銀貨ぎんくわ)” の例文
大喜おほよろこびで、其禮そのれいに、若干そこばく銀貨ぎんくわあたへやうとしたが、如何どうしてもらぬ。しひらしめたら、今度こんど重箱ぢうばこ味噌漬みそづけれてつてれた。
一日あるひことで、十八九の一人ひとり少年せうねんうま打乘うちのり、荷鞍にぐらけた皮袋かはぶくろに、銀貨ぎんくわをざく/\とならしてて、店頭みせさき翻然ひらりり、さて人參にんじんはうとふ。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わか下女げぢよ細君さいくんまへすわつて、釣錢つりせんらしいさつ銀貨ぎんくわたゝみならべてゐた。主人しゆじん宗助そうすけ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
果敢はかない煙草入たばこいれかますなか懸念けねんするやうにかれ數次しばしばのぞいた。陰鬱いんうつせま小屋こやなかのぞかますそこくらかつた。わづかにまじつたちひさなしろ銀貨ぎんくわたびかれこゝろいくらかのひかりあたへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いまねんのちたしとくるわがへりの若者わかものまをしき、大黒屋だいこくや美登利みどりとて生國せいこく紀州きしう言葉ことばのいさゝかなまれるも可愛かわゆく、だい一ははなれよき氣象きしやうよろこばぬひとなし、子供こども似合にあは銀貨ぎんくわれのおもきも道理だうり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はたせるかな銀貨ぎんくわうまんでるから、金慣かねなれた旦那だんなものどうぜぬ番頭ばんとう生意氣盛なまいきざかり小僧こぞうどもまで、ホツとつておどろかして、てんからつてたやうに、低頭平身ていとうへいしんして
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
内儀かみさんはふとおもしてすこしばかりの銀貨ぎんくわ勘次かんじそばならべて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
高信たかのぶさんが、銀貨ぎんくわ若干なにがし先棒さきばうてのひらへポンとにぎらせると、にこりとひたいをうつむけたところ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)