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排斥
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はいせき
ふりがな文庫
“
排斥
(
はいせき
)” の例文
人間からは、不信と
排斥
(
はいせき
)
と侮辱とのみしか期待することの出來ない私は、親を慕ふ小兒のやうな
懷
(
なつか
)
しさを籠めて、自然に寄り縋つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
興味も熱心も希望ももっていない——
餓
(
う
)
えたる犬の食を求むるごとくにただただ詩を求め探している詩人は極力
排斥
(
はいせき
)
すべきである。
弓町より
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
廿世紀の写実とは、あるいは概念の肉化にあるのかも知れませんし、一概に、甘い大げさな形容詞を
排斥
(
はいせき
)
するのも当るまいと思います。
女の決闘
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それ
故
(
ゆゑ
)
に
二階
(
にかい
)
或
(
あるひ
)
は
三階
(
さんがい
)
に
居合
(
ゐあは
)
せた
人
(
ひと
)
が、
階下
(
かいか
)
を
通
(
とほ
)
ることの
危險
(
きけん
)
を
侵
(
おか
)
してまで
屋外
(
おくがい
)
に
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
さうとする
不見識
(
ふけんしき
)
な
行動
(
こうどう
)
は
排斥
(
はいせき
)
すべきである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
近来、日本のゲーム界に
君臨
(
くんりん
)
している
麻雀
(
マージャン
)
にも、いろいろとインチキが
可能
(
ポッシブル
)
である。日本麻雀聯盟でも、無論、インチキを
排斥
(
はいせき
)
している。
麻雀インチキ物語
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
よし存在してもすぐ他から
排斥
(
はいせき
)
され
踏
(
ふ
)
み
潰
(
つぶ
)
されるにきまっているからです。私はあなたがたが自由にあらん事を切望するものであります。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれど、徹底的に真実と率直と正義とを求める私としては、人のものを盗むなどいうことを徹底的に
排斥
(
はいせき
)
しもするし無論盗みなんかしない。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
そうしてお国を
重
(
おもん
)
じると同程度で他府県人を
排斥
(
はいせき
)
します。
余所
(
よそ
)
ものという一種の軽侮を含んだ言葉が出来ています。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その意味でマルクス主義のように、初めから真理を階級的だと決めてかかる態度は
排斥
(
はいせき
)
しなければならぬ。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
さびしく
或
(
あるひ
)
は
悲
(
かな
)
しい
氣持
(
きも
)
ちになつた
時
(
とき
)
に、はじめてほんとうの
自分
(
じぶん
)
といふものを
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
るものです。だからかういふ
歌
(
うた
)
も、
強
(
あなが
)
ちに
排斥
(
はいせき
)
することは
出來
(
でき
)
ません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
君の妖怪を論ずるや、一も偽怪、二も偽怪として
排斥
(
はいせき
)
し、世に妖怪なきがごとく唱うるようなれども、また真怪あるがごとく談じ、前後矛盾するようではないか。
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
さて、女の酔っぱらいを醜態の極として、日ごろ、
排斥
(
はいせき
)
はしていながら、こうして見ると、やはり一種の同情が、兵馬の胸には起るのを禁ずることができません。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いつか、島内君の時もそうだったけれども、飛山君は可哀そうに今この村の人に
排斥
(
はいせき
)
されているのだ。
贋紙幣事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
この長老がたまたま、家の印として
豹
(
ひょう
)
の爪を
有
(
も
)
つ・最も有力な家柄の者だったので、この老人の説は全長老の支持する所となった。彼等は秘かにシャクの
排斥
(
はいせき
)
を
企
(
たくら
)
んだ。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
極月の月光は曖昧の
朧気
(
おぼろげ
)
を潔癖性のように
排斥
(
はいせき
)
するので、天地は真空ほどにも浄まっています。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
……それほどの名人の泉嘉門だ! 誰だ! 嫌って
排斥
(
はいせき
)
するのは! ……ハッハッハッ、怒ってはいけない。浮世はこうしたものだからなあ。ともかく盃をいただきましょう
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
宣教師
排斥
(
はいせき
)
が一の流行になった時代に
処
(
しょ
)
して、
恚
(
いか
)
らず乱れず始終一貫同志社にあって日本人の為に尽し、「吾生涯即吾遺言也」との
訣辞
(
けつじ
)
を残して、先年終に米国に
逝
(
ゆ
)
かれた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
まもなくブラドンの態度が一変してなんら妻の死を
悼
(
いた
)
むようすがなくなったので、クロスレイ家の人々は、それをひどく不愉快に思って、
排斥
(
はいせき
)
の末、彼を下宿から追い出すにいたった。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
恋の叶わないで死ぬのは馬車へ乗れないで憤死するのと少しも変った事はない。恋愛という事は人の我儘だ。若い内の罪過だ。動物性の劣情だ。褒めるどころか最も
排斥
(
はいせき
)
すべきものだ。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
僕が夢を一概に迷信として
排斥
(
はいせき
)
すべからずといったのもこれがためである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
暗々裡
(
あんあんり
)
にツァンニー・ケンボを
排斥
(
はいせき
)
するの動機が広く現われて居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「それで阪井の
親父
(
おやじ
)
が校長
排斥
(
はいせき
)
をやったんだ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
塵
(
ちり
)
積って山をなすと云うから、微々たる一生徒も
多勢
(
たぜい
)
が
聚合
(
しゅうごう
)
すると
侮
(
あなど
)
るべからざる団体となって、
排斥
(
はいせき
)
運動やストライキをしでかすかも知れない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
換言すれば、諸君のかつて
排斥
(
はいせき
)
したところの詩人の
堕落
(
だらく
)
をふたたび繰返さんとしつつあるようなことはないか。
弓町より
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
前よりも幾らか
優
(
やさ
)
しかつた、——宛も、單なる冷淡さではどれ位まつたく私が
排斥
(
はいせき
)
され、呪はれてゐるかを十分に思ひ知らないことを恐れてゐるかのやうに
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
僕はそんな
莫迦気
(
ばかげ
)
たことがと
排斥
(
はいせき
)
していたのが、そもそも大間違いではなかったかと考え直し、それからもう一度一切の整理をやり返すと、始めてすこし事情が判って来た。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私とてもその頃はまだ、別にこれという団体に属しているのでもなく、真剣な運動に携わったこともないので、別にこれを
軽蔑
(
けいべつ
)
しもしなければ、
排斥
(
はいせき
)
しようという気にならなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
あらゆる不合理の迷信を
排斥
(
はいせき
)
している科学文明! それが現代の社会である。スタイナッハの若返り法さえ、怪しくなった今日である。天保時代の人間が、活きていようとは思われない。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
売る者は売れ、
俺等
(
おいら
)
は売らぬ、と
澄
(
す
)
まして居た反対
側
(
がわ
)
の人達も、
流石
(
さすが
)
に
怒
(
おこ
)
り出した。腰弁当、提灯持参、
草鞋
(
わらじ
)
がけの運動がはじまった。村会に向って、
墓地
(
ぼち
)
排斥
(
はいせき
)
の決議を促す申請書を出す。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
匡
(
きょう
)
では暴民の
凌辱
(
りょうじょく
)
を受けようとし、宋では
姦臣
(
かんしん
)
の
迫害
(
はくがい
)
に
遭
(
あ
)
い、
蒲
(
ほ
)
ではまた
兇漢
(
きょうかん
)
の
襲撃
(
しゅうげき
)
を受ける。諸侯の敬遠と
御用
(
ごよう
)
学者の嫉視と政治家連の
排斥
(
はいせき
)
とが、孔子を待ち受けていたもののすべてである。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
社会から
排斥
(
はいせき
)
されている。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
そういう趣味ならば、すくなくとも私にとっては極力
排斥
(
はいせき
)
すべき趣味である。一事は万事である。
弓町より
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
ただ漢人はこれをごまかし飾ることを知り、我々はそれを知らぬだけだ、と。漢初以来の
骨肉
(
こつにく
)
相
(
あい
)
喰
(
は
)
む内乱や功臣連の
排斥
(
はいせき
)
擠陥
(
せいかん
)
の跡を例に引いてこう言われたとき、李陵はほとんど返す言葉に窮した。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
宜道
(
ぎだう
)
にさう
云
(
い
)
ふと、
宜道
(
ぎだう
)
は一も二もなく
宗助
(
そうすけ
)
の
考
(
かんがへ
)
を
排斥
(
はいせき
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“排斥”の意味
《名詞》
排 斥(はいせき)
受け入れがたいとして拒み退けること。
(出典:Wiktionary)
排
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
斥
常用漢字
中学
部首:⽄
5画
“排”で始まる語句
排
排泄
排擠
排列
排撃
排泄物
排気
排除
排出
排他的