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白日
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はくじつ
ふりがな文庫
“
白日
(
はくじつ
)” の例文
私の生活や思想や性格の上に大きな影響を及ぼしたであろうと思われる何ものをも私は今、
白日
(
はくじつ
)
のうちにさらけ出しておかねばならぬ。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
白日
(
はくじつ
)
に照された景色よりも月光に照されてぼんやりしている景色の方が、何とのう、神秘的な、怪奇的な
奥床
(
おくゆか
)
しい気分をそそると同じように
歴史的探偵小説の興味
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
こは芸術を使命とするものには
白日
(
はくじつ
)
よりも明らかなる事実なり。然れども独自の眼を以てするは
必
(
かならず
)
しも容易の
業
(
わざ
)
にあらず。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然し、その性質
如何
(
いかん
)
に
拘
(
かゝは
)
らず、一
體
(
たい
)
人の犯罪
乃至
(
ないし
)
は祕密を探し尋ねて、それを
白日
(
はくじつ
)
にさらし出すと
云
(
い
)
ふ事はあんまり好い氣持のするものぢやありません。
探偵小説の魅力
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
いずれにせよ、南朝方のよろこぶ足利家の
内訌
(
ないこう
)
は、これによって大きな肉の裂け目を、
白日
(
はくじつ
)
にさらしてしまった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
いつも私が、丁度夢の中の娘に叫ぶやうに、ふいに
白日
(
はくじつ
)
の中に現はれたところの、現実の娘に呼びかけようとした。どうして、何故に、夢が現実にやつて来たのだらうか。
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
書生が
可厭
(
いや
)
さに商売を遣らうと云ふのなら、未だ
外
(
ほか
)
に
幾多
(
いくら
)
も好い商売は有りますさ、何を苦んでこんな極悪非道な、
白日
(
はくじつ
)
盗
(
とう
)
を
為
(
な
)
すと
謂
(
い
)
はうか、病人の
喉口
(
のどくち
)
を
干
(
ほ
)
すと
謂
(
い
)
はうか
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
サインの
硝子
(
ガラス
)
が
砕
(
くだ
)
け、電気看板が
壁体
(
へきたい
)
からグッと右の方へ傾くと、まだその
儘
(
まま
)
にしてあったお千代の屍体がぬっと
白日
(
はくじつ
)
のもとに露出してきたもんだから、見て居た係官や群衆は
電気看板の神経
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
どうしても
堪
(
た
)
えられぬと云う一念の結晶して、
燦
(
さん
)
として
白日
(
はくじつ
)
を射返すものである。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
藤
(
ふぢ
)
の
花
(
はな
)
の
紫
(
むらさき
)
は、
眞晝
(
まひる
)
の
色香
(
いろか
)
朧
(
おぼろ
)
にして、
白日
(
はくじつ
)
、
夢
(
ゆめ
)
に
見
(
まみ
)
ゆる
麗人
(
れいじん
)
の
面影
(
おもかげ
)
あり。
憧憬
(
あこが
)
れつゝも
仰
(
あふ
)
ぐものに、
其
(
そ
)
の
君
(
きみ
)
の
通
(
かよ
)
ふらむ、
高樓
(
たかどの
)
を
渡
(
わた
)
す
廻廊
(
くわいらう
)
は、
燃立
(
もえた
)
つ
躑躅
(
つゝじ
)
の
空
(
そら
)
に
架
(
かゝ
)
りて、
宛然
(
さながら
)
虹
(
にじ
)
の
醉
(
ゑ
)
へるが
如
(
ごと
)
し。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
恵林寺
(
えりんじ
)
の慢心和尚が、
途轍
(
とてつ
)
もない大きな
卒塔婆
(
そとば
)
をかつぎ込んで、従者を一人もつれずに西の方へスタスタと歩いて行くのが、
白日
(
はくじつ
)
のことですから、すべての人が注目しないわけにはゆきません。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
鳥と云はず
白日
(
はくじつ
)
虹のさす空を飛ばば
翅
(
はね
)
ある虫の
雌雄
(
めを
)
とも
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
白日
(
はくじつ
)
の下に何人も裁決してはくれないのです。
三面一体の生活へ
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
霊
(
たましひ
)
の雑艸園の
白日
(
はくじつ
)
はかぎりなく
傷
(
いた
)
ましきかな。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
白日
(
はくじつ
)
薔薇
(
さうび
)
の花に射かへすとき
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
かかる
白日
(
はくじつ
)
の
下
(
もと
)
、
万人衆目
(
ばんにんしゅうもく
)
のあるなかで、
忍術
(
にんじゅつ
)
の
秘法
(
ひほう
)
をどう
争
(
あらそ
)
うのだろうか。争うとすればどうするのだろうか?
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それが
白日
(
はくじつ
)
の光をあびて集まっているのでもあろうか。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
霊
(
たましひ
)
の雑艸園の
白日
(
はくじつ
)
の声もなきかがやかしさを
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
臺
(
うてな
)
を、
白日
(
はくじつ
)
に
或
(
あるひ
)
は
抱
(
いだ
)
き
或
(
あるひ
)
は
捧
(
さゝ
)
げて
居
(
ゐ
)
た。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おぬし等は、何の面目あって、
白日
(
はくじつ
)
の下を歩けるか。いや、この御墓前へ二度とまみえ奉る
顔
(
かんばせ
)
があるか
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——もちろん一匹の二十日鼠は、哀れな梅田十八の旧態にかえった姿だった。他の一匹は臙脂色のワンピースが旧態にかえった姿だった。ルリ子は自分が
白日
(
はくじつ
)
の下に素裸になっているのも知らず、ベンチから立ち上った」
軍用鼠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
白日
(
はくじつ
)
の光の
水脈
(
みを
)
に
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「お身自身、過去の
白業黒業
(
びゃくごうこくごう
)
とも、余すなく、
白日
(
はくじつ
)
に
曝
(
さら
)
して、罪を、天に求め、自身、自身を裁き切らんとしておらるるが……。まだあったぞ、もうひとり、お島がな」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白日
(
はくじつ
)
の
下
(
もと
)
の大空襲!
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
せめて罪科の
償
(
つぐな
)
いを果たして、この
穢身
(
えしん
)
を洗わないことには、どうも
白日
(
はくじつ
)
の下で、人なみの口もきけません。一ト目、お会いしたからには、はや、おさらばでございまする
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
突風
(
とっぷう
)
に見まわれた
紙屑
(
かみくず
)
か、
白日
(
はくじつ
)
に照らされた
蜘蛛
(
くも
)
の子のように、クルクル舞いをして呂宋兵衛とその手下ども、スルスルと
土手草
(
どてくさ
)
へとびついて、
雑木林
(
ぞうきばやし
)
の深みへもぐりこんだかと思うと
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白木
(
しらき
)
の
祭壇
(
さいだん
)
には四
方
(
ほう
)
笹
(
ざさ
)
の葉がそよぎ、
御霊鏡
(
みたまかがみ
)
が、
白日
(
はくじつ
)
のように光っている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それを
白日
(
はくじつ
)
の
下
(
もと
)
で、しかも往還に近い街道すじでやれるのでござるか」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
匹夫
(
ひっぷ
)
っ。
白日
(
はくじつ
)
も
懼
(
おそ
)
れず、そんな所で、何しているかっ」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“白日”の意味
《名詞》
照り輝く太陽。
昼間。白昼。
身が潔白であることをたとえていう語。
(出典:Wiktionary)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“白日”で始まる語句
白日夢
白日闇
白日鼠
白日下
白日子王
白日別
白日子
白日時
白日光耀
白日夢裡