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身振
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みぶり
ふりがな文庫
“
身振
(
みぶり
)” の例文
当時西語にいわゆるシニックで奇癖が多く、
朝夕
(
ちょうせき
)
好んで俳優の
身振
(
みぶり
)
声色
(
こわいろ
)
を使う枳園の同窓に、今一人
塩田楊庵
(
しおだようあん
)
という奇人があった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
視覚に関する自然形式としての表現とは、姿勢、
身振
(
みぶり
)
その他を含めた広義の表情と、その表情の支持者たる基体とを指していうのである。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
あまり真剣にすぎる
身振
(
みぶり
)
は、
他人
(
ひと
)
の目に
滑稽
(
こっけい
)
となって映るのに、まして、宅助の尋ねものが美人というので、誰もが笑わずにいられない。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「よくしますよ。二人の人の
身振
(
みぶり
)
だの顏付だのが意味ありげに見えるときにはね。それらを見てゐるのは面白いのですから。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
唄につれておどけた狐の
身振
(
みぶり
)
をしながら次第に輪の側へ近づいて来るのが、———たまたまそれが
艶
(
えん
)
な町娘や若い
嫁
(
よめ
)
であったりすると、
殊
(
こと
)
に
可愛
(
かわい
)
い。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
「親方沢山だ、何も
身振
(
みぶり
)
までするこたアありません。」と愛くるしい
件
(
くだん
)
の口許で、べそを掻くような(へ)の字
形
(
なり
)
。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小さな
奴
(
やつ
)
がいきなり飛び出して、少女の
頭髪
(
かみ
)
にさしてあった小さな
簪
(
かんざし
)
をちょっとツマんで引き抜き、したり
顔
(
がお
)
に仲間のものに見せびらかすような
身振
(
みぶり
)
をする。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
壺は少し
勢
(
いきおい
)
を
減
(
げん
)
じたと思われたが、それでも昨日と同じ様に、ときどきカタカタと
滑稽
(
こっけい
)
な
身振
(
みぶり
)
で揺らいだ。
俘囚
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
二葉亭の若辰の
身振
(
みぶり
)
声色
(
こわいろ
)
と矢崎嵯峨の屋の談志の物真似テケレッツのパアは寄宿舎の評判であった。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
漢
(
をとこ
)
は
自分
(
じぶん
)
のかたる
浄瑠璃
(
じやうるり
)
に、さも
情
(
じやう
)
がうつったやうな
身振
(
みぶり
)
をして
人形
(
にんぎやう
)
をつかつてゐました。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
それでも吉兵衛には子供が珍らしくてたまらぬ様子で、
傍
(
そば
)
を離れず寝顔を
覗
(
のぞ
)
き込み、泣き出すと驚いてお蘭の
許
(
もと
)
に飛んで行き
裾
(
すそ
)
を引いて連れて来て、乳を
呑
(
の
)
ませよ、と
身振
(
みぶり
)
で教え
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
我々
(
われわれ
)
の
地方
(
ちほう
)
の
不作
(
ふさく
)
なのはピン
沼
(
ぬま
)
などを
枯
(
から
)
してしまったからだ、
非常
(
ひじょう
)
な
乱暴
(
らんぼう
)
をしたものだとか、などと
云
(
い
)
って、
殆
(
ほとん
)
ど
他
(
ひと
)
には
口
(
くち
)
も
開
(
き
)
かせぬ、そうしてその
相間
(
あいま
)
には
高笑
(
たかわらい
)
と、
仰山
(
ぎょうさん
)
な
身振
(
みぶり
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それ
故
(
ゆえ
)
にこそ身も世もあらず嬉しくて、あの夜のこと、君のおん
身振
(
みぶり
)
、君のおん
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
、細々としたる末までも、一つ一つ、繰返し心に浮べては、その度毎に今更らのように顔あからめ
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
フランス人特有の
身振
(
みぶり
)
の多い
饒舌
(
じょうぜつ
)
の中にも、この時
許
(
ばか
)
りはどこかに
長閑
(
のどか
)
さがある。アペリチーフは食欲を呼び
覚
(
さ
)
ます酒——男は
大抵
(
たいてい
)
エメラルド・グリーンのペルノーを、女は
真紅
(
しんく
)
のベルモットを好む。
異国食餌抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
美くしい
身振
(
みぶり
)
の、身も世もないといふやうな
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
貴
(
あで
)
なる
女君
(
をんなぎみ
)
よ、なつかしき
身振
(
みぶり
)
もて
失楽
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
或時優善は
松川飛蝶
(
まつかわひちょう
)
と
名告
(
なの
)
って、
寄席
(
よせ
)
に看板を懸けたことがある。良三は松川
酔蝶
(
すいちょう
)
と名告って、共に高座に登った。
鳴物入
(
なりものいり
)
で俳優の
身振
(
みぶり
)
声色
(
こわいろ
)
を使ったのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
殊に小説の
梗概
(
こうがい
)
でも語らせると、多少の
身振
(
みぶり
)
声色
(
こわいろ
)
を交えて人物を
眼前
(
めのまえ
)
に
躍出
(
おどりだ
)
させるほど頗る巧みを究めた。二葉亭が人を心服さしたのは半ばこの巧妙なる座談の力があった。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
身振
(
みぶり
)
その他の自然形式はしばしば無意識のうちに創造される。いずれにしても、「いき」の客観的表現は意識現象としての「いき」に基礎附けて初めて真に理解されるものである。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
などと
云
(
い
)
つて、
殆
(
ほとん
)
ど
他
(
ひと
)
には
口
(
くち
)
も
開
(
き
)
かせぬ、
而
(
さう
)
して
其相間
(
そのあひま
)
には
高笑
(
たかわらひ
)
と、
仰山
(
ぎやうさん
)
な
身振
(
みぶり
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
(
掴
(
つかみ
)
ひしぐが如くにして
突離
(
つきはな
)
す。初の烏、
摚
(
どう
)
と地に坐す。三羽の烏は
故
(
わざ
)
とらしく
吃驚
(
きっきょう
)
の
身振
(
みぶり
)
をなす。)地を
這
(
は
)
ふ烏は、鳴く声が違ふぢやらう。うむ、
何
(
ど
)
うぢや。地を這ふ烏は何と鳴くか。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「彼女は急ぎ
水瓶
(
みづがめ
)
を手に取り下ろし、それを彼に飮ましめた。」すると、彼は、
懷中
(
ふところ
)
から
玉手箱
(
たまてばこ
)
を一つ取り出して、それを開け、立派な腕環や耳環を見せた。彼女は驚愕と稱讃の
身振
(
みぶり
)
をする。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
眼のいろ、唇のうごき、
手真似
(
てまね
)
、
身振
(
みぶり
)
だけでも、話は立派に通じるんだ
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
淫
(
みだ
)
らがましき
身振
(
みぶり
)
をば幽かにこころ
疑
(
うたが
)
ひぬ
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
胸のあたりの真白きに腰の
紅
(
くれない
)
照添いて、
眩
(
まばゆ
)
きばかり
美
(
うる
)
わしきを、蝦蟇法師は
左瞻右視
(
とみこうみ
)
、
或
(
あるい
)
は手を
掉
(
ふ
)
り、足を
爪立
(
つまだ
)
て、操人形が動くが如き奇異なる
身振
(
みぶり
)
をしたりとせよ、何思いけむ
踵
(
くびす
)
を返し
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かつエロキューションに極めて巧妙で、
身振
(
みぶり
)
声色
(
こわいろ
)
交
(
まじ
)
りに手を振り足を動かし眼を
剥
(
む
)
き首を
掉
(
ふ
)
ってゴンチャローフやドストエフスキーを朗読して聞かしたのが作中のシーンを眼前に彷彿せしめて
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
(
掴
(
つかみ
)
ひしぐがごとくにして突離す。初の烏、
摚
(
どう
)
と地に
座
(
ざ
)
す。三羽の烏はわざとらしく
吃驚
(
きっきょう
)
の
身振
(
みぶり
)
をなす。)地を
這
(
は
)
う烏は、鳴く声が違うじゃろう。うむ、どうじゃ。地を這う烏は何と鳴くか。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
身振
(
みぶり
)
をして、
時々
(
とき/″\
)
頬摺
(
ほゝずり
)
、はてさて
氣障
(
きざ
)
な
下郎
(
げらう
)
であつた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「誰だい、」と
思入
(
おもいいれ
)
のある
身振
(
みぶり
)
で、源次郎は振返る。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
振
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“身振”で始まる語句
身振り