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驅
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かけ
其の
力が
烈しい
程拂曉の
霜が
白く、
其れが
白い
程亂れて
飛ぶ
鴉の
如き
簇雲を
遠い
西山の
頂巓に
伴うて
疾風は
驅るのである。
上る時は直立して天に向ふ
此は危なし
下んと云へど聞かぬ顏にていよ/\飛ばす山は恰も
驅るが如く樹は飛が如くに見ゆ快と
云ば快爽と云ば爽なれどハツ/\と魂を
雨戸をさす
間もなく、
今まで
遠くの
林の
中に
聞えてゐた
風の
音は、
巨人の
手の一
煽りのやうに
吾にもない
疾さで
驅て
來て、その
勢ひの
中に
山の
雪を一
掃き
捲き
込んでしまつた。
ラツカダイヴ
諸島の
空を
流星の
如く
驅つて、それから
何處へ、
如何に
行くものやら、
四晝夜の
間は
全く
夢中に
空中を
飛走したが、
其五日目の
午前になつて、
風も
漸くをさまり
心利いて、すばやい
春葉だから、「
水だ、
水だ。」と、もう
臺所で
呼ぶのが
聞えて、
私が
驅おりるのと、
入違ひに、
狹い
階子段一杯の
大丸まげの
肥滿つたのと、どうすれ
合つたか
せかせかと息を切つて半里ばかり
驅つて來ると、村役場がそこにあつた。
偶然彼は
俄に
透明に
成つた
空氣の
中から
驅つて
來て
網膜の
底にひつゝいたものゝやうにぽつちりと一つ
目についたものがある。それは
遠い
上流に
繋つて
居る
小さな
船であつた。
露西亞等の
元氣盛んなる
人々は
脛を
叩いて
跳り
出たので、
私もツイ
其仲間に
釣込まれて、一
發の
銃聲と
共に
無二
無三に
驅つたが、
殘念なるかな、
第一
着に
决勝點に
躍込んだのは
其眞先に
砂塵を
蹴立てゝ、
驅つて
來るのはまさしく
猛犬稻妻!