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馬鈴薯
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じやがいも
ふりがな文庫
“
馬鈴薯
(
じやがいも
)” の例文
お栄はそんなことを胸に浮べながら独りで部屋を片附け、それから勝手の方へ行つて
笊
(
ざる
)
の中に入れてあつた
馬鈴薯
(
じやがいも
)
の皮を
剥
(
む
)
き始めた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
禿頭といふのは真野博士が色々の智識を
蔵
(
をさ
)
めてゐる頭の事で、林伯や児玉伯や
馬鈴薯
(
じやがいも
)
男爵などの頭と同じやうにてかてか光つてゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「どうしたもんだおとつゝあは、お
平
(
ひら
)
の
盛換
(
もりけ
)
えするもな
有
(
あ
)
んめえな、
馬鈴薯
(
じやがいも
)
は
前
(
めえ
)
に
幾
(
いく
)
らでも
有
(
あ
)
んのに」おつぎは
更
(
さら
)
に
窘
(
たしな
)
めるやうに
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
聞く所に依れば、英人は鱷猟の組合を組織して鱷を捕へ、その
背肉
(
はいにく
)
をビイフステエキの如く調理し、
芥
(
からし
)
、ソオスを加へ、
馬鈴薯
(
じやがいも
)
と共に食ふと云ふ。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
焦
(
こ
)
げたお
粥
(
かゆ
)
は腐つた
馬鈴薯
(
じやがいも
)
とおなじ位ひどいものだつた。餓死しさうな人でもそれを食べればすぐにむか/\してしまふだらう。みんなの匙ものろ/\と動いた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
間接には
馬鈴薯
(
じやがいも
)
に目鼻よろしくといふマダム田島の御機嫌をとつた事になる不面目を施し、退いて職員室の一隅に、児童出席簿と睨み合をし乍ら算盤の珠をさしたり
減
(
ひ
)
いたり
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
草
(
くさ
)
を
毟
(
むし
)
れ、
馬鈴薯
(
じやがいも
)
を
掘
(
ほ
)
れ、
貝
(
かひ
)
を
突
(
つ
)
け、で、
焦
(
こ
)
げつくやうな
炎天
(
えんてん
)
、
夜
(
よる
)
は
毒蛇
(
どくじや
)
の
霧
(
きり
)
、
毒蟲
(
どくむし
)
の
靄
(
もや
)
の
中
(
なか
)
を、
鞭打
(
むちう
)
ち
鞭打
(
むちう
)
ち、こき
使
(
つか
)
はれて、
三月
(
みつき
)
、
半歳
(
はんとし
)
、
一年
(
いちねん
)
と
云
(
い
)
ふ
中
(
うち
)
には、
大方
(
おほかた
)
死
(
し
)
んで
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一年は食はなければならない
馬鈴薯
(
じやがいも
)
だの、板で周囲を張つた小屋だの、蕎麦の畑の白い花だの、旅籠屋の前の灯だの、うどんかけと書いた明るい障子だの、柳の夕風に靡いてゐる坂のところだのが
百日紅
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
月
明
(
あか
)
き浅夜の野良の家いくつ
洋燈
(
ランプ
)
つけたり
馬鈴薯
(
じやがいも
)
の花 (六一頁)
文庫版『雀の卵』覚書
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ところどころの
馬鈴薯
(
じやがいも
)
と
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
商船会社の志望者といつても、もとは大抵
胡瓜
(
きうり
)
や
馬鈴薯
(
じやがいも
)
と同じやうに
陸
(
をか
)
の上で生れたので、それ/″\自分の故郷といふのを
有
(
も
)
つてゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「そんなこと
云
(
ゆ
)
はねえつたつて
泣
(
な
)
いてんのに
何
(
なん
)
だつぺな、おとつゝあ」おつぎは
勘次
(
かんじ
)
を
叱
(
しか
)
つた。
勘次
(
かんじ
)
は
口
(
くち
)
を
嵌
(
つぐ
)
んで
箸
(
はし
)
の
先
(
さき
)
へ
馬鈴薯
(
じやがいも
)
を
刺
(
さ
)
した。
與吉
(
よきち
)
は
瞼
(
まぶた
)
が
弛
(
ゆる
)
んでいつか
輕
(
かる
)
い
鼾
(
いびき
)
を
掻
(
か
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
夕食
(
デイナー
)
は、二個の、大きな
錫張
(
すゞば
)
りの器で出された。その器からは惡臭のある脂のつよい白い
湯氣
(
ゆげ
)
が立つてゐた。見ると、この食物は、平凡な
馬鈴薯
(
じやがいも
)
と古くさい肉の變な切屑とを一緒に煮てあつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
木の皿に一つごろりと描いてある紫の芽の出かかつた
馬鈴薯
(
じやがいも
)
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
それから
馬鈴薯
(
じやがいも
)
と鞘豆と
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
とりわけ
酷
(
ひど
)
いのは料理で、仏蘭西式の本場の庖丁加減よりも、
馬鈴薯
(
じやがいも
)
の
天麩羅
(
てんぷら
)
が好きで、何かといふとそればかりを頬張つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だとも、
馬鈴薯
(
じやがいも
)
が
大
(
え
)
かく
成
(
な
)
る
樣
(
やう
)
ぢや
其
(
その
)
肥料
(
こやし
)
は
桑
(
くは
)
も
吸
(
す
)
ふから、いや
桑
(
くは
)
の
根
(
ね
)
つ
子
(
こ
)
の
遠
(
とほ
)
くへ
踏
(
ふ
)
ん
出
(
だ
)
すんぢや
魂消
(
たまげ
)
たもんだから、
目
(
め
)
も
有
(
あ
)
りもしねえのに
肥料
(
こやし
)
の
方
(
はう
)
へ
眞直
(
まつすぐ
)
にずうつと
來
(
く
)
つかんな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
夏浅き月夜の野良の家いくつ
洋燈
(
ランプ
)
つけたり
馬鈴薯
(
じやがいも
)
の花
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
昨日
(
きのふ
)
心臓麻痺で亡くなつた木彫家田中祥雲氏は、頭が
馬鈴薯
(
じやがいも
)
のやうに禿げてゐるのと飛び抜けた奇行が多いので、仲間に聞えた男であつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
山寺は庭を畑とし
馬鈴薯
(
じやがいも
)
の根薯埋めたり秋待たむとす
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
英詩人野口米次郎氏の頭の
天辺
(
てつぺん
)
は
夙
(
はや
)
くから
馬鈴薯
(
じやがいも
)
のやうな
生地
(
きぢ
)
を出しかけてゐた。氏は無気味さうに一寸それに触つてみて
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
魚
(
さかな
)
かつぎ丘にのぼれば
馬鈴薯
(
じやがいも
)
の紫の花いま盛りなり
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
老年
(
としより
)
つて幾つ位かな。」重役の一人は
馬鈴薯
(
じやがいも
)
のやうなぴか/\した頭を撫でながら言つた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お
薯
(
いも
)
もころげ出せ、
馬鈴薯
(
じやがいも
)
、里芋、つくね芋。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「実は困つた事が持ち上つたのだ。」団長は
馬鈴薯
(
じやがいも
)
のやうな額をてかてかさせながら言つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お薯もころげ出せ、
馬鈴薯
(
じやがいも
)
、里芋、つくね芋
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と、だらしなく画絹の前に坐ると変な
手附
(
てつき
)
で
馬鈴薯
(
じやがいも
)
のやうなものをさつと
塗
(
なす
)
くつた。そしてとろんこの眼で
凝
(
じつ
)
と見てゐたが「
此奴
(
こいつ
)
あ
可
(
い
)
かん。」と言つて、画絹をさつと放り出した。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
馬鈴薯
(
じやがいも
)
を
食
(
た
)
べすぎた
食傷
(
もたれ
)
から。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
女といふ女が恋人よりも新聞小説よりも好きな
馬鈴薯
(
じやがいも
)
である。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「それから
馬鈴薯
(
じやがいも
)
料理もなかなか
美味
(
うま
)
く食べさせますよ。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“馬鈴薯”の意味
《名詞》
馬鈴薯 (構成:馬鈴+薯 読み:ばれいしょ 別表記:馬鈴藷)
「じゃがいも」の別名。
《季語》(馬鈴薯) 季語「じやがいも」と同義で、収穫期のジャガイモ、特に収穫するもしくは収穫したジャガイモの芋を指す。秋の季語(初秋の季語)で、分類は植物。
(出典:Wiktionary)
馬
常用漢字
小2
部首:⾺
10画
鈴
常用漢字
中学
部首:⾦
13画
薯
漢検準1級
部首:⾋
16画
“馬鈴薯”で始まる語句
馬鈴薯畑