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甲虫
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かぶとむし
ふりがな文庫
“
甲虫
(
かぶとむし
)” の例文
旧字:
甲蟲
と、最後に第五斥候隊と、その救援に向った二ヶ隊のものが、奇怪な
甲虫
(
かぶとむし
)
のような人間位の大きさの火星人を十人つれて帰艇して来た。
大宇宙遠征隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
蟻
(
あり
)
の性急な活動を、歩きながら踊ってるように見える足長
蜘蛛
(
ぐも
)
を、横っ飛びに
跳
(
は
)
ね回る
蝗
(
いなご
)
を、重々しいしかもせかせかした
甲虫
(
かぶとむし
)
を
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
濡れ光った
甲虫
(
かぶとむし
)
のような人影が、厚ぼったく彼を取りかこんだ。ギラギラするのは槍であろう。ひとりの武者がその中から問いつめた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お縁に来てみると、
甲虫
(
かぶとむし
)
の箱のわきに、ブリキやセルロイドで作つた小さな車のおもちやを、
真奈
(
まな
)
ちやんがドッサリ持つて来てゐました。
かぶと虫
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
「そこから
甲虫
(
かぶとむし
)
を通しておろすんだ。紐ののばせるだけな。——だが、気をつけてつかんでいる紐をはなさんようにするんだぞ」
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
▼ もっと見る
ポーセがせっかく
植
(
う
)
えて、水をかけた小さな
桃
(
もも
)
の木になめくじをたけておいたり、ポーセの
靴
(
くつ
)
に
甲虫
(
かぶとむし
)
を
飼
(
か
)
って、
二月
(
ふたつき
)
もそれをかくしておいたりしました。
手紙 四
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
蜂や、蠅や、
甲虫
(
かぶとむし
)
や、蝶が、ねむくなるやうな微かな音をたてゝ彼方此方の花から花へ飛びまはつてゐました。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
「しかしだね、ここに一匹の緑色の
甲虫
(
かぶとむし
)
が、なにか用たしに出掛けるとするね。その途中でいきなりこんな目に逢う。こいつの恐怖が思いやられるなあ。」
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
道具屋は画かきの前で
手拭
(
てぬぐひ
)
を
被
(
かぶ
)
つて猫の真似をしたり、四つ
這
(
ば
)
ひになつて
甲虫
(
かぶとむし
)
の真似をしたりした。そして西山氏が腹の底から笑ひ崩れるのを待つてゐた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
危険になると、
豪猪
(
やまあらし
)
は毛を逆立て、
甲虫
(
かぶとむし
)
は死んだまねをし、昔の近衛兵は方陣を作るが、この男は笑い出した。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「
袋撓刀
(
ふくろしない
)
のこととか、背中へ
甲虫
(
かぶとむし
)
を入れられたこととか、暴れ馬のこととか、お化粧をされたのを忘れて、そのまま帰って土蔵へ入れられたこととか、——なんだ」
女は同じ物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それは、
甲虫
(
かぶとむし
)
の如き額をした・鼻の長い男の横顔をはっきり現していた。顔の肉に当る部分は絶妙の桃色で、帽子(大きなカラマク人の帽子)、
髭
(
ひげ
)
、眉毛は青がかった灰色。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
昼の鳥とはまったく違っている
夜鳥
(
ナイトバード
)
の怪しい叫び声、めくら
滅法界
(
めっぽうかい
)
に飛んでくる大きい
甲虫
(
かぶとむし
)
の唸り声、
殊
(
こと
)
にこれらの小さい虫の
合奏曲
(
コーラス
)
が突然やんで半分しかきこえない時には
世界怪談名作集:04 妖物
(新字新仮名)
/
アンブローズ・ビアス
(著)
こいつときたら、何かもう、
甲虫
(
かぶとむし
)
か
黄金虫
(
こがねむし
)
でも見つけようものなら、
忽
(
たちま
)
ち眼玉をキョロキョロさせましてね、直ぐにそれを追かけまわして、もう夢中になってしまうんですよ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
なにかのはずみで、大きな
馬鹿
(
ばか
)
な
甲虫
(
かぶとむし
)
がまごついて飛んできて彼にぶつかろうものなら、このあわれな男は魔女のまじないにうたれたのかと思って、あやうく死ぬほどになった。
スリーピー・ホローの伝説:故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
蝶蛾
(
ちょうが
)
や
甲虫
(
かぶとむし
)
類のいちばんたくさんに
棲
(
す
)
んでいる
城山
(
しろやま
)
の中をあちこちと長い日を暮らした。
花物語
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
下段右側には動的表現界の代表者、
犢
(
こうし
)
、犬、猫、鷹、
甲虫
(
かぶとむし
)
、鰐、紅鶴等の神々が列座し、左側には静的表現界の代表者、月、星、山、川、木、草、石等の神々が居流れております。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
おそらく、私たちを乗せた巨大な
甲虫
(
かぶとむし
)
は、今は一千五百尺以上の山中を
驀進
(
ばくしん
)
している。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
枝に
甲虫
(
かぶとむし
)
でもいるのであろうか、上向きながら木の幹を、指で叩いているのであった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「ドイツ人って、あのいつものフィルゼルとかいう
甲虫
(
かぶとむし
)
か。」と甲谷はいった。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
他
(
ほか
)
は、幅も底も
測知
(
はかりし
)
られぬ、山の中を、時々すっと火の筋が
閃
(
ひらめ
)
いて通る……角に
松明
(
たいまつ
)
を
括
(
くく
)
った牛かと思う、稲妻ではない、
甲虫
(
かぶとむし
)
が月を浴びて飛ぶのか、
土地神
(
とちのかみ
)
が
蝋燭
(
ろうそく
)
点
(
つ
)
けて
歩行
(
ある
)
くらしい。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
桑畑の縁にある
芍薬
(
しゃくやく
)
の赤い芽を、小さい
甲虫
(
かぶとむし
)
の触角がしきりに撫でている。
和紙
(新字新仮名)
/
東野辺薫
(著)
毒壺の中では一つの玉虫と
甲虫
(
かぶとむし
)
が苦悶してゐます。
サンニー・サイド・ハウス
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
すると、いつの
間
(
ま
)
にか、かれの身辺をねらって、じりじりとはいよってきたふたりの
武士
(
ぶし
)
——それはまえの
甲虫
(
かぶとむし
)
だ、いきなり飛びついて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひつくりかへされた
甲虫
(
かぶとむし
)
は、仰向けになつたまゝ、六本の太い足をモゴ/\動かすばかりで、どうしても起きられません。
かぶと虫
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
彼は新しい種類の、世にまだ知られていない二枚貝を発見したのだが、そのうえまた、ジュピターの助けを借りて一匹の
甲虫
(
かぶとむし
)
を追いつめて捕えたのだ。
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
すると、二少年をとりかこんでいるあの
甲虫
(
かぶとむし
)
ともペンギン鳥ともつかない怪物こそ、これぞ外ならぬ火星人なのだ!
大宇宙遠征隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一
疋
(
ぴき
)
の
甲虫
(
かぶとむし
)
が、夜だかの咽喉にはいって、ひどくもがきました。よだかはすぐそれを
呑
(
の
)
みこみましたが、その時何だかせなかがぞっとしたように思いました。
よだかの星
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
歯朶
(
しだ
)
、毛蕊花、
毒人参
(
どくにんじん
)
、
鋸草
(
のこぎりそう
)
、じきたりす、丈高い雑草、淡緑のラシャのような広い葉がある斑点のついた大きな植物、
蜥蜴
(
とかげ
)
、
甲虫
(
かぶとむし
)
、足の早い
臆病
(
おくびょう
)
な
昆虫
(
こんちゅう
)
など、様々なものを呼び集め
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その間に静止している巨大な
甲虫
(
かぶとむし
)
、華麗な蝶々、実物大の鳩、
雛子
(
ひよっこ
)
、
木兎
(
みみずく
)
……。
白菊
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それともあの
甲虫
(
かぶとむし
)
のフィルゼルに、——いや、畜生、死ね、死ね。——
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
みると、それは
幸
(
さいわ
)
いにして狼ではなかったが、
針金頭巾
(
はりがねずきん
)
や
小具足
(
こぐそく
)
で、
甲虫
(
かぶとむし
)
みたいに身をかためたふたりの兵。手には
短槍
(
たんそう
)
を引っさげている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
武夫は勇敢にも、巨大
甲虫
(
かぶとむし
)
が落ちたと思われる
草叢
(
くさむら
)
のなかへ、猛然と躍りこんだ。お美代が止める
遑
(
いとま
)
もなかった。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼の健康について二こと三こと尋ねてから、私は、なにを言っていいかわからなかったので、G——
中尉
(
ちゅうい
)
からもう例の
甲虫
(
かぶとむし
)
を返してもらったかどうかと尋ねた。
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
初めは鉛筆の
尖
(
さき
)
で突いたほどの黒い点でしたが、だん/\大きくなつて豆粒ほどになり、
甲虫
(
かぶとむし
)
ほどになり、それから急にムクムクツと
尨犬
(
むくいぬ
)
のやうに大きくなつて
文化村を襲つた子ども
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
汽車はもう、しずかにうごいていたのです。カムパネルラは、車室の
天井
(
てんじょう
)
を、あちこち見ていました。その一つのあかりに黒い
甲虫
(
かぶとむし
)
がとまってその影が大きく天井にうつっていたのです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そう思ってお前は
甲虫
(
かぶとむし
)
の角をつかまえたわけだな。いい考えだ。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
こいつ、
体
(
からだ
)
はちいさいが、一すじなわではいかないぞ——とみた
甲虫
(
かぶとむし
)
は、やにわに
短槍
(
たんそう
)
をおっ取って、
閃々
(
せんせん
)
と突いて突いて、突きまくってくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なるほど、生物の異常成長! すると、魔の森において発見された亀のように大きい
甲虫
(
かぶとむし
)
もそれなのですね」
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
箱の中には、まつ黒い
亀
(
かめ
)
の子のやうな、大きな
甲虫
(
かぶとむし
)
が五匹も入つて、モゴモゴ動いてゐたからです。
かぶと虫
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
汽車はもう、しずかにうごいていたのです。カムパネルラは、車室の
天井
(
てんじょう
)
を、あちこち見ていました。その一つのあかりに黒い
甲虫
(
かぶとむし
)
がとまって、その
影
(
かげ
)
が大きく
天井
(
てんじょう
)
にうつっていたのです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
甲虫
(
かぶとむし
)
のように、手をついた男を見ると、かつて見かけたことのない、町人とも武士ともつかぬひとりの
侏儒
(
こびと
)
だ。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“……人間大の怪しき
甲虫
(
かぶとむし
)
の形をした怪物およそ十匹にとりかこまれた。わが携帯用無電機を眼がけて、拳をふりあげて来る。無電機をこわすつもりか……”
大宇宙遠征隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「僕だけじゃないんです。大きくなったものは全部小さくなりましたよ。ほら、石亀のように大きかった
甲虫
(
かぶとむし
)
がありましたネ。あれもこの通り小さくなりましたよ」
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
物見隊
(
ものみたい
)
の兵らしく、みな槍をもち、銃をもち、
甲虫
(
かぶとむし
)
みたいに武装したのが、ひとしく、かの女のもつ処女のうつくしさに眼を
奪
(
と
)
られて、しばらくは、ただ見まもっていた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてその鉄板は、横へ長いものが重なり合っていると見え、
甲虫
(
かぶとむし
)
のからだのようであった。
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一匹の
甲虫
(
かぶとむし
)
が、大きな岩に押し
潰
(
つぶ
)
されりゃ、もうどうすることも出来ないのだからな、アカグマ国はその大きな岩でわれわれの祖国イネ国は、
所詮
(
しょせん
)
甲虫にしか過ぎなかったんだ
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いいつけた用事をしてくれる
甲虫
(
かぶとむし
)
や、知らないうちに告げ口をする
雀
(
すずめ
)
や、歌をうたうのが
上手
(
じょうず
)
な柱などは、はじめのうちこそふしぎふしぎと手をうって、ほめたたえたけれども、それから時がたつと
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“甲虫(甲虫類)”の解説
甲虫類(こうちゅうるい)は、昆虫綱・有翅昆虫亜綱・コウチュウ目(甲虫目、鞘翅目(しょうしもく)とも)に分類される昆虫の総称。カブトムシ、クワガタムシ、カミキリムシ、ゲンゴロウ、オサムシ、ホタル、テントウムシ、ゾウムシなど、非常に多様な昆虫が所属する。
(出典:Wikipedia)
甲
常用漢字
中学
部首:⽥
5画
虫
常用漢字
小1
部首:⾍
6画
“甲”で始まる語句
甲斐
甲
甲板
甲冑
甲高
甲羅
甲走
甲斐性
甲斐甲斐
甲斐絹