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わらは
ふりがな文庫
“
童
(
わらは
)” の例文
春はまだ浅き菜畑、白き
鶏
(
とり
)
日向あさるを、水ぐるままはるかたへの、窻障子さみしくあけて、女の
童
(
わらは
)
ひとり見やれり、
外
(
と
)
の青き菜を。
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
かれいひを結びたるをももて来ぬれば、
童
(
わらは
)
らおのが
頭
(
かしら
)
よりもおほきやかなるを取りて、顔もかくれぬばかりにして食ふ。こもまたをかし。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
昨年
(
さくねん
)
の
秋
(
あき
)
鳥部寺
(
とりべでら
)
の
賓頭盧
(
びんづる
)
の
後
(
うしろ
)
の
山
(
やま
)
に、
物詣
(
ものまう
)
でに
來
(
き
)
たらしい
女房
(
にようぼう
)
が
一人
(
ひとり
)
、
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
と一しよに
殺
(
ころ
)
されてゐたのは、こいつの
仕業
(
しわざ
)
だとか
申
(
まを
)
して
居
(
を
)
りました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
春とは云へ、夜が更けると、袖袂が冷えて來る。それでは、袈裟!
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
を呼んで、臥床を取らせるがよい。
袈裟の良人
(旧字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
男
(
をとこ
)
も
女
(
をんな
)
も
法師
(
はふし
)
も
童
(
わらは
)
も
容貌
(
かほ
)
よきが
好
(
す
)
きぞとは
誰
(
た
)
れ
色好
(
いろごの
)
みの
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
なりけん
杉原
(
すぎはら
)
三
郎
(
らう
)
と
呼
(
よ
)
ばるゝ
人
(
ひと
)
面
(
おも
)
ざし
清
(
きよ
)
らかに
擧止優雅
(
けにくからず
)
たが
目
(
め
)
に
見
(
み
)
ても
美男
(
びなん
)
ぞと
見
(
み
)
ゆればこそは
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
人々
驚
(
お
)
ぢ隠るるを、法師
嘲
(
あざ
)
みわらひて、老いたるも
童
(
わらは
)
も必ずそこにおはせ、此の
虵
(
をろち
)
只今
捉
(
と
)
りて見せ奉らんとてすすみゆく。閨房の戸あくるを遅しと、かの
蛇
(
をろち
)
頭
(
かしら
)
をさし出して法師にむかふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
我は最早カムパニアの野の
童
(
わらは
)
にはあらず。最早當時の如く人の詞といふ詞を信ずること、宗教に志篤き人の信條を奉ずると同じきこと能はず。我は最早「ジエスヰタ」派學校の生徒にはあらず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
かつは笑みかつは怒りみ世の中は
童
(
わらは
)
ごとして経るにこそあれ
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
樂
(
たの
)
しみは、
童
(
わらは
)
墨
(
すみ
)
するかたはらに、
筆
(
ふで
)
の
運
(
はこ
)
びをおもひをる
時
(
とき
)
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
いづこまで君は帰るとゆふべ野にわが袖ひきぬ
翅
(
はね
)
ある
童
(
わらは
)
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
ゆくりなき言葉かたちをいぶかしむ
童
(
わらは
)
が耳に
池のほとりに柿の木あり
(新字旧仮名)
/
三好達治
(著)
『火はいづこぞ』と
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
、——
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
童
(
わらは
)
泣
(
な
)
き、——母は寢ざめぬ。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
白雪をなげつゝ
童
(
わらは
)
ゆきあひて
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
童
(
わらは
)
一人共に乗りぬ。先づ
門
(
かど
)
を出づるに、物の燃ゆる音のおそろしければ、あたりをばよくも見やらず。広小路に出でぬ。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
嵯峨の狐は
牛車
(
ぎつしや
)
に化ける。
高陽川
(
かやがは
)
の狐は
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
に化ける。
桃薗
(
ももぞの
)
の狐は大池に化け——狐の事なぞはどうでも
好
(
い
)
い。ええと、何を考へてゐたのだつけ?
好色
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
あかき
石榴
(
ざくろ
)
を
掌
(
て
)
に置きてゐやまひ正し九九をこそよめ
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
今日
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
どもが、東山で折つて參つたのでござります。
袈裟の良人
(旧字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
山々に
赤丹
(
あかに
)
ぬるなる
曙
(
あけぼの
)
の
童
(
わらは
)
が撫でし
頬
(
ほ
)
と染まりける
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
ゆくりなき言葉かたちをいぶかしむ
童
(
わらは
)
が耳に
故郷の花
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
長い廊を数人の
童
(
わらは
)
が続いて来る。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
童
(
わらは
)
泣
(
な
)
き、かつくぐもりて
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
つくづく見入る
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
一瞬間、——その一瞬間が過ぎてしまへば、彼等は必ず愛欲の嵐に、雨の音も、空焚きの匂も、本院の
大臣
(
おとど
)
も、
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
も忘却してしまつたに相違ない。
好色
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さてをさなきもの危し、
誰
(
た
)
ぞ抱き取りてよと云ふに、又一人出来て
童
(
わらは
)
を
抱
(
いだ
)
き取りぬ。さきなるが我手を取りて云ふ。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
女
童
(
わらは
)
がふふむ
笑
(
わら
)
ひはこの鞠のかがりの手垢
愛
(
かな
)
しがりつつ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
遶佛
(
ねうぶち
)
や、
童
(
わらは
)
すがりの
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
と
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
、——
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
すると十五六の
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
が、すぐに其処へ姿を見せた。ませた顔に
白粉
(
おしろい
)
をつけた、さすがに
睡
(
ね
)
むさうな女の童である。平中は顔を近づけながら、小声に侍従へ取次を頼んだ。
好色
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
肩に頬をあてうつら振る
垂髪
(
たりがみ
)
黒し肩にしばしば
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
童
(
わらは
)
げに
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
束帶のいかめしい
殿上人
(
てんじやうびと
)
、五つ
衣
(
ぎぬ
)
のなまめかしい青女房、珠數をかけた念佛僧、高足駄を穿いた侍學生、
細長
(
ほそなが
)
を着た
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
、
幣
(
みてぐら
)
をかざした
陰陽師
(
おんみやうじ
)
——一々數へ立てゝ居りましたら
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
春の陽に輝き
笑
(
ゑ
)
まふ
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
瞼の
外
(
そと
)
に置きて思へや
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
童
(
わらは
)
げに
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
束帯のいかめしい
殿上人
(
てんじやうびと
)
、五つ
衣
(
ぎぬ
)
のなまめかしい青女房、珠数をかけた念仏僧、高足駄を穿いた
侍学生
(
さむらひがくしやう
)
、
細長
(
ほそなが
)
を着た
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
、
幣
(
みてぐら
)
をかざした
陰陽師
(
おんみやうじ
)
——一々数へ立てゝ居りましたら
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
端渓
(
たんけい
)
の硯に向ふ
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
髪黒う垂れて
面照
(
おもて
)
りにけり
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
行燈
(
あんどう
)
のかげには清き
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
物縫
(
ものぬ
)
ふけはひ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“童”の意味
《名詞》
(わらべ)幼児、幼い子供。
(出典:Wiktionary)
童
常用漢字
小3
部首:⽴
12画
“童”を含む語句
童女
童子
小童
河童
女童
児童
侍童
童謡
童児
大童
京童
頑童
童男
使童
牧童
酒顛童子
童形
童貞
兒童
童話
...