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石壇
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いしだん
ふりがな文庫
“
石壇
(
いしだん
)” の例文
其處
(
そこ
)
で、でこぼこと
足場
(
あしば
)
の
惡
(
わる
)
い、
蒼苔
(
あをごけ
)
と
夜露
(
よつゆ
)
でつる/\と
辷
(
すべ
)
る、
岸
(
きし
)
の
石壇
(
いしだん
)
を
踏
(
ふ
)
んで
下
(
お
)
りて、
笠
(
かさ
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
岸
(
きし
)
の
草
(
くさ
)
へ、
荷物
(
にもつ
)
を
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
八歳か
九歳
(
くさい
)
の時か、とにかくどちらかの秋である。陸軍大将の
川島
(
かわしま
)
は
回向院
(
えこういん
)
の
濡
(
ぬ
)
れ
仏
(
ぼとけ
)
の
石壇
(
いしだん
)
の前に
佇
(
たたず
)
みながら、
味
(
み
)
かたの軍隊を
検閲
(
けんえつ
)
した。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
宮から阪の
石壇
(
いしだん
)
を下りて石鳥居を出た処に、また一本百年あまりの杉がある。此杉の下から横長い
田圃
(
たんぼ
)
がよく見晴される。田圃を北から南へ田川が二つ流れて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
祖母
(
おばあ
)
さんは
古
(
ふる
)
い
苔
(
こけ
)
の
生
(
は
)
えたお
墓
(
はか
)
のいくつも
並
(
なら
)
んだ
石壇
(
いしだん
)
の
上
(
うへ
)
を
綺麗
(
きれい
)
に
掃
(
は
)
いたり、
水
(
みづ
)
をまいたりして
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
かゝる
行装
(
ぎやうさう
)
にて
新婚
(
しんこん
)
の家にいたるゆゑ、その以前雪中の道を作り、雪にて山みちのやうなる所は雪を
石壇
(
いしだん
)
のやうにつくり、
或
(
あるひ
)
は雪にて
桟
(
さん
)
じきめく処を作りて見物のたよりとす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
きのふも今日も同じい
石壇
(
いしだん
)
の上に座つて
忘春詩集:02 忘春詩集
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
いまにも
遙
(
はるか
)
な
石壇
(
いしだん
)
へ、
面長
(
おもなが
)
な、
白
(
しろ
)
い
顏
(
かほ
)
、
褄
(
つま
)
の
細
(
ほそ
)
いのが
駈上
(
かけあが
)
らうかと
且
(
か
)
つ
危
(
あやぶ
)
み、
且
(
か
)
つ
苛
(
いら
)
ち、
且
(
か
)
つ
焦
(
じ
)
れて、
窓
(
まど
)
から
半身
(
はんしん
)
を
乘
(
の
)
り
出
(
だ
)
して
居
(
ゐ
)
た
私
(
わたし
)
たちに、
慇懃
(
いんぎん
)
に
然
(
さ
)
う
言
(
い
)
つてくれた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
岸
(
きし
)
にたちてこれをみれば、かの
梯
(
はしご
)
を
石壇
(
いしだん
)
のごとくふみくだり、橋をゆく事平地のごとく、その
半
(
なかば
)
にいたれば橋
揺々
(
えう/\
)
として
危
(
あやふ
)
き事いはんかたなく、見るにさへ身の毛いよだつばかり也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
切符
(
きつぷ
)
を
買
(
か
)
つて、
改札口
(
かいさつぐち
)
を
出
(
で
)
て、
精々
(
せい/″\
)
、
着
(
き
)
た
切
(
きり
)
の
裾
(
すそ
)
へ
泥撥
(
どろはね
)
を
上
(
あ
)
げないやうに、
濡
(
ぬ
)
れた
石壇
(
いしだん
)
を
上
(
あが
)
ると、
一面
(
いちめん
)
雨
(
あめ
)
の
中
(
なか
)
に、
不知火
(
しらぬひ
)
の
浮
(
う
)
いて
漾
(
たゞよ
)
ふ
都大路
(
みやこおほぢ
)
の
電燈
(
でんとう
)
を
見
(
み
)
ながら、
横繁吹
(
よこしぶき
)
に
吹
(
ふ
)
きつけられて
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
急
(
きふ
)
に
何
(
なん
)
だか
寂
(
さび
)
しく
成
(
な
)
つて、
酔
(
ゑひ
)
ざめのやうな
身震
(
みぶる
)
ひが
出
(
で
)
た。
急
(
いそ
)
いで、
燈火
(
ともしび
)
を
当
(
あて
)
に
駆下
(
かけお
)
りる、と
思
(
おも
)
ひがけず、
往
(
ゆき
)
には
覚
(
おぼ
)
えもない
石壇
(
いしだん
)
があつて、
其
(
それ
)
を
下切
(
おりき
)
つた
処
(
ところ
)
が
宿
(
やど
)
の
横
(
よこ
)
を
流
(
なが
)
れる
矢
(
や
)
を
射
(
ゐ
)
るやうな
谿河
(
たにがは
)
だつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
壇
常用漢字
中学
部首:⼟
16画
“石”で始まる語句
石
石鹸
石垣
石塊
石見
石燈籠
石榴
石膏
石楠花
石碑