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なかみ
ふりがな文庫
“
中身
(
なかみ
)” の例文
ところが、義雄の友人から
中身
(
なかみ
)
の這入らない手紙が屆いて、あの長篇小説は二三軒當つて見たが、どこでも受け付けない事情が分つた。
泡鳴五部作:01 発展
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
黒い
頭巾
(
ずきん
)
をかぶって、姿は
気
(
け
)
だかい
修道士
(
イルマン
)
だが、
中身
(
なかみ
)
は
裾野
(
すその
)
の
蚕婆
(
かいこばばあ
)
だ。たきびで焼いた
兎
(
うさぎ
)
の肉をひとりでムシャムシャ
食
(
た
)
べている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だから、なにが、
幸
(
さいわ
)
いとなるかわかるものでない。
中身
(
なかみ
)
を
取
(
と
)
られて、
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
に
捨
(
す
)
てられたので、もう一
度
(
ど
)
私
(
わたし
)
は、
気
(
き
)
がついて、
目
(
め
)
がさめたのだ。
河水の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
むこうへついてみますと、たしかに、つぼはもとのままの
場所
(
ばしょ
)
においてありました。ところが、その
中身
(
なかみ
)
がからっぽです。
ネコとネズミのいっしょのくらし
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
入物
(
いれもの
)
は
其方
(
そつち
)
のですが、
其
(
その
)
つまらん
中身
(
なかみ
)
は
持參
(
ぢさん
)
ですと
言
(
い
)
ひたい
處
(
ところ
)
を、ぐツと
我慢
(
がまん
)
して、
余等
(
よら
)
は
初對面
(
しよたいめい
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
をした。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
ところが
古墳
(
こふん
)
に
入
(
い
)
れてあつた
刀
(
かたな
)
や
劍
(
つるぎ
)
の
類
(
るい
)
になりますと、その
數
(
かず
)
は
非常
(
ひじよう
)
にたくさんありますが、
中身
(
なかみ
)
がみな
鐵
(
てつ
)
ですから
赤錆
(
あかさび
)
になつて、ぼろ/\に
腐
(
くさ
)
つてしまひ
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「ちょっと拙いのさ。というのは、あれを私が買ってから、
中身
(
なかみ
)
を少し
搬
(
はこ
)
び出してしまったのよ、そいつを元通りに返すとすると、どうしても午後十時になる」
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「玉くしげ御室の山のさなかづら」迄は「さ寝」に続く序詞で、また、
玉匣
(
たまくしげ
)
をあけて見んというミから御室山のミに続けた。或はミは
中身
(
なかみ
)
のミだとも云われて居る。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
一間
(
いっけん
)
の床の間の上に、
中身
(
なかみ
)
の空しくなった古めかしい箪笥が一つ据えられて、その横の片隅に薬瓶や病床日誌やらが雑然と置かれてある。六畳の室は病室には少し狭かったのである。
生あらば
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
云
(
いへ
)
夜中
草鞋懸
(
わらんぢがけ
)
にて
下質
(
したじち
)
へ
下
(
さげ
)
に
行
(
ゆく
)
奴
(
やつ
)
がある者か
爰
(
こゝ
)
な
不屆者
(
ふとゞきもの
)
め
有體
(
ありてい
)
に白状せよ
眞直
(
まつすぐ
)
に申立なば
公儀
(
おかみ
)
にも御慈悲が有ぞと云つゝ久兵衞の
脇差
(
わきざし
)
を改めるに
鮫鞘
(
さめざや
)
にて
縁頭
(
ふちかしら
)
其外立派なる
腰
(
こし
)
のものなれば
中身
(
なかみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それは
錦
(
にしき
)
の
袋
(
ふくろ
)
に
這入
(
はい
)
つた一
尺
(
しやく
)
ばかりの
刀
(
かたな
)
であつた。
鞘
(
さや
)
は
何
(
なに
)
とも
知
(
し
)
れぬ
緑色
(
みどりいろ
)
の
雲母
(
きらゝ
)
の
樣
(
やう
)
なもので
出來
(
でき
)
てゐて、
其
(
その
)
所々
(
ところ/″\
)
が三ヶ
所
(
しよ
)
程
(
ほど
)
銀
(
ぎん
)
で
卷
(
ま
)
いてあつた。
中身
(
なかみ
)
は六
寸
(
すん
)
位
(
ぐらゐ
)
しかなかつた。
從
(
した
)
がつて
刄
(
は
)
も
薄
(
うす
)
かつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
味噌汁の
中身
(
なかみ
)
がまたカイベツである。渠はこのカイベツと枝豆の漬け物とを味はつて、それらを渠の北海道生活に於ける最初の知己であるかの如く思つた。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
そして、
別
(
わか
)
れる
時分
(
じぶん
)
に、
二人
(
ふたり
)
は、もう一
度
(
ど
)
たずね
合
(
あ
)
ってあいたいというまじないから、インドの
魔法使
(
まほうつか
)
いからもらったびんと
中身
(
なかみ
)
の
油
(
あぶら
)
とを
別々
(
べつべつ
)
に
持
(
も
)
って
帰
(
かえ
)
った。
びんの中の世界
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それに、王さまはひとりきりにならないうちは、けっしてふたをあけて、食べようとはしませんので、だれひとりその
中身
(
なかみ
)
を知っているものはありませんでした。
白ヘビ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
ちょっとあたりを見廻して、
袂
(
たもと
)
の八ツ口から出したのは、
商人持
(
あきんども
)
ちの
革
(
かわ
)
財布、
中身
(
なかみ
)
を抜いて
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、まずたまごをとりだして、からをつついて
穴
(
あな
)
をあけ、その
中身
(
なかみ
)
をふたりですっかりのんでしまいました。それから、からはかまどの上にほうりあげておきました。
ならずもの
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
人穴城
(
ひとあなじょう
)
という
外廓
(
がいかく
)
は焼けおちたが、
中身
(
なかみ
)
の
魔人
(
まじん
)
どもはのこらず逃亡してしまった。
丹羽昌仙
(
にわしょうせん
)
、
吹針
(
ふきばり
)
の
蚕婆
(
かいこばばあ
)
、
穴山残党
(
あなやまざんとう
)
の
佐分利
(
さぶり
)
、
足助
(
あすけ
)
の
輩
(
ともがら
)
にいたるまで、みな
間道
(
かんどう
)
から抜けだした
形跡
(
けいせき
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、もし、
私
(
わたし
)
に、あの
甘
(
あま
)
い
中身
(
なかみ
)
があったなら、
私
(
わたし
)
の
眠
(
ねむ
)
りは、いつまでもさめずに、しまいに、いい
気持
(
きも
)
ちのまま、
私
(
わたし
)
の
体
(
からだ
)
がすっかり、
酒
(
さけ
)
のように、
醸
(
かも
)
されて
溶
(
と
)
けてしまったかもしれない。
河水の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ある日のこと、おさらをさげた
召使
(
めしつか
)
いが、どうにも
中身
(
なかみ
)
を知りたくなって、そのままそのおさらをじぶんのへやにもっていきました。
召使
(
めしつか
)
いは
扉
(
とびら
)
を
注意
(
ちゅうい
)
ぶかくしめてから、ふたをとってみました。
白ヘビ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
“中身”の意味
《名詞》
(ちゅうしん)身分・禄高などが中位であること。また、その人。
「なかみ」参照。
(出典:Wiktionary)
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“中身”で始まる語句
中身長