云々うん/\)” の例文
今日こんにち不図ふと鉄道馬車てつだうばしやの窓より浅草あさくさなる松田まつだの絵看板かんばん瞥見致候べつけんいたしそろ。ドーダ五十せんでこんなに腹が張つた云々うん/\野性やせい遺憾ゐかんなく暴露ばうろせられたる事にそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
物語ものがたりき、此像このざうはいするにそゞろに落涙らくるゐせり。(りやく)かくてたる小堂せうだう雨風あめかぜをだにふせぎかねて、彩色さいしき云々うん/\
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
云々うん/\といふ、あまながくはないものであつた。宗助そうすけはじ夢窓國師むさうこくし何人なんぴとなるかをらなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
し、諸君しよくんにして中江兆民なかえてうみん先生せんせいどうしゆであつて、十八零圍氣れいゐき振舞ふりまはして滿足まんぞくしてるならば、諸君しよくんなん權威けんゐあつて、『はるみじかなに不滅ふめついのちぞと』云々うん/\うたひと自由じいう干渉かんせふるぞ。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
縁附えんづきてよりすで半年はんとしとなるに、なに一つわがかたみつがぬは不都合ふつがふなりと初手しよて云々うん/\の約束にもあらぬものを仲人なかうどなだむれどきかずたつて娘を引戻ひきもどしたる母親有之候これありそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
五月朔日ごぐわつついたちことなり其夜そのよ飯坂いひざか宿とまる。温泉をんせんあればいり宿やどをかるに、土座どざむしろいて、あやしき貧家ひんかなり。ともしびもなければ、ゐろりの火影ほかげ寢所しんじよまうけて云々うん/\
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宗助そうすけ加減かげんころ見計みはからつて、丁寧ていねいれいべてもとせきふくした。主人しゆじん蒲團ふとんうへなほつた。さうして、今度こんど野路のぢそら云々うん/\といふ題句だいくやら書體しよたいやらにいてかたした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
宗助そうすけこの返事へんじたいしてすくなからず不滿ふまんかんじたにはかんじたが、おな書信しよしんなかに、委細ゐさいいづ御面會ごめんくわいせつ云々うん/\とあつたので、すぐにも東京とうきやうきたいやうがして、じつう/\だがと
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)