“厳粛:げんしゅく” の例文
“厳粛:げんしゅく”を含む作品の著者(上位)作品数
海野十三8
吉川英治7
芥川竜之介4
江戸川乱歩3
国枝史郎2
“厳粛:げんしゅく”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.7%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
その頸から上が、厳粛げんしゅくと緊張の極度に安んじて、いつまで経っても変るおそれを有せざるごとくに人をした。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ケンは厳粛げんしゅくに言いはなつと、今まで熱狂的ねっきょうてきにあおいでいた眼をふせて、岬のはずれをふたたび見守った。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
次郎はかって経験したことのない異様な興奮と、厳粛げんしゅくな気持ちとを同時に味わいながら、じっと先生の横顔を見つめていた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
かくばかり不穏ふおんなる精神も、実に如何なる厳粛げんしゅく敬虔けいけん幽静ゆうせい、崇高なる道念を発せしめたるか。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
だが部下の巡査は、その小さな一事件にも、職務の忠実を示し得るように、おそろしく厳粛げんしゅくがって、鉛筆のシンをめる。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
阿部豊後守を初め、土屋、小笠原、稲葉の諸大老以下、若年寄、大目付たちの歴々が、膝をかためて、厳粛げんしゅくに詰めあっている。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あれやこれやの不快感を、進級式の作法の練習といふ緊張と厳粛げんしゅくの表情の下にかくすことは、さほど難かしいことではなかつた。
少年 (新字旧仮名) / 神西清(著)
我々は今まで議論以外もしくは以上の事として取扱われていた「趣味」というものに対して、もっと厳粛げんしゅくな態度をもたねばならぬ。
弓町より (新字新仮名) / 石川啄木(著)
電話が終ると、首領はにわかに厳粛げんしゅくな態度にかえって、団員一同を見渡すと、やがて静かに口を開いた。
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
誰もみな——治明博士だけは例外として——聖者レザールが厳粛げんしゅくな心霊実験を始めたのだと思っていたのだ。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼の話を聞くと共に、ほとんど厳粛げんしゅくにも近い感情が私の全精神に云いようのない波動を与えたからである。
沼地 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
かれはまず大河をはじめこちらの塾生たちに厳粛げんしゅく挙手きょしゅ注目ちゅうもくの礼をおくったあと、精一ぱいの声をはりあげて、
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それは、何という滑稽こっけいな、しかしながら又、何という厳粛げんしゅくな、一つの光景であったろう。
毒草 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それらは皆電燈の光に、この古めかしい応接室へ、何か妙に薄ら寒い、厳粛げんしゅくな空気を与えていた。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彦田博士も、帆村荘六も、しばし厳粛げんしゅくな顔で沈黙していた。しかし、ついに博士が口を開いた。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私にとっては、厳粛げんしゅくなるお酒を、めながら、私は、庭を眺めて、しぶい眼を見はった。
めくら草紙 (新字新仮名) / 太宰治(著)
参謀総長は厳粛げんしゅくそのもののような顔をして、少佐をじっと見詰めながら重々しく云いました。
計略二重戦:少年密偵 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
かれはこう心に決めた、が職員室へはいるとかれは第一に厳粛げんしゅくな室内の空気におどろいた。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
それは西山にとってはどっちから見てもこの上なく厳粛げんしゅくな壮美な印象イメージだった。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
職工服はもう笑っていなかった。彼のからだ全体に、何かしら厳粛げんしゅくなものが感じられた。
黒蜥蜴 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
姉の意見は厳粛げんしゅくな悲劇をわざと喜劇に翻訳する世間人の遊戯であるなどとも言った。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さすが霊山れいざん神前しんぜん、ことに厳粛げんしゅくきわまる武神ぶしん武人ぶじん大行事だいぎょうじ、おのずから人のえりをたださしめて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうすがたを揃えて厳粛げんしゅくかえれば、さすがにみな頼みがいある侍に見えた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「閣下」参謀長が、厳粛げんしゅくな表情をして云った。「どうなされましたのですかッ」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それは五階建ての白い鉄筋コンクリートの真四角なビルディングが、同じ距離をへだてて、墓場のように厳粛げんしゅくに、そして冷たく立ち並んでいる構内であった。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
急に厳粛げんしゅくに変わった如来の目が悟空をキッと見据みすえたまま、たちまち天をも隠すかと思われるほどの大きさにひろがって、悟空の上にのしかかってきた。
「帆村君」司令官は、厳粛げんしゅくな態度のうちに、感激を見せて、名探偵の名を呼んだ。「いろいろと、御苦労じゃった。なお、これからも、お骨折りを、願いまするぞ」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
博士は眼前がんぜんにひらける厳粛げんしゅくなる光景にうたれて、足がすくんだ。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼らはひどくお喋舌しゃべりであって、どうも一向厳粛げんしゅくでなかった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
厳粛げんしゅくと云いたいような声であった。彼女にそぐわない声であった。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この時宗助と並んで厳粛げんしゅくに控えていた男のうちで、小倉こくらはかまを着けた一人が、やはり無言のまま立ち上がって、室のすみの廊下口の真正面へ来て着座した。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
岡部伍長は、厳粛げんしゅくな敬礼をして、よき部隊長の前を下がった。
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ゴルドンの一言が厳粛げんしゅくひびいた、一同は位置についた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
いくさがあっても貧相でなく、新鋳しんちゅう小判こばんがザラザラ町にあらわれ、はでで、厳粛げんしゅくで、陽気で、活動する人気にんきは秀吉の気質きしつどおりだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
咳声しわぶきもない厳粛げんしゅくなうちを、静に、それが一巡した。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あまりの厳粛げんしゅくさに園はしばらく茫然ぼうぜんとしていた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
横に、笛を構えて、歌口うたくちしめしているお菊ちゃんの形が、優雅で、厳粛げんしゅくで、斧四郎も露八も芸妓たちも、れとひとみを彼女の顔にあつめていた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女はあらためてパパとママンになりそうな人がしいと希望を持ち出した。この界隈かいわいってはすべてのことが喜劇の厳粛げんしゅく性をもって真面目に受け取られた。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
嘉三郎は厳粛げんしゅくな調子で言って、固く唇を結んだ。
栗の花の咲くころ (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
瑠璃子は、可なり厳粛げんしゅくな態度でそういた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「二百二十四号は?」三十号が厳粛げんしゅくにたずねた。
鉄の規律 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
なんともいえぬ厳粛げんしゅくなものが彼の胸を打った。
秋空晴れて (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
と、長戸検事は厳粛げんしゅくな顔になっていった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なおいやな事はこういう厳粛げんしゅく法会ほうえの時に当ってとにかく金を沢山貰えるものですから、貧乏な壮士坊主の常としてうまい肉を余計喰う奴もありまた小僧をしたう壮士坊主もある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
謙信はふと厳粛げんしゅくに眉をひきめた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると森本は比較的厳粛げんしゅくな顔をして、
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
署長はそう厳粛げんしゅくな口調で云った。
人間と土くれとの情死、それが滑稽に見えるどころか、何とも知れぬ厳粛げんしゅくなものが、サーッと私の胸を引しめて、声も出ず涙も出ず、ただもう茫然ぼうぜんと、そこに立ちつくす外はないのでございました。
人でなしの恋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
のみならず妙に厳粛げんしゅくだった。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
帝は、ひとしお厳粛げんしゅくに、
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われらの罪の方面からみるときに、幼児おさなごはじつにかわいそうな存在であり、能力ちからの方面からみるときによろこばしい存在であり、全然新しい独自どくじの人としてみるときにじつに厳粛げんしゅくな存在であります。
おさなご (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
意志薄弱なる空想家、自己および自己の生活を厳粛げんしゅくなる理性の判断から回避している卑怯者、劣敗者の心を筆にし口にしてわずかに慰めている臆病者、暇ある時に玩具おもちゃもてあそぶような心をもって詩を書きかつ読むいわゆる愛詩家
弓町より (新字新仮名) / 石川啄木(著)