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囚人
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しゅうじん
ふりがな文庫
“
囚人
(
しゅうじん
)” の例文
「
今日
(
こんにち
)
より右平林の
後役
(
あとやく
)
は其の方に申付けるによって役宅に
住
(
すま
)
い、不都合なきよう島内
囚人
(
しゅうじん
)
の取締を致せ、下役人一同左様心得ませえ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
わたしは、つんつるてんの短い上着を着たまま、じっとそこに
突
(
つ
)
っ
立
(
た
)
って、
死刑
(
しけい
)
を言い
渡
(
わた
)
された
囚人
(
しゅうじん
)
よろしくのていで
床
(
ゆか
)
を見つめていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
昨日までの職掌
柄
(
がら
)
で、自分も多年いろんな
囚人
(
しゅうじん
)
を手がけて来たが、この
時遷
(
じせん
)
アダ名を
鼓上蚤
(
こじょうそう
)
という蚤みたいな人間は、めったに知らない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なんで、
囚人
(
しゅうじん
)
になんか、
引
(
ひ
)
かせたのだろう?」と
少年
(
しょうねん
)
は、
晩
(
ばん
)
がた
町
(
まち
)
から、
見
(
み
)
てきた
年
(
とし
)
よりにむかって、たずねました。
鐘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
祭
(
まつ
)
りのおかげで、
囚人
(
しゅうじん
)
たちは、まい日させられるしごとにも出て行かず、朝からお
酒
(
さけ
)
を飲んでよっぱらったり、あっちこっちのすみでは、ひっきりなしに
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
▼ もっと見る
きみもやはり
囚人
(
しゅうじん
)
になったんだな。なるほど、きみの国の森は寒いだろう。だが、そこにはまだ自由がある。とびだせ。とびだせ。きみのかごの戸はしめるのを
幸福のうわおいぐつ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
丁度あの
囚人
(
しゅうじん
)
の姿こそ自分で自分の
鞭
(
むち
)
を受けようとする岸本の心には
適
(
ふさ
)
わしいものであった。眼に見えない編笠。眼に見えない手錠。そして眼に見えない腰繩。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
わたしはかれが
囚人
(
しゅうじん
)
を
連
(
つ
)
れて帰って来るのを、べんべんとこしかけて待つほかはなかった。気ちがいじみたかけっこをしたあとで、休息するのがうれしかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
屠
(
ほふ
)
られたる
囚人
(
しゅうじん
)
の血が、
自
(
おの
)
ずから人の眼を
惹
(
ひ
)
いて、自から人の心を不快にするごとく一種異様な赤である。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なん
)
だかこれがまた
彼
(
かれ
)
には
只事
(
ただごと
)
でなく
怪
(
あや
)
しく
思
(
おも
)
われて、
家
(
いえ
)
に
帰
(
かえ
)
ってからも一
日中
(
にちじゅう
)
、
彼
(
かれ
)
の
頭
(
あたま
)
から
囚人
(
しゅうじん
)
の
姿
(
すがた
)
、
銃
(
じゅう
)
を
負
(
お
)
うてる
兵卒
(
へいそつ
)
の
顔
(
かお
)
などが
離
(
はな
)
れずに、
眼前
(
がんぜん
)
に
閃付
(
ちらつ
)
いている
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
常子は「
順天時報
(
じゅんてんじほう
)
」の記者にこの時の彼女の心もちはちょうど
鎖
(
くさり
)
に
繋
(
つな
)
がれた
囚人
(
しゅうじん
)
のようだったと話している。が、かれこれ三十分の
後
(
のち
)
、
畢
(
つい
)
に鎖の
断
(
た
)
たれる時は来た。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
千二の体には、鎖こそつないでなかったが、彼こそ電波でしばられた
囚人
(
しゅうじん
)
であったのである。
火星兵団
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
つながれているかわいそうな
囚人
(
しゅうじん
)
たちにむかっていって、苦しめたり、死人の
肉
(
にく
)
をたべたり、
貧乏人
(
びんぼうにん
)
の地下室からカブラをぬすんできたり、眠っているガチョウの足をかみきったり、メンドリから
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
何をするか知らぬと思う間もなく、三日半も
干乾
(
ひぼし
)
にして
庭樹
(
にわき
)
の枝に縛り付けてあった
囚人
(
しゅうじん
)
目がけてズドンと一発放つや否や、キャッという叫び声。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
このあいだ、わたしは
牢獄
(
ろうごく
)
の建物を見おろしました。窓をしめた一台の馬車が、その前でとまりました。ひとりの
囚人
(
しゅうじん
)
が連れだされることになっていたのです。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
いく十
人
(
にん
)
か、かき
色
(
いろ
)
の
着物
(
きもの
)
をきた、
囚人
(
しゅうじん
)
が、
列
(
れつ
)
をなして、なわにすがり、それを
引
(
ひ
)
いていたのです。
鐘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
やはり
毎朝
(
まいあさ
)
のようにこの
朝
(
あさ
)
も
気
(
き
)
が
引立
(
ひきた
)
たず、
沈
(
しず
)
んだ
調子
(
ちょうし
)
で
或
(
あ
)
る
横町
(
よこちょう
)
に
差掛
(
さしかか
)
ると、
折
(
おり
)
から
向
(
むこう
)
より
二人
(
ふたり
)
の
囚人
(
しゅうじん
)
と四
人
(
にん
)
の
銃
(
じゅう
)
を
負
(
お
)
うて
附添
(
つきそ
)
うて
来
(
く
)
る
兵卒
(
へいそつ
)
とに、ぱったりと
出会
(
でっくわ
)
す。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
彼は、アンの腰に、
丈夫
(
じょうぶ
)
な
綱
(
ロープ
)
がふた巻もしてあるのを発見した。しかもその綱の先は、防空壕の
肋
(
ろく
)
材の一本に、堅く結んであった。まるで
囚人
(
しゅうじん
)
をつないであるような有様であった。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
わたしは
囚人
(
しゅうじん
)
が
差
(
さ
)
し
入
(
い
)
れの食べ物の中に、よく友だちからの
内証
(
ないしょう
)
のことづけを見つけるという話を聞いていた。わたしは食べ物に手がつかなかったが、ふと思いついて、パンを
割
(
わ
)
り始めた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
があがあいやな
歌
(
うた
)
をわめきたてたり、こっそり
寝床
(
ねどこ
)
の
板
(
いた
)
の下にかくしてカルタをしたり、何かとんでもないらんぼうなことをして、なかまの
囚人
(
しゅうじん
)
たちにふくろだたきのめにあわされ、あげくのはて
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
彼は自分の部屋の窓の下を往来する人達と全く無関係に生きて行く異邦の旅人としての自分の身をその客舎に見つけた。あだかも
獄裡
(
ごくり
)
に
繋
(
つな
)
がるる
囚人
(
しゅうじん
)
が全く
娑婆
(
しゃば
)
というものと縁故の無いと同じように。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
エヒミチは
体裁
(
きまり
)
悪
(
わる
)
そうに
病院服
(
びょういんふく
)
の
前
(
まえ
)
を
掻合
(
かきあ
)
わせて、さも
囚人
(
しゅうじん
)
のようだと
思
(
おも
)
いながら、『どうでもいいわ……
燕尾服
(
えんびふく
)
だろうが、
軍服
(
ぐんぷく
)
だろうが、この
病院服
(
びょういんふく
)
だろうが、
同
(
おな
)
じことだ。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
いやもう
囚人
(
しゅうじん
)
どもは
明日
(
あす
)
の赤飯を楽しみに喜び勇んで引取りました。思えば罪のないものでございます。此のお瀧と申します婦人はもと八丁堀の
碁打
(
ごうち
)
阿部忠五郎という者の娘でございます。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
既成
(
きせい
)
科学に対し、すっかり
囚人
(
しゅうじん
)
になっているのがいけないのかもしれない
のろのろ砲弾の驚異:――金博士シリーズ・1――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
海岸
(
かいがん
)
に
立
(
た
)
って、ぼうぜんとして、ため
息
(
いき
)
をつくと、どこからともなく、
鐘
(
かね
)
の
音
(
ね
)
が、きこえて、すげがさをかぶった、
囚人
(
しゅうじん
)
のむれが、くもの
子
(
こ
)
のごとく、なぎさにうごめくまぼろしがうかびました。
鐘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
が、まさか、
囚人
(
しゅうじん
)
になったわけではあるまい。
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
覆面の
囚人
(
しゅうじん
)
時計屋敷の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“囚人”の意味
《名詞》
囚人(しゅうじん)
牢屋に捕らわれている人。
刑務所・拘置所などに収容されている人。
(出典:Wiktionary)
“囚人”の解説
囚人(しゅうじん)とは、主として受刑者、被疑者、被告人など、刑事施設に収容されている者を指す俗称である。かつては刑法第97条で「既決、未決ノ囚人」という語が用いられていたが、1995年(平成7年)の「刑法の一部を改正する法律」により、「囚人」の語は廃止された。
(出典:Wikipedia)
囚
常用漢字
中学
部首:⼞
5画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“囚人”で始まる語句
囚人輿
囚人席
囚人車
囚人僧
囚人溜
囚人駕
囚人馬車
囚人自動車