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突張
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つッぱ
ふりがな文庫
“
突張
(
つッぱ
)” の例文
主は気が長いで、大方何じゃろうぞいの、地蔵様
開眼
(
かいげん
)
が済んでから、
杖
(
つえ
)
を
突張
(
つッぱ
)
って参らしゃます心じゃろが、お互に年紀じゃぞや。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
腕を
突張
(
つッぱ
)
り
己
(
おれ
)
は強いと云う者が、開けない野蛮の世の中には
流行
(
はやり
)
ましたもので、神田の十二人の
勇
(
いさみ
)
は皆十二支を其の名前に付けて十二支の
刺青
(
ほりもの
)
をいたしました。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
すると
丁度
(
ちょうど
)
ハバトフもブローミウム
加里
(
カリ
)
の
壜
(
びん
)
を
携
(
たずさ
)
えて
遣
(
や
)
って
来
(
き
)
た。アンドレイ、エヒミチは
重
(
おも
)
そうに、
辛
(
つら
)
そうに
身
(
み
)
を
起
(
おこ
)
して
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
け、
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うえ
)
に
両手
(
りょうて
)
を
突張
(
つッぱ
)
る。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
風呂敷包を腰につけて、草履
穿
(
ば
)
きで裾をからげた、杖を
突張
(
つッぱ
)
った、
白髪
(
しらが
)
の婆さんの、お前さんとは
知己
(
ちかづき
)
と見えるのが、向うから声をかけたっけ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また
子供
(
こども
)
の
咽喉
(
のど
)
を
見
(
み
)
るので
口
(
くち
)
を
開
(
あ
)
かせたりする
時
(
とき
)
に、
子供
(
こども
)
が
泣叫
(
なきさけ
)
び、
小
(
ちい
)
さい
手
(
て
)
を
突張
(
つッぱ
)
ったりすると、
彼
(
かれ
)
はその
声
(
こえ
)
で
耳
(
みみ
)
がガンとしてしまって、
眼
(
め
)
が
廻
(
まわ
)
って
涙
(
なみだ
)
が
滴
(
こぼ
)
れる。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
私
(
わし
)
ア
突張
(
つッぱ
)
ったものを着て、お駕籠の側へ付いてまいっても無駄でごぜえます、お側には剣術を知ってる立派なお役人が附いているだから、狼藉者がまいっても脇差を引抜いて防ぎましょうが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
腰をなよなよと汀に低く居て——あたかも腹を空に
突張
(
つッぱ
)
ってにょいと上げた、藻を押分けた——亀の手に、
縋
(
すが
)
れよ、引かむ、とすらりと投げた。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
肩でぶッつかるようにして
横腹
(
よこっぱら
)
へ
体
(
たい
)
をあてた時、ようよう前足を上げたばかりまた
四脚
(
よつあし
)
を
突張
(
つッぱ
)
り抜く。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬は
背
(
せな
)
、腹の皮を
弛
(
ゆる
)
めて汗もしとどに流れんばかり、
突張
(
つッぱ
)
った脚もなよなよとして
身震
(
みぶるい
)
をしたが、
鼻面
(
はなづら
)
を地につけて
一掴
(
ひとつかみ
)
の
白泡
(
しろあわ
)
を
吹出
(
ふきだ
)
したと思うと前足を折ろうとする。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小鍋立
(
こなべだて
)
というと洒落に見えるが、何、無精たらしい
雇婆
(
やといばあ
)
さんの
突掛
(
つッか
)
けの膳で、安ものの中皿に、
葱
(
ねぎ
)
と
菎蒻
(
こんにゃく
)
ばかりが、
堆
(
うずたか
)
く、狩野派末法の山水を見せると、
傍
(
かたわら
)
に竹の皮の
突張
(
つッぱ
)
った
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
溜池
(
ためいけ
)
の
真中
(
まんなか
)
あたりを、
頬冠
(
ほおかむり
)
した、色のあせた半被を着た、
脊
(
せい
)
の低い親仁が、腰を曲げ、足を
突張
(
つッぱ
)
って、長い
棹
(
さお
)
を
繰
(
あやつ
)
って、
画
(
え
)
の如く漕いで来る、筏は
恰
(
あたか
)
も人を乗せて、油の上を
辷
(
すべ
)
るよう。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鱗
(
うろこ
)
のざらめく
蒼味
(
あおみ
)
がかった手を、ト板の
縁
(
ふち
)
へ
突張
(
つッぱ
)
って、水から半分ぬい、と出た。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山牛蒡
(
やまごぼう
)
の葉にて
捲
(
ま
)
いたる
煙草
(
たばこ
)
を、シャと
横銜
(
よこぐわ
)
えに、ぱっぱっと煙を噴きながら、両腕を頭上に
突張
(
つッぱ
)
り、ト
鋏
(
はさみ
)
を
極込
(
きめこ
)
み、
踞
(
しゃが
)
んで
横這
(
よこばい
)
に、ずかりずかりと
歩行
(
ある
)
き寄って、与十の
潜見
(
すきみ
)
する
向脛
(
むこうずね
)
を
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たとい
這出
(
はいだ
)
したところでぬらぬらとやられてはおよそ五分間ぐらい尾を出すまでに
間
(
ま
)
があろうと思う長虫と見えたので、やむことをえず
私
(
わし
)
は
跨
(
また
)
ぎ越した、とたんに
下腹
(
したっぱら
)
が
突張
(
つッぱ
)
ってぞッと身の毛
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
前垂
(
まえだれ
)
を横に
刎
(
は
)
ねて、
肱
(
ひじ
)
を
突張
(
つッぱ
)
り、ぴたりと膝に手を
支
(
つ
)
いて
向直
(
むきなお
)
る。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
呼吸
(
いき
)
も
吐
(
つ
)
かず、続けざまに
急込
(
せきこ
)
んだ、自分の声に、町の中に、ぬい、と立って、杖を
脚許
(
あしもと
)
へ
斜交
(
はすっか
)
いに
突張
(
つッぱ
)
りながら、目を白く
仰向
(
あおむ
)
いて、月に小鼻を照らされた流しの按摩が、呼ばれたものと心得て
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
突張
(
つッぱ
)
った手をぐたりと緩めて
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“突”で始まる語句
突
突然
突立
突込
突出
突飛
突如
突兀
突伏
突嗟