“迎火”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むかえび60.0%
むかいび40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「むずかしいことはありませんのよ。普通な顔をして、門口のお迎火むかえびを跨いで入って来てくださればそれでいいのですわ」
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
迎火むかえびでも焚いている場合かと思われる。ざわざわと吹き渡る風の音も、その場合ただならぬようにおぼえて、亡き魂がこの風に乗って来るのではないかという気がする。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
しかし幸か不幸かいまだ全く文明化せられざる今日においてはかかる裏長屋の路地内ろじうちには時として巫女いちこ梓弓あずさゆみの歌も聞かれる。清元きよもとも聞かれる。盂蘭盆うらぼん燈籠とうろう果敢はかない迎火むかいびけむりも見られる。
迎火むかいびいてたれ待つ羽織はおり
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)