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後裔
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こうえい
ふりがな文庫
“
後裔
(
こうえい
)” の例文
そして現在においても科学者と称するものの中に、この三者の
後裔
(
こうえい
)
が、なおまれには存在している事を彼によって教えられるのである。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その
後裔
(
こうえい
)
に当る黒田藩士梅津源蔵正武氏(正利氏令息で隠居して一朗といった)と、その妻判女(児玉氏)との間に一女二男が生まれた。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
現在の住民を
北夷
(
ほくい
)
の
後裔
(
こうえい
)
だと認めない以上は、そうしたアイヌ語が伝わって今に至った手順も想像してみなければならなかった。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ブールボン島の生まれで、ローズ騎士の
後裔
(
こうえい
)
で、俗世ではローズ嬢と言われ、修道院ではアッソンプシオン長老と言われていた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
とりわけ井沢はほまれある武門の
後裔
(
こうえい
)
で、家風の正しい家と聞いておりますから、いま私の方で断っても承知いたしますまい。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
▼ もっと見る
系ハ
県主稲万侶
(
あがたぬしいねまろ
)
ニ
出
(
い
)
ヅ。稲万侶ノ
後裔
(
こうえい
)
二郎
左衛門尉
(
さえもんのじょう
)
直光知多郡鷲津ノ
地頭
(
じとう
)
ト
為
(
な
)
ル。
因
(
よっ
)
テ氏トス。数世ノ孫甚左衛門
諱
(
いみな
)
繁光
徙
(
うつ
)
ツテ今ノ
邑
(
むら
)
ニ居ル。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
自分は室町時代の赤松家の
後裔
(
こうえい
)
の者であるということを名乗って、赤松家の系図などについて立話しながら、要領のある話をしたことを覚えている。
百姓弥之助の話:01 第一冊 植民地の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼は征夷大将軍を称し頼朝の
後裔
(
こうえい
)
たることを看板にしたが、幕府の経営方針などにも多分に頼朝を学んだ跡があり
家康
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
その頃は、今のように焦燥の生活をしなくてもよかったので、数代も名工の
後裔
(
こうえい
)
が、殿様の
庇護
(
ひご
)
の
下
(
もと
)
で研究を続けて、一つのかまを完成したのである。
九谷焼
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
榊原小平太
(
さかきばらこへいた
)
の
後裔
(
こうえい
)
だなんていばっていてもあの榊原の軍勢もだめだ、
彦根
(
ひこね
)
もだめだ、赤鬼の名をとどろかした御先祖の井伊
直政
(
なおまさ
)
に恥じるがいいなんて
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この女性は上古の祝融氏の
後裔
(
こうえい
)
だといわれる家から嫁いできて、よく馬に乗りよく騎射し、わけて短剣をつかんで飛ばせば百発百中という秘技を持っていた。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
城持ちの諸侯ではなかったが、名将の血を
享
(
う
)
けた
後裔
(
こうえい
)
というところから、捨て
扶持
(
ぶち
)
二万石を与えられて、特に客分としての待遇をうけている特別扱いの一家でした。
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
結局昭宣公の長男たる時平の
後裔
(
こうえい
)
は栄えずにしまって、四男の忠平が、後に従一位摂政関白太政大臣になったのみならず、その一門は皆出世して
顕要
(
けんよう
)
の職に
就
(
つ
)
いた。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
抽斎の
後裔
(
こうえい
)
にして今に存じているものは、上記の如く、先ず指を牛込の渋江氏に屈せなくてはならない。主人の保さんは抽斎の第七子で、継嗣となったものである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「親父は何かの罪亡ぼしのつもりかも知れない。」と笑っているそうであるが、さてその深見氏が、かの森戸家の
後裔
(
こうえい
)
であるかどうか、そんなことは勿論わからない。
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
がとにかく、この人がチェーホフの唯一の
後裔
(
こうえい
)
のように言われるのは
予
(
かね
)
て耳にしていたものの、こうまでチェーホフ的なものを吾が物にしていようとは夢にも思わなかった。
チェーホフの短篇に就いて
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
その時分の生徒は皆恐らく今
此所
(
ここ
)
には一人もいないでしょう、卒業したでしょうけれども、しかし貴方がたはその
後裔
(
こうえい
)
といいますか、
跡続
(
あとつ
)
ぎ見たような子分見たような者で
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此の戦乱の後期で注目す可きは賊軍の悪名を受けた西軍が南朝の
後裔
(
こうえい
)
を戴いたことである。日尊と称する方で、紀伊に兵を挙げられた。『大乗院寺社雑事記』文明三年の条に
応仁の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
理想的なガスコン人ども——スキュデリーやラ・カルプルネード——のふさわしい
後裔
(
こうえい
)
であり、真の英雄主義の敵たる、あり得べからざる虚偽の英雄主義の
謳歌
(
おうか
)
者であった……。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
この民族が羅馬人の
後裔
(
こうえい
)
であるか、エトラスケールであるかなぞということは夢にも知らずに接しているのでありますから、彼らにとってはさながら夢幻の国にでも遊んでいるような
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
関の孫六の
後裔
(
こうえい
)
、得印老士兼光の低声が、羽虫の音のようにつづいてゆく。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
したがって自分は子守か
乳母
(
うば
)
の真似をしていればよいと思うか、あるいは自分の
預
(
あずか
)
れるものは日本国を
負
(
お
)
うて立つ
後日
(
ごじつ
)
の国民である。中には貴族の子もあり
富豪
(
ふごう
)
の愛嬢もあり、また学者の
後裔
(
こうえい
)
もある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
大炊之助は
池大納言
(
いけだいなごん
)
三十二代の
後裔
(
こうえい
)
だというのであった。
壁の眼の怪
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
ジャムシード*らの
後裔
(
こうえい
)
はうたげに興じ
ルバイヤート
(新字新仮名)
/
オマル・ハイヤーム
(著)
実際昔も今も、科学の前衛線に立って何か一つの新しき道を開いた第一流の学者たちは、ある意味でルクレチウスの
後裔
(
こうえい
)
であった。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
この故に名探偵ダーウィンと、ウォーレスは同時に万有進化の原則を看破し、「人間は猿の子孫である。神の
後裔
(
こうえい
)
ではない」
甲賀三郎氏に答う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そのルイ十四世大王の
後裔
(
こうえい
)
たる王によって、かえってブランデンブルグ侯爵として最も微妙な横柄さをもって待遇せられた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
あるひは言ふ水中にあつて卒中症を発したるならんと。時に年四十
又
(
ゆう
)
三なり。その
配
(
はい
)
中村氏は南畆先生が
外姑
(
がいこ
)
の
後裔
(
こうえい
)
なり。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
鼠を
日
(
ひ
)
の
大神
(
おおかみ
)
の
後裔
(
こうえい
)
とし、ニルヤカナヤをもって彼らの故郷とするような驚くべき俗信は、是より以外にその原因を考え出すことはできぬようである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
都新聞の学芸部長であった作家の
上泉秀信
(
かみいずみひでのぶ
)
氏は、上泉伊勢守の
後裔
(
こうえい
)
だと人から聞いていたので、或る時
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
最も由緒の正しい加藤肥後守の
後裔
(
こうえい
)
は、あの銀杏加藤の奥方、ただいま問題の、名古屋第一のその当人の生家がそれだという評判は、この席の中にも熟してきました。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
宗像加兵衛、同
吉太夫
(
きちだゆう
)
の兄弟は、宗像中納言
氏貞
(
うじさだ
)
の
後裔
(
こうえい
)
で、親清兵衛
景延
(
かげのぶ
)
の代に召し出された。兄弟いずれも二百石取りである。五月二日に兄は流長院、弟は
蓮政寺
(
れんしょうじ
)
で切腹した。
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
現実世界は山を越え、海を越えて、
平家
(
へいけ
)
の
後裔
(
こうえい
)
のみ住み古るしたる孤村にまで
逼
(
せま
)
る。
朔北
(
さくほく
)
の
曠野
(
こうや
)
を染むる血潮の何万分の一かは、この青年の動脈から
迸
(
ほとばし
)
る時が来るかも知れない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ぐずり御免のお墨付と共に、家光公より拝領の名笛が維新後赤坂辺に
逼息
(
ひっそく
)
していられたその
後裔
(
こうえい
)
に伝えられていたという話ですが、今どこへいったか、現存すれば博物館ものでしょう。
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
此のうち、忠幹の母は在原氏ではなく、伊豫守未並と云う者の女子としてあって、此の
後裔
(
こうえい
)
は後まで長くつゞいたらしいが、世光と保命には後がなく、
且
(
かつ
)
その母は誰であるとも記してない。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
現在先端的な問題の一つと考えらるる宇宙線の研究でも、実はこの昔の粗末な実験の
後裔
(
こうえい
)
であるとも見られなくはないのである。
物理学圏外の物理的現象
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
かくのごときが実に、ルイ十四世の
後裔
(
こうえい
)
たる諸大侯によってなされ、ナポレオンの下より輩出した諸将軍によって導かれたこの戦争の実状であった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
神田明神では
平将門
(
たいらのまさかど
)
の霊を祀り、佐野はその将門を攻めほろぼした
俵藤太秀郷
(
たわらとうたひでさと
)
の
後裔
(
こうえい
)
だからというのであります。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
われ小石川
白山
(
はくさん
)
のあたりを過る時は、
必
(
かならず
)
本念寺に入りて
北山
(
ほくざん
)
南畆両儒の墓を弔ひ、また南畆が
後裔
(
こうえい
)
にしてわれらが友たりし
南岳
(
なんがく
)
の墓に
香華
(
こうげ
)
を
手向
(
たむ
)
くるを常となせり。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
時に、わが君劉玄徳には、その血液に漢室の正脈をつたえ、その義においては、救世の実を天地に誓う。すなわち
中山靖王
(
ちゅうざんせいおう
)
の
後裔
(
こうえい
)
におわし、現皇帝の皇叔にあたられる。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
源三位頼政
(
げんざんみよりまさ
)
の
後裔
(
こうえい
)
もここに落ちて来た。熊野で
入水
(
じゅすい
)
したという
平維盛
(
たいらのこれもり
)
もこの地へ落ちて来た。
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
大村には勝重の
往
(
ゆ
)
く前に、
源頼朝
(
みなもとのよりとも
)
時代から続いている渋江
公業
(
こうぎょう
)
の
後裔
(
こうえい
)
がある。それと下野から往った渋江氏との関係の
有無
(
ゆうむ
)
は、なお講窮すべきである。辰盛が抽斎五世の祖である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
あの少女が美しいかどうかと
訊
(
き
)
かれて平気で返事の出来る青年は、恋愛遊戯に疲れた不良連中か、又は八犬伝や
水滸伝
(
すいこでん
)
に出て来る性的不能患者の
後裔
(
こうえい
)
だからね……しかし君はあの少女を
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
読者のうちには多分ご承知の方もあろうが、昔からあの地方、
十津川
(
とつかわ
)
、北山、川上の
荘
(
しょう
)
あたりでは、今も土民によって「南朝様」あるいは「自天王様」と呼ばれている南帝の
後裔
(
こうえい
)
に関する伝説がある。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
宿直をして
鼻垂
(
はなった
)
れ
小僧
(
こぞう
)
にからかわれて、手のつけようがなくって、仕方がないから泣き寝入りにしたと思われちゃ一生の名折れだ。これでも元は
旗本
(
はたもと
)
だ。旗本の元は
清和源氏
(
せいわげんじ
)
で、
多田
(
ただ
)
の
満仲
(
まんじゅう
)
の
後裔
(
こうえい
)
だ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
写実画派の
後裔
(
こうえい
)
の多数はただ祖先の目を通して以外に天然を見ない。元祖の選んだ題材以外の天然を写すものは異端者であり反逆者である。
備忘録
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
この詩の方の名前は、十八世紀にジェスタス子爵が自分はある悪党の
後裔
(
こうえい
)
であると言った主張を裏切るものだった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ましてやその次に起った荘園制の痕跡に至っては、現にその管理者の
後裔
(
こうえい
)
の近くに住んでいる場合も多いのだから、残っている方が当り前であったと言える。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この鳥屋尾左京を網受けの元祖として、米友はその流れを汲んで、やはり宇治橋の下で網受けをしているけれど、身分は左京の
後裔
(
こうえい
)
でもなんでもない、同じく拝田村系統のほいとの出であります。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私が
大礼
(
たいれい
)
に参列するために京都へ立たうとしてゐる時であつた。私の加盟してゐる某社の雑誌が来たので、忙しい中にざつと目を通した。すると仙台に
高尾
(
たかを
)
の
後裔
(
こうえい
)
がゐると云ふ話が出てゐるのを見た。
椙原品
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
後
常用漢字
小2
部首:⼻
9画
裔
漢検1級
部首:⾐
13画
“後”で始まる語句
後
後生
後退
後方
後悔
後姿
後家
後手
後日
後世