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むかひ
此樣な時に、もし
家から誰か
迎に來て呉れたら、自分は
何樣なに
悦しかツたか知れぬ。併し
其樣な事を幾ら考へてゐたツて無駄だ。
三人の
迎は
来てゐたが、代助はつい
車を
誂へて置くのを忘れた。面倒だと思つて、
嫂の
勧を
斥けて、茶屋の前から電車に乗つた。
よき事なりて
即て
三〇五因をなしける。かくて都へも
迎の人を
登せしかば、此の采女
富子なるもの、よろこびて帰り来る。
軈て
父親が
迎にござつた、
因果と
諦めて、
別に
不足はいはなんだが、
何分小児が
娘の
手を
放れようといはぬので、
医者も
幸、
言訳旁、
親兄の
心もなだめるため
思ひ
切つて、
自分で
馳け
出して
醫者を
迎に
行かうとしたが、
後が
心配で
一足も
表へ
出る
氣にはなれなかつた。
其の
雪は、
故郷から
私を
迎に
来たものを、……
帰る
気は
些も
無しに、
貴下の
背に
凭かゝつて、
二階の
部屋へ
入りしなに、——
貴下のお
父様が
御覧の
目には、……
急に
貴下が
大きく
成つて
「今迄
待つてゐたけれども、
余り
遅いから
迎に
来た」と美禰子の
真前に立つた。
見下して笑つてゐる。
「
一寸、
菊屋の
迎かい。」
「さあ
最う
起きて
頂戴」に
變る
丈であつた。
然し
今日は
昨夕の
事が
何となく
氣にかゝるので、
御米の
迎に
來ないうち
宗助は
床を
離れた。さうして
直崖下の
雨戸を
繰つた。
「御
宅から
御迎が参りました」と云つた。代助は
宅から
迎を受ける
覚がなかつた。聞き
返して見ても、
門野は
車夫がとか何とか要領を得ない事を云ふので、代助は
頭を振り/\玄関へ
出て見た。
「奥様が
車を
持つて、
迎に
行つて
来いつて、
御仰いました」