ぢん)” の例文
よ、かしらなきむくろ金鎧きんがい一縮いつしゆくしてほこよこたへ、片手かたてげつゝうままたがり、砂煙すなけむりはらつてトツ/\とぢんかへる。陣中ぢんちうあにおどろかざらんや。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これは大變たいへんと、總掛そうがゝりでならしをして、今度こんどまたおもおもひにぢんり、西にしからひがしむかつて坑道こうだうすゝけた。
かゝるかたきが、植物界しょくぶつかいにも、人間界にんげんかいにも、つねぢんどって相鬪あひたゝかふ……仁心じんしん害心がいしんとが……しかうしてしいかたつときは、たちま毒蟲どくむし取附とりつかれて、その植物しょくぶつ枯果かれはつる。
さげいかりをといふ間もあらばこそ一ぢん颺風はやてさつおとし來るに常のかぜとはことかはうしほ波を吹出てそらたちまち墨を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それを見込みこみて石之助いしのすけ今宵こよひ期限きげん借金しやくきん御座ござる、ひとけにちてはんたるもあれば、花見はなみのむしろに狂風けうふうぢん破落戸仲間ごろつきなかまものらねば此納このおさまりむづかしく
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ぼく先づ出ぢんに及んで何と四せうはい、すつかり得になつてゐると、つい二三日前には口しさのはらやさんずとむかうから來せんに及んで何と三はいせう、物の見事に復讐ふくしうされてしまつた。
花草はなぐさ満地まんちに白とむらさきのぢん立ててこし秋の風かな
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
れるやぢん驕慢けうまん
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
ところで、とんさんは、伏勢ふせぜいのかはりに、常山じやうざんへびてばかしらもつて、で、所謂いはゆる長蛇ちやうだぢんつた。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)