)
、下方左近
将監
(
しょうげん
)
などの老練の将は、藤吉郎の策を若い
逸
(
はや
)
り
気
(
ぎ
)
として、叱るが如く云った。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて、後醍醐天皇が
隠岐
(
おき
)
ノ
島
(
しま
)
へ流される日を読み越して、隠岐ノ島の観光面や有志の方々から連名で、書く前にぜひ一遊してほしいと、史料文献なども送ってよこされた。
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
毛利を
繞
(
めぐ
)
る
衛星
(
えいせい
)
としては、播州に
赤松
(
あかまつ
)
、
別所
(
べっしょ
)
があり、南部中国には
宇喜多
(
うきた
)
、北部の
波多野
(
はたの
)
一族などあって、その
勢力圏
(
せいりょくけん
)
は、
安芸
(
あき
)
、
周防
(
すおう
)
、
長門
(
ながと
)
、
備後
(
びんご
)
、
備中
(
びっちゅう
)
、
美作
(
みまさか
)
、
出雲
(
いずも
)
、
伯耆
(
ほうき
)
、
隠岐
(
おき
)
、
因幡
(
いなば
)
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここ十年来、
隠岐
(
おき
)
、
出雲
(
いずも
)
、
鳥取
(
とっとり
)
など、各地を転戦また流浪しつつ、つねに
寡兵
(
かへい
)
をもって毛利を苦しめ、旧主の尼子義久を、もう一度、世に出さんものと、涙ぐましき努力をいたしておりまする。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
承久の帝政回復の
覆
(
くつがえ
)
りから、時の北条義時のため、後鳥羽上皇は
隠岐
(
おき
)
ノ島へ、順徳、
土御門
(
つちみかど
)
の二上皇も佐渡や土佐へ流された——宮方敗戦の深刻な悪夢は、百年後の今も深くきざみ込まれている。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから
賤
(
しず
)
ヶ
嶽
(
たけ
)
七本槍のひとりにも名が見えるし、晩年には
出雲
(
いずも
)
、
隠岐
(
おき
)
の二ヵ国二十四万石を領し、六十九歳で世を終るまでの四十余年間というものは、戦場を
馳駆
(
ちく
)
して武名の聞えを取った人だが
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天皇は
隠岐
(
おき
)
の島にあり、皇子らも遠い配所の月だった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先主後醍醐は、
隠岐
(
おき
)
ノ島へ
遷
(
うつ
)
し奉るものとす。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——ただ
大甲斐
(
だいかい
)
の
隠岐
(
おき
)
ぞにごれる」
べんがら炬燵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『——ただ
大甲斐
(
おおがい
)
の
隠岐
(
おき
)
ぞにごれる』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先帝
(
せんてい
)
後醍醐
(
ごだいご
)
の
隠岐
(
おき
)
遠流
(
おんる
)
。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“隠岐”の意味
《固有名詞》
隠岐 (おき)
隠岐の島。島根県に属する。
隠岐の島におかれた令制国。
島根県隠岐郡隠岐の島町。
(出典:Wiktionary)
隠
常用漢字
中学
部首:⾩
14画
岐
常用漢字
小4
部首:⼭
7画
“隠岐”で始まる語句
隠岐守
隠岐島
隠岐遷
隠岐国
隠岐遷幸
隠岐遠流
隠岐配所
隠岐守定直
隠岐守松平定行