迎火むかいび)” の例文
しかし幸か不幸かいまだ全く文明化せられざる今日においてはかかる裏長屋の路地内ろじうちには時として巫女いちこ梓弓あずさゆみの歌も聞かれる。清元きよもとも聞かれる。盂蘭盆うらぼん燈籠とうろう果敢はかない迎火むかいびけむりも見られる。
迎火むかいびいてたれ待つ羽織はおり
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)