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阿呆
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あほ
ふりがな文庫
“
阿呆
(
あほ
)” の例文
「あなたって子は、ずいぶん
呑気
(
のんき
)
な、
阿呆
(
あほ
)
ったらしい子でしたがねえ、ええ、かなり大きくなったって、何だかぼんやりしてたわ。」
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「
女
(
おなご
)
ほど詰らんもんおへんな、ちょっとええ目させて
貰
(
もろ
)
たと
思
(
おも
)
たら十九年の辛棒や。
阿呆
(
あほ
)
らし! なんぼ
銭
(
ぜぜ
)
くれはってももう御免どす」
高台寺
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「何んやこんなもん、こんなとこへ持つて來るんやない。
彼方
(
あつち
)
へ置いといで、
阿呆
(
あほ
)
んだら。」と
稀
(
めづ
)
らしくお駒を叱つて、眼に
角
(
かど
)
立
(
た
)
てた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
私にお世辞使うためにちゃんと二人で相談しといていうてるのんか分れしませんし、相手になるだけ
阿呆
(
あほ
)
くさい思て黙ってますと
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
京の山水、江戸の山水の比較とも変りません。「
阿呆
(
あほ
)
言いなはれ」というは京の俳調であって、「何だ
此畜生
(
こんちくしょう
)
」というは江戸の俳調です。
俳句上の京と江戸
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
誰れがあんな
阿呆
(
あほ
)
らしいものを汽車賃まで使って描きに行ったのか、その心根がわからないではないかという事になったりする。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
この細君が後年息を引き取る時、亭主の坂田に「あんたも将棋指しなら、あんまり
阿呆
(
あほ
)
な将棋さしなはんなや」と言い残した。
可能性の文学
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
乳母 はて、お
前
(
まへ
)
は
阿呆
(
あほ
)
らしいお
人
(
ひと
)
ぢゃ、あのやうな
男
(
をとこ
)
を
選
(
えら
)
ばッしゃるとは
目
(
め
)
が
無
(
な
)
いのぢゃ。ロミオ! ありゃ
不可
(
いけ
)
んわいの。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
先刻の私の間抜けとも
阿呆
(
あほ
)
らしいともなんとも言いようのない狂態に対する
羞恥
(
しゅうち
)
と悔恨の念で消えもいりたい思いをした。
断崖の錯覚
(新字新仮名)
/
太宰治
、
黒木舜平
(著)
「そんなんなら、何も今更そんなこと言うて来よるこたあらへん。黙つて勝手に行きよつたらいゝがな。
阿呆
(
あほ
)
かいな!」
乳の匂ひ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
「勘太郎が鬼退治をするとよ、
鼠
(
ねずみ
)
が
猫
(
ねこ
)
を
捕
(
と
)
りに行くよりひどいや。
阿呆
(
あほ
)
もあのくらいになると
面白
(
おもしろ
)
いな。」と言った。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
上官にそういう特権があるものか! 彼は真面目に、ペコペコ頭を下げ、靴を磨くことが、
阿呆
(
あほ
)
らしくなった。
橇
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
はたしてどれだけの誠意を
披瀝
(
ひれき
)
して聴かしてくれるものか、それと知りつつ、わざわざ笑われるために行くのも
阿呆
(
あほ
)
らしいようで控えていたが、それでも
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
むちゃくちゃにのぼせ上がるがいい、有頂天になるがいい。哲学者どもの言うことは
阿呆
(
あほ
)
の至りだ。彼らの哲学なんかはその
喉
(
のど
)
の中につき戻すがいいのだ。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
阿呆
(
あほ
)
らし。あんたはあてと三田公と何ぞあるとおもふてゐやはるのか。置いて貰ひまつさ。はゞかりながら、そんなけちな三田公でも無し、あてでも無いわ。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
あるどころじゃないんですよ、
阿呆
(
あほ
)
らしい。あの羽振といったらトテモ
非道
(
ひど
)
いカフェー泣かせなんですよ。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
阿呆
(
あほ
)
らしくて見ていられねえや、おい藤作が上杉家の附け人になって出てくるんだよ、そいつがお前、清水一角と名前まで変っていやがるんだからおかしくって」
本所松坂町
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
それを、一躍、徳大寺や花山院の諸卿をとび超えて、右大将に任ずるとは、なんと、
阿呆
(
あほ
)
らしい——
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ピストルで決闘すること
三度
(
さんど
)
、女を棄てること十二人、そして九人の女に棄てられたんですぞ! さよう! ひと頃はこれでも、
阿呆
(
あほ
)
な真似をしたり、べたべた言い寄ったり
熊:笑劇 一幕
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
骨と皮ばかりの青黒く
乾
(
ひ
)
からびた身體を、
羊羹
(
やうかん
)
色になつた破れ
御衣
(
ごろも
)
に包んで、髯だらけの顏、
蟲喰
(
むしく
)
ひ頭、陽に
焦
(
や
)
けて思ひおくところなく眞つ黒になつた顏を少し
阿呆
(
あほ
)
たらしく擧げて
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして、「お母さんの
阿呆
(
あほ
)
。」というと母の手を掴んでもう一度咬もうとした。
火
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
小さい
唇
(
くち
)
をとがらせ、「うち、つまらんわア、もう男のひとと、遊んではいけない言うて、
監督
(
かんとく
)
さんから説教されたわ。おんなじ船に乗ってて、口
利
(
き
)
いてもいかん、なんて、
阿呆
(
あほ
)
らしいわ」
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
それを夫婦生活の常道だと思って安心しているだけのことさ。夫婦の間では猥セツでないと思っているだけのことですよ。誰がそれを許したのですか。神様ですか。法律ですか。
阿呆
(
あほ
)
らしい。
余はベンメイす
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
大人
(
おとな
)
がこういうことをするのはもう
阿呆
(
あほ
)
らしくなって、自然に子どもの真似をするのは放任したという場合もあったと思うが、別に最初から小児を適任とし、彼らに頼んでさせたという行事も
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
だが、はたの人にやきもきされて、それで何とかなるなど、
田舎娘
(
いなかむすめ
)
だとはいえ、新しい時代を生きようとしている修造たちの
息吹
(
いぶき
)
にふれてきた茂緒にとっては、
阿呆
(
あほ
)
らしくて問題にならなかった。
風
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
しかし思いのほかに
目鼻立
(
めはなだち
)
の整った、そして
怜悧
(
りこう
)
だか気象が好いか何かは分らないが、ただ
阿呆
(
あほ
)
げてはいない、
狡
(
こす
)
いか善良かどうかは分らないが、ただ無茶ではない、ということだけは
読取
(
よみと
)
れた。
蘆声
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ダネックも、さいしょは彼の競争者として警戒を怠らなかったのが、もう聴くも
阿呆
(
あほ
)
らしいというような素振りになった。もちろん、そこまでのケルミッシュはいかにもそうであったろうが……。
人外魔境:03 天母峰
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
地下茎
(
ちかけい
)
に
塊根
(
かいこん
)
のできる
何首烏
(
かしゅう
)
すなわちツルドクダミも、一時はそれが性欲に
利
(
き
)
くとて、やはり中国の説がもとで大騒ぎをしてみたが、結局はなんの
効
(
こう
)
も見つからず、
阿呆
(
あほ
)
らしいですんでしまった。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「
阿呆
(
あほ
)
なこと、いうな。……さあ、寝ろう」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「
阿呆
(
あほ
)
らしい。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
阿呆
(
あほ
)
らしい」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
可哀
(
かわい
)
そうで可哀そうでいても立ってもいられへんようになって、……そらお梅どん、ハタから見たら
阿呆
(
あほ
)
らしやろけど、そんなもんやし。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
マーキュ いや、こんな
阿呆
(
あほ
)
らしい
拔駈
(
ぬけがけ
)
の
競爭
(
きゃうさう
)
は
最早
(
もう
)
中止
(
やめ
)
ぢゃ。
何故
(
なぜ
)
と
言
(
い
)
へ、
足下
(
おぬし
)
は
最初
(
はじめ
)
からぬけてゐるわ。
何
(
なん
)
と、
頭拔
(
づぬ
)
けた
洒落
(
しゃれ
)
であらうが。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
阿呆
(
あほ
)
らしい、そんな
勿體
(
もつたい
)
ないこと考へてるよつて、天滿宮さんの罰が當るんや。
道眞
(
みちざね
)
公の臣やいうて、道臣ちふ名をつけたかてあかんなア。」
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
今、私はこの年輩となって、なお
阿呆
(
あほ
)
らしくも、この囃子連中は芝居のチョボの如く、私の頭の
一隅
(
いちぐう
)
に控えている。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
『ひとりで死ぬなんて
阿呆
(
あほ
)
らしい。あんな綺麗な男となら、わたしはいつでも一緒に死んであげるのにさ』
貨幣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
これは親ごころの
阿呆
(
あほ
)
らしさに解説を加えたものであるが、まだ三十をすぎて間のない私は、身体も
健康
(
けんこう
)
だったし、前途は
洋々
(
ようよう
)
たる希望と野心にふくれあがっていた。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
「
阿呆
(
あほ
)
の細工に」考えだした美人投票が餌になったのだから、いってみれば、おれは呆れ果てたお人善し、上海まで行き、支那人仲間にもいくらか顔を知られたというおれが
勧善懲悪
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
骨と皮ばかりの青黒く
乾
(
ひ
)
からびた身体を、
羊羹
(
ようかん
)
色になった破れ
御衣
(
ごろも
)
に包んで、髯だらけの顔、
虫喰
(
むしく
)
い頭、陽に
焦
(
や
)
けて思いおくところなく真っ黒になった顔を少し
阿呆
(
あほ
)
たらしく挙げて
銭形平次捕物控:174 髷切り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
……事によるとこの事件の真相は、思いもかけぬ
阿呆
(
あほ
)
らしい喜劇かも知れないぞ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ほんとに『
阿呆
(
あほ
)
らしい』ってのは、こう云う事を云うじゃありませんか。
栄蔵の死
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「
阿呆
(
あほ
)
らしい。十一時だつせ。お
日樣
(
ひいさん
)
が笑ふてゐやはりまんがな。」
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
あんなものに心の動かぬ我々が罰が当っているのだとは
阿呆
(
あほ
)
らしい。
教祖の文学:――小林秀雄論――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「どんな顔して、もどってくるかしらん。
阿呆
(
あほ
)
くらいが」
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
「この
阿呆
(
あほ
)
っ。餓鬼のくせに、何して居さらすっ」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
阿呆
(
あほ
)
やな。」と直ぐ母親らしい叱る声がした。
御身
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
のんびりした
阿呆
(
あほ
)
らしい風景でした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「
阿呆
(
あほ
)
らしい。———この手紙のことやったら、
中姉
(
なかあん
)
ちゃんに
云付
(
いつ
)
けてやる云うて、こないだから
嚇
(
おど
)
かされててんわ」
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
よくもまあ僕の前で、そんな
阿呆
(
あほ
)
くさい事がのめのめと言えたものだ。いまに、死ぬのは、お前のほうだろう。女は、へん、何のかのと言ったって、結局は、金さ。
女類
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「何んや
阿呆
(
あほ
)
らしい、蝋燭や。」とお駒は吐き出すやうに言つて、紙のまゝ其處に
放
(
はふ
)
り出した。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
“阿呆”の解説
この記事には相手を中傷したりする不適切な言葉や表現が含まれています。
阿呆(ja: あほう、あほ・en: Idiot・zh: 白痴)は、愚かであることを指摘する罵倒語・侮蔑語・俗語。近畿地方を中心とした地域でみられる表現で、関東地方などの「馬鹿」、愛知県などの「タワケ」、石川県・富山県・島根県出雲地方などの「ダラ」に相当する。行動の愚かさだけでなく、学のなさなどもさす。また、そういう人のことを指す。「馬鹿」と同じ意味を持つ。
(出典:Wikipedia)
阿
漢検準1級
部首:⾩
8画
呆
漢検準1級
部首:⼝
7画
“阿呆”で始まる語句
阿呆陀羅経
阿呆鳥
阿呆顔
阿呆面
阿呆陀羅
阿呆陀羅經
阿呆駄羅経
阿呆宮
阿呆感
阿呆拂