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大喝
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だいかつ
ふりがな文庫
“
大喝
(
だいかつ
)” の例文
「おのれ、長二ツ」と篠田は我と我が心を
大喝
(
だいかつ
)
叱咜
(
しつた
)
して、
嚇
(
かく
)
とばかり
眼
(
まなこ
)
を開けり、
重畳
(
ちようでふ
)
たる灰色の雲破れて、
武甲
(
ぶかふ
)
の高根、雪に輝く
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
すぐ
御葉山
(
みはやま
)
の下の鐘楼の鐘が、耳もとで鳴るように、いんいんと初更をつげわたると、範宴は、はっとわれに
回
(
かえ
)
って、思わず
大喝
(
だいかつ
)
に
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ずばりと
大喝
(
だいかつ
)
一声! いいつつぱらりと雪ずきんをかなぐりすてると、うって変わって、すうと
溜飲
(
りゅういん
)
のさがる伝法な啖呵でした。
右門捕物帖:21 妻恋坂の怪
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
いきおい込んでいた彼にとって、この
大喝
(
だいかつ
)
は、まッ向からどさッとぶち当った。問いかえす間もなく、阿賀妻は満面に朱をそそいで云った。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
と蠅男の
大喝
(
だいかつ
)
と共に長い黒マントの肩先がブルブルと
痙攣
(
けいれん
)
するより早く、ダダダッと耳をつん裂くような激しい銃声!
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
こは
好
(
よ
)
き獲物よと、急ぎ走り
寄
(
よっ
)
て足に押へ、
已
(
すで
)
に喰はんとなせしほどに。忽ち
後
(
うしろ
)
に声ありて、「憎き野良犬、
其処
(
そこ
)
動きそ」ト、
大喝
(
だいかつ
)
一
声
(
せい
)
吠
(
ほ
)
えかかるに。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
相手は
大喝
(
だいかつ
)
したらしい、声は聞えなかったが、口と両眼をいっぱいにあけ、充血した顔に歯を
剥
(
む
)
き出し、そうして刀を打ちおろしながら踏み込んで来る。
日日平安
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「裸になれ!」と
大喝
(
だいかつ
)
した。そう云われて、相手はおずおずと
釦
(
ボタン
)
を
外
(
はず
)
しだした。が、教官はいよいよ
猛
(
たけ
)
って来た。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
丁度
墨染
(
すみぞめ
)
の麻の衣の禅匠が役者のような
緋
(
ひ
)
の衣の坊さんを
大喝
(
だいかつ
)
して三十棒を
啗
(
くら
)
わすようなものである。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
平次がいきなり
大喝
(
だいかつ
)
すると、權八は
雷鳴
(
かみなり
)
に打たれたやうに、がばと身を起して居ずまひを直しました。
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
最後の五百メエトルに日本選手は
渾身
(
こんしん
)
の勇を
揮
(
ふる
)
って、ピッチを四十に上げ、見る見る中に伊太利へ追い着くと見え伊太利の
舵手
(
だしゅ
)
ガゼッチも
大喝
(
だいかつ
)
一声、漕手を
励
(
はげ
)
まし
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
と、三つボタンは
大喝
(
だいかつ
)
して拳をふりあげた。もういよいよ我慢がならんといった彼の顔つきだった。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「本当に、そのお心掛けが大事ですわね」と
真面目
(
まじめ
)
に感心したような口調で申しますので、立つ瀬が無く、「無礼者!」と
大喝
(
だいかつ
)
して女を力まかせに殴り、諸行無常を観じ
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
南部
(
なんぶ
)
の山中から
駈
(
か
)
け出した十六歳の少年が仙台で将軍の
応接間
(
おうせつま
)
の椅子に先ず腰かけて「馬鹿ッ!」と
大喝
(
だいかつ
)
されてから、二十八歳の休職士官が失意失恋故山に
悶死
(
もんし
)
するまで
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
思切
(
おもいき
)
り大声を
張上
(
はりあ
)
げて「誰だ!」と
大喝
(
だいかつ
)
一声
(
いっせい
)
叫んだ、すると
先方
(
さき
)
は、それでさも安心した様に、「先生ですか」というのだ、私はその声を聞いて、「
吉田
(
よしだ
)
君かい」というと
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
悟空また同じく本相を
顕
(
あら
)
わし、
大喝
(
だいかつ
)
一声するよと見るまに、身の高さ一万丈、
頭
(
かしら
)
は
泰山
(
たいざん
)
に似て眼は日月のごとく、口はあたかも血池にひとし。奮然鉄棒を
揮
(
ふる
)
って牛魔王を打つ。
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「あなただって官衙にいるんじゃありませんか」とラスコーリニコフは
大喝
(
だいかつ
)
一声した。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
突然進みて生田の腕を捕え
大喝
(
だいかつ
)
一声に「法律の名に於て
其方
(
そのほう
)
を捕縛する」と叱り附る
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
弁兆は徳利を落し、さて、
臍下丹田
(
せいかたんでん
)
に力を籠めて、まず
大喝
(
だいかつ
)
一番これに応じた。
閑山
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
浴槽
(
よくそう
)
に浸りおられたる儀山禅師、その
刹那
(
せつな
)
に
大喝
(
だいかつ
)
一声、ばかッとどなられた。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
と七人の異体の知れぬ豪傑のうちの一人が、与八に向って
大喝
(
だいかつ
)
しました。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と叔父は
大喝
(
だいかつ
)
した。叔父は植物学こそ国家の為めだと思っている。
変人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
御行 (興奮して、
大喝
(
だいかつ
)
する)
生意気
(
なまいき
)
を云うなッ!
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
其
(
そ
)
の
顏
(
かほ
)
も
上
(
あ
)
げさせず、
黒髯
(
くろひげ
)
は
大喝
(
だいかつ
)
して
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
如来衛門は
大喝
(
だいかつ
)
した。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
清盛は
大喝
(
だいかつ
)
した。
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
むしろ、それを誘発し、その心理的な機会を待ってでもいたように、この時、大岡越前守も満身の気をこめて、
大喝
(
だいかつ
)
を発した。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「黙れ女、控えおろうぞ」武士は
大喝
(
だいかつ
)
した、「これ返答をしろ、其の方はなに者であるか」
長屋天一坊
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
威嚇しながら、同じくすいすいと歩み近よったかと思われましたが、同時に
大喝
(
だいかつ
)
!
旗本退屈男:03 第三話 後の旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「虎! ……権!」とつづけざまに
大喝
(
だいかつ
)
した。そして、いきなり両肌をぬいで
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
と
大喝
(
だいかつ
)
したその太い声は、いまや引金を引こうとする「折れた紫陽花」の精神を乱すのに充分だった。声にのまれて思わずハッとするところへ、右手が後へねじられて、手首がピーンと
痺
(
しび
)
れた。
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
道庵先生が
大喝
(
だいかつ
)
一声しました。米友が眼を円くしていると
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と社長は
大喝
(
だいかつ
)
一声、食堂へ入ってしまった。
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
紋太夫は
大喝
(
だいかつ
)
した。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼は
大喝
(
だいかつ
)
した。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
と、足蹴にかけないばかり
大喝
(
だいかつ
)
で追い払われた。その後、愚堂の心にかなう所を認められたか、許されて室に参じたが、或る折、前の一詩を示して
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
久良馬は
大喝
(
だいかつ
)
した、少ししゃがれた、よく徹る声で、玄関の天床がびんと反響した。
初夜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
猪
(
いのしし
)
のように鼻をふくらまして、小次郎がおどりこむと、先ず
大喝
(
だいかつ
)
をあびせた。
流行暗殺節
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
首領は
大喝
(
だいかつ
)
した。からだがいかりでブルブルふるえた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お国なまりの
大喝
(
だいかつ
)
。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それでも、癒らぬ者は、張角自身が行って、
大喝
(
だいかつ
)
の
呪
(
じゅ
)
を
唱
(
とな
)
え、病魔を家から追うと称して、
符水
(
ふすい
)
の法を施した。それで起きない病人はほとんどなかった。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と答えた、時宗は
大喝
(
だいかつ
)
し、元軍討滅の決意をかためたという
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ひらり舞台におどり上がると、
大喝
(
だいかつ
)
一声!
右門捕物帖:23 幽霊水
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
モレロの
大喝
(
だいかつ
)
だった。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と
大喝
(
だいかつ
)
しました。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ここまで、黙って聞いた
林冲
(
りんちゅう
)
は、ついにその
双眉
(
そうび
)
をきっと青白い炎にして、末席の椅子から
大喝
(
だいかつ
)
を発した。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一声鋭く
大喝
(
だいかつ
)
いたしました。
右門捕物帖:13 足のある幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
意外な
大喝
(
だいかつ
)
を投げて、そこから吹き出した松葉の
煙
(
けむ
)
といッしょに、二本の十手がおどッて出たので
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「だまれっ」と、辺りの耳を奪うような
大喝
(
だいかつ
)
で叱った。面に、朱をそそいで立腹したのである。
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ドンとつぎの
千畳敷
(
せんじょうじき
)
へ投げつけられた。起きあがると、またふたたび、
毛受勝介
(
めんじゅかつすけ
)
の
大喝
(
だいかつ
)
一
声
(
せい
)
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“大喝”の意味
《名詞》
大喝(だいかつ)
大きな声で叱ること。
(出典:Wiktionary)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
喝
常用漢字
中学
部首:⼝
11画
“大喝”で始まる語句
大喝采
大喝一声
大喝棒
大喝釆
大喝叱咤
大喝采裡