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唆
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そゝの
ふりがな文庫
“
唆
(
そゝの
)” の例文
……
然
(
さ
)
れば
御身
(
おみ
)
は、
少
(
わか
)
いものゝ
尻圧
(
しりおし
)
して
石
(
いし
)
に
成
(
な
)
るまでも
働
(
はたら
)
け、と
励
(
はげ
)
ますのぢや。で、
唆
(
そゝの
)
かすとは
思
(
おも
)
ふまい。
徒労力
(
むだぼね
)
をさせるとは
知
(
し
)
るまい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
出せといふに又一人も同じく
侍士
(
さふらひ
)
に向ひ
應
(
おう
)
然樣
(
さう
)
だ殘らず渡したとて
損
(
そん
)
はあるまいコウ
侍士
(
さふらひ
)
大方
(
おほかた
)
此女は
餘所
(
よそ
)
の
箱入娘
(
はこいりむすめ
)
を
唆
(
そゝの
)
かし云合せて親の金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
心の闇に迷いまして一通りの間違いではない、原丹治と密通をいたし、現在の娘を
唆
(
そゝの
)
かして
己
(
おのれ
)
の
密夫
(
みっぷ
)
の
悴
(
せがれ
)
丹三郎と密通させ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
乃ち我は父と子とを互に背くにいたらしめしなり、アーキトフェルがアブサロネをよからぬ道に
唆
(
そゝの
)
かしてダヴィーデに背かしめしも 一三六—
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
竹山自身も亦、押へきれぬ若い憧憬に胸を
唆
(
そゝの
)
かされて、十九の秋に東京へ出た。渠が初めて選んだ宿は、かの竹藪の崖に臨んだ駿河臺の下宿であつた。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
と、黒ん坊はズボンのポッケットから二十銭銀貨を出しながら、己の耳元へ口をつけて
唆
(
そゝの
)
かすように云った。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
決斷心も、理性に劣らず刺㦸されて、
耐
(
こら
)
へきれない壓迫から
逃
(
のが
)
れる爲めに、思ひもよらぬ手段を
唆
(
そゝの
)
かした。逃げるか、それが出來ないなら、絶食して死なうと決心した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
奇
(
く
)
しくも甘い眼つき、脅かすよりはむしろ
唆
(
そゝの
)
かすやうに八の字を寄せるその狭い額、その淡紅な薄い唇、むせ返へるやうなみづ/\しい黒髪の
膏
(
あぶら
)
と、化粧した肌の香ひ、——その女が
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
「やあ、
暫
(
しばら
)
く」と云つて代助の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
つた。代助も相手に
唆
(
そゝの
)
かされた様に立ち
上
(
あ
)
がつた。
二人
(
ふたり
)
は
立
(
た
)
ちながら
一寸
(
ちよつと
)
話
(
はなし
)
をした。丁度編輯のいそがしい
時
(
とき
)
で
緩
(
ゆつ
)
くり
何
(
ど
)
うする事も出来なかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
かん/\と
凍
(
こほ
)
つて
鳴
(
な
)
る
鉦
(
かね
)
の
音
(
ね
)
が
沈
(
しづ
)
んだ
村落
(
むら
)
の
空氣
(
くうき
)
に
響
(
ひゞ
)
き
渡
(
わた
)
つた。
希望
(
きばう
)
と
娯樂
(
ごらく
)
とに
唆
(
そゝの
)
かされて
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た
老人等
(
としよりら
)
は
悉皆
(
みんな
)
、
其
(
そ
)
の
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
に
提
(
さ
)
げて
撞木
(
しゆもく
)
で
叩
(
たゝ
)
いて
居
(
ゐ
)
る
鉦
(
かね
)
の
響
(
ひびき
)
を
後
(
おく
)
れるな
急
(
いそ
)
げ/\と
耳
(
みゝ
)
に
聞
(
き
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
書
(
ふみ
)
はしば/\われらの目を
唆
(
そゝの
)
かし色を顏よりとりされり、されど我等を從へしはその
一節
(
ひとふし
)
にすぎざりき 一三〇—一三二
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「香に迷ふ」とか云ふので、もとより端物ではあるけれど、濃艶な唄の文句が醉ふた心をそれとなく
唆
(
そゝの
)
かす。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
少
(
わか
)
いものを
唆
(
そゝの
)
かして、
徒労力
(
むだぼね
)
を
折
(
を
)
らせると
何故
(
あぜ
)
で
言
(
い
)
ふのぢや。
御坊
(
ごばう
)
、
飛騨山
(
ひだやま
)
の
菊松
(
きくまつ
)
が、
烏帽子
(
えばうし
)
を
冠
(
かぶ
)
つて、
向顱巻
(
むかふはちまき
)
を
為
(
し
)
て
手伝
(
てつだ
)
つて、
見事
(
みごと
)
に
仕上
(
しあ
)
げさせたら
何
(
なん
)
とする。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
暫
(
しばら
)
くお待ち下さい、其のお
腹立
(
はらだち
)
は
重々
(
じゅう/″\
)
御尤
(
ごもっとも
)
でございますが、お嬢様が
私
(
わたくし
)
を引きずり込み不義を遊ばしたのではなく、手前が此の二月始めて
罷出
(
まかりい
)
でまして、お嬢様を
唆
(
そゝの
)
かしたので
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あゝ惡き狂へる
盲
(
めしひ
)
の慾よ、
苟且
(
かりそめ
)
の世にかく我等を
唆
(
そゝの
)
かし、後かぎりなき世にかく
幸
(
さち
)
なく我等を
漬
(
ひた
)
すとは 四九—五一
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
こんな
時
(
とき
)
は
魔
(
ま
)
が
唆
(
そゝの
)
かして、
狂人
(
きちがひ
)
じみた
業
(
わざ
)
をさせて、
此
(
これ
)
を
奪
(
うば
)
はうとするのかも
知
(
し
)
れぬ。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
ど
)
の
様
(
よう
)
な事でもいたしますが、拙者は屋敷育ちで
頓
(
とん
)
と
知己
(
しるべ
)
もござらず、
前町
(
まえまち
)
に出入町人はございますが、前町の町人どもの
方
(
かた
)
へも参られず、
他人
(
ひと
)
の娘を
唆
(
そゝの
)
かしたとお腹立もございましょうが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いとよわき我等の力を年へし敵の
試
(
こゝろみ
)
にあはせず、巧みにこれを
唆
(
そゝの
)
かす者よりねがはくは救ひ出したまへ 一九—二一
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
『
少
(
わか
)
いものを
唆
(
そゝの
)
かして
要
(
い
)
らぬ
骨
(
ほね
)
を
折
(
を
)
らせるな、
娑婆
(
しやば
)
ツ
気
(
け
)
な
老爺
(
おやぢ
)
めが、』
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唆
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
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教唆
示唆
教唆罪
示唆的