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強請
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ゆす
ふりがな文庫
“
強請
(
ゆす
)” の例文
すると、或る日のこと、この神明のあたりを地廻りのようにごろ付いている千次という奴がさつきの帳場へ来て、幾らか
強請
(
ゆす
)
りました。
半七捕物帳:64 廻り灯籠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
綺麗な女の子をさらつたのは、親を
強請
(
ゆす
)
つて金にする外に、身體の良いのは、輕業娘に仕立てて、田舍向の
香具師
(
やし
)
に賣るつもりだらう。
銭形平次捕物控:171 偽八五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「さようさようそうだそうです。
親父
(
おやじ
)
を生かして返してくれ、それが出来なかったら財産を渡せ——こう云って
強請
(
ゆす
)
ったということで」
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
が、治まらないのは馬子先生である。法外な賃金を
強請
(
ゆす
)
って
頑
(
がん
)
として動かぬ。欲張りの田舎者ほど
面
(
つら
)
憎いものはない。将軍忽ち
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
「こんなおもしろい聞き込みは近ごろありますまい。ひとつその破戒坊主の範宴をさがし出して、うんと
強請
(
ゆす
)
ってやったらどうでしょう」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
私たちはその窓から電話やタイプライタアの
強請
(
ゆす
)
つたり吃つたりする音の聞えてくる商館の間を何となくぶらぶらしてみたり
旅の絵
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
先月末に二十人ほど工員が
馘
(
くび
)
を切られたとき、わたしを煽動してストライキを起こす張本人たらしめ、社長を脅して一万円の金を
強請
(
ゆす
)
り取り
五階の窓:06 合作の六(終局)
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
『じゃあ一体、二人が矢島を
強請
(
ゆす
)
ったとか、話を丸く収めなかったのが、つまりこの事件の動機だね。ありゃあ一体どうして判ったのかね?』
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
強請
(
ゆす
)
られるようになって、うるさがっていたと云う事は蔽うべからざる事実じゃからね。じゃ君はあの女はどうして行方不明になったと思うのだね
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
市川
海老蔵
(
えびぞう
)
は甲府へ乗り込む時にここの川越しに百両の金を
強請
(
ゆす
)
られたために
怖毛
(
おぞけ
)
を
振
(
ふる
)
って、後にこの本街道を避けて大菩薩越えをしたということ。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
今の
腕車
(
くるま
)
に、私が乗っていたのを知って、
車夫
(
わかいし
)
が
空
(
から
)
で駆下りた時、足の爪を
轢
(
ひ
)
かれたとか何とか、因縁を着けて、
端銭
(
はした
)
を
強請
(
ゆす
)
るんであろうと思った。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「糞、豚小屋みたいな空屋に俺たちを叩き込んで置いて、手前は寄附を
強請
(
ゆす
)
って世の中の人間を瞞しこんでいるんじあねえか。利いた風な口を利くねえ!」
放浪の宿
(新字新仮名)
/
里村欣三
(著)
夏子であればこそ屡々穴川甚蔵に
強請
(
ゆす
)
られもするのだ、甚蔵の姉(だか妹だか)に当る虎井夫人を憎みながらも猶自分の傍より追い退ける事が出来ぬのだ。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
又よく
無頼漢
(
ならずもの
)
や不良少年見たような者が生徒をからかいに来たり、母を
脅迫
(
おどか
)
してお金を
強請
(
ゆす
)
ったりしましたが、そんな時も母は一人で叱り付けて追い払いました。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
其の百姓の家だから旨く往ったら二三百両も
強請
(
ゆす
)
って
往
(
い
)
こうという権幕で、相手は名に負う又旅お角、是はちょく/\旅へ出て、昨日帰ったかと思うと又今日旅へ出た
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これは
普通
(
ただ
)
の泥棒ではない、きっと何か
計画
(
たくら
)
んでいるんだろう。殊によると今夜の行動を最初から見ていて、僕の弱点に附け込み、金品を
強請
(
ゆす
)
ろうというのかも知れない。
黒猫十三
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
『叔母に直接談判したところで、易々とは手離すまい。よし彼奴を
強請
(
ゆす
)
るに限る』
『七面鳥』と『忘れ褌』
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
とくに車夫が車賃を貰うて車を引くように、愛国賃を貰うて愛国する者や、愛国を売り物にして
強請
(
ゆす
)
って歩いたり無銭飲食をしたりする輩に至っては、言行不一致もまたすこぶるはなはだしい。
人間生活の矛盾
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
これを
材料
(
たね
)
にして
盛
(
さかん
)
に
暗
(
やみ
)
から暗へ辛辣な手を延ばして、大金を
強請
(
ゆす
)
り取り、ついには閣員を脅迫して代議士になりすまし、当路の大官、醜代議士連の弱点を押えては私利私欲を
恣
(
ほしいまま
)
にしているが
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
加代姫は、六平になにか弱い尻をにぎられていて、今まで
強請
(
ゆす
)
られるたびに金を出していた。そのへんまでは我慢が出来たが、酌をしに来いとまでつけあがるんじゃ、この先のことを思いやられる。
顎十郎捕物帳:21 かごやの客
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
まるで大人の無頼漢が
強請
(
ゆす
)
るような威圧を聞いたりした。
われらの家
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
お金を
強請
(
ゆす
)
り取るのをしょうばいにしているんです
雪と泥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「サア判らねえ、お紋はどうして小屋を拔け出して子供をさらつたんです。——和吉があつしに化けて金を
強請
(
ゆす
)
つたのはわかるが」
銭形平次捕物控:171 偽八五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その車を挽いて行った車夫が怪しんで
強請
(
ゆす
)
りかけると、又作はおどろかず、車の蹴込みの板を取って車夫をぶち殺して立ち去る。
寄席と芝居と
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ところがその後ずっと後になって、ごろつきのような人間が、この征矢野家へやって来て、先代を
強請
(
ゆす
)
ったということですな」
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私たちはその窓から電話やタイプライタアの
強請
(
ゆす
)
ったり
吃
(
ども
)
ったりする音の聞えてくる商館の間を何となくぶらぶらしてみたり
旅の絵
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
破戒不浄の
似非門跡
(
えせもんぜき
)
に会って、面皮を
剥
(
む
)
いてくれねば帰らぬと、玄関に立ちふさがる
輩
(
やから
)
もあるし、嫌がらせをいって、金を
強請
(
ゆす
)
りにくる無頼漢や浪人もあった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そ
奴
(
いつ
)
をあの晩ゴタゴタ並べて
強請
(
ゆす
)
りに来たんだ。だから片付けちまったんだ。
只
(
ただ
)
、それだけさ。
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
支倉を
強請
(
ゆす
)
って金にするとは上には上があるものだと感心しながら、石子刑事は膝を進めた。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
恐
(
おそ
)
ろしい、
男
(
をとこ
)
を
食
(
く
)
つて
骨
(
ほね
)
を
秘
(
かく
)
す、と
村
(
むら
)
のものが
嬲
(
なぶ
)
つたつけの……
真個
(
ほん
)
の
孤屋
(
ひとつや
)
の
鬼
(
おに
)
に
成
(
な
)
つて、
狸婆
(
たぬきばゞあ
)
が、
旧
(
もと
)
の
色仕掛
(
いろじか
)
けで
私
(
わし
)
に
強請
(
ゆす
)
つて、
今
(
いま
)
では
銭
(
おあし
)
にするでがすが、
旦那
(
だんな
)
、
何
(
なに
)
か
買
(
か
)
はしつたか
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
内緒
(
ないしょう
)
の苦しいのが多く、うわべは大身に構えても、町人に借金があって首が廻らなかったり、また
札差
(
ふださし
)
をさんざん
強請
(
ゆす
)
るようなことが、少なくとも
己
(
おの
)
れの家に限ってはその憂いのないことと
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私
(
わっち
)
が嚊を連れて旦那の処へ
強請
(
ゆす
)
りに往った処が
私
(
わっち
)
の
襟首
(
えりっくび
)
を
掴
(
つか
)
めえての御意見が身に
染
(
し
)
みて、お奉行様の御理解でも
聾
(
つんぼ
)
程も聞かねえ國藏が改心して、これから真人間になって稼ごうと思ったけれども
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
連判状を
材料
(
たね
)
に金を
強請
(
ゆす
)
ろうと計っていたのでした
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
「幸田、貴様、俺を
強請
(
ゆす
)
る気か!」
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
お前、人を
強請
(
ゆす
)
る気だね。
お久美さんと其の周囲
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「工員を
煽動
(
せんどう
)
してストライキを起こさせ、そいつを種に社長を
強請
(
ゆす
)
る。……きみのような人間がいるからだよ、運動が途中で
挫折
(
ざせつ
)
するのは」
五階の窓:05 合作の五
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「盜人は容易ならぬ人間だ。それを
強請
(
ゆす
)
るにしちやお角の樣子は
暢氣
(
のんき
)
過ぎた。俺は盜人の隱した金を探し當てたんだと思ふよ」
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
在方
(
ざいかた
)
を
徘徊
(
はいかい
)
する悪い虚無僧の中には、断れば断るほど
下手
(
へた
)
な尺八を吹き立てて、
揚句
(
あげく
)
の果てには
強請
(
ゆす
)
りだすような者もあるが、今のは源内の
一言
(
ひとこと
)
でピッタリ止んだ。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一所
不定
(
ふじょう
)
の雲助め、往来の旅人を苦しめる雲助め、おそらく何かの弱味を見つけておれを
強請
(
ゆす
)
ろうという下心であろうと、今宮さんは彼を憎むの念が一層強くなりましたが
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
さても、どれほどの
好男
(
いいおとこ
)
に生れ
交
(
かわ
)
って、どれほどの
金子
(
かね
)
を使ったら、遊んでこれだけ
好遇
(
もて
)
るだろう。——しかるにもかかわらず、迷いは、その叔母さんに俥賃を
強請
(
ゆす
)
って
北廓
(
なか
)
へ飛んだ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
國「己は去年の暮
強請
(
ゆす
)
りに往ったからいけねえ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
女敵討を言い立てて、かりそめにも敵から飲み代を
強請
(
ゆす
)
るような男が、大事の金主を殺すはずはないと思ったのでしょう。
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
……徒党を組んでの、押し借り
強請
(
ゆす
)
りの薬が利きすぎ、とうとう
幕府
(
おかみ
)
から、お触れ書きさえ出されましたっけねえ。あっしゃア、
暗記
(
そら
)
で覚えておりやす。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
早い話が、御用道中の悪い奴に出っくわすと、駕籠屋があべこべに
強請
(
ゆす
)
られます。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
黄金を
強請
(
ゆす
)
りながら、あいつと、生き
較
(
くら
)
をしてみたいのだ
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それを、一から十まで見て居た者が二人あつたのだ。一人は主人の弟の彌之助、それを種にお前を
強請
(
ゆす
)
つて、お前の身體を儘にしようとした」
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
去年も来た、
一昨年
(
おととし
)
も来た。……普通の日にもやって来て、私を
強請
(
ゆす
)
ったことさえある。……あいつは誤解を
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
かれは本所の
木賃宿
(
きちんやど
)
に転がっていて、お元から
強請
(
ゆす
)
る金を酒と女に遣い果たすと、すぐに又お鉄をよび出して来た。お元も嫁の身の上で、店の金銭を自分の自由にするわけにはゆかなかった。
半七捕物帳:37 松茸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「あああ、さては
強請
(
ゆす
)
ったな……」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その寸法書を保存しておいて、数年に
亙
(
わた
)
って出羽屋を
強請
(
ゆす
)
ったのは、前後の事情から、火のように明らかになりました。
銭形平次捕物控:044 お民の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“強請”の意味
《名詞》
(きょうせい、ごうせい)無理に頼むこと。
「ゆすり」参照。
「もがり」参照。
(出典:Wiktionary)
強
常用漢字
小2
部首:⼸
11画
請
常用漢字
中学
部首:⾔
15画
“強請”で始まる語句
強請事
強請場
強請者
強請的
強請言